令和4年度、令和5年度と、城内地区・柳町地区周辺で実施してきた人気のまち歩きイベント「景観ウォッチング」を、ルートを変更して今年度も開催しました。今年度は「中央大通りまち歩き」と題し、佐賀駅周辺の近現代文化に彩られた景観スポットを散策しました。本記事では、散策したスポットについて、当日の写真と共にお伝えいたします。

木々が色づく公園で参加者たちが説明を聞きながら集まり散策する和やかな雰囲気を捉えた写真

日時

2025年1月25日(土曜日)10時から12時頃(9時30分受付開始)

対象

お住まいの地域・年齢に限らず、どなたでも参加可能

講師

一般社団法人佐賀県建築士会 川崎 康広 氏

散策コース

  1.  佐賀駅バスセンター
  2.  佐賀駅前交流広場
  3.  県道佐賀停車場線
  4.  駅前まちかど広場
  5.  唐人町まちかど広場
  6.  唐人町商店街
  7.  見佛山鏡圓寺
  8.  唐人町緑道広場
  9.  唐人寺町
  10.  鈴蘭橋
  11.  向栄橋・御幸橋・中央橋
  12.  佐星醤油
  13.  佐賀市第2水源地跡
  14.  楠神社
  15.  龍造寺八幡宮
  16.  佐賀白山郵便局
  17.  白山名店街
  18.  エスプラッツ

佐賀市建築指導課より発行している「ヨカトコまっぷ」掲載の【おすすめルートC】に沿って散策しました。

  • ヨカトコまっぷ(【おすすめルートC】は青色の点線で示したルートになります。)
  • ヨカトコまっぷの詳細については下記リンクをご覧ください。

当日散策したスポットについて

佐賀駅バスセンター

1976年、鉄道高架化に合わせて開業した、佐賀市の公共交通の要所です。
かつてはバス会社ごとに乗り場が点在している状況でしたが、リニューアルを重ねた現在は行き先ごとの乗り場が整備されており、シンプルで利便性のある導線が確保されています。また、待合スペースの内観には木材が主に使用されており、木のあたたかみを感じられる雰囲気の中で、快適にバスを待つことができます。

佐賀駅バスセンターのガラス張りの通路に並ぶ柱へ白い矢印標示が描かれ、光が差し込む駅前の乗り場通路を示す写真

佐賀駅前交流広場

いつも人の賑わいを見せている、佐賀市の玄関口です。
かつての駅前広場は、駅前一面が「車中心」の広場でした。しかし2022年に、西側半分を車送迎やタクシー乗り降りのための交通広場、東側半分を交流広場として、「人中心」の広場へと生まれ変わりました。映像の流れる大スクリーンやテーブル席が設置されているほか、イベントの実施やキッチンカーの出店も可能で、朝から夜まで人の姿が途絶えることのない、市民同士の交流の場となっています。

青空の下の佐賀駅前広場で多くの来訪者が建物を背に集まり談笑しながら行き交う様子を捉えた写真

県道佐賀停車場線

車道を減らし歩道を拡張する工事を経たことで、劇的な変化を遂げた佐賀停車場線。足を伸ばしてくつろげるほどに広いベンチやテラス席が整備され、街路樹の緑を感じながらゆったりと過ごすことのできるスポットとなっています。車道のこれほど間近に大きなベンチが設置されている様子は、全国的に見てもかなり珍しいのではないでしょうか。
佐賀駅前交流広場と一体となり、人々が自然と集う、あたたかい賑わいのある景観を創出しています。

駅前の歩道沿いに並ぶ若木と商業施設を背景に、数人の来訪者が広場付近で集まり行き交う様子を収めた写真

駅前まちかど広場

佐賀駅は、1976年に高架化するまで、この付近に置かれていました。この広場は、高架化前の佐賀駅前ロータリー跡地を利用して整備されたものです。景観ウォッチングの参加者のうち、まだこの地に佐賀駅が置かれていた頃を知る方々から、当時を懐かしむ声が聞かれました。
なお、この広場では、2018年3月から2019年1月にかけての「肥前さが幕末維新博覧会」に伴い設置された、佐賀七賢人の銅像を見ることができます。何かを盛んに議論している七賢人たちの様子は、見ているだけでも維新の風を感じさせてくれるようです。

駅前まちかど広場で銀色の抽象的モニュメントと花壇が並ぶ中、通行人が冬の陽射しを受けながら行き交う様子を捉えた写真

唐人町まちかど広場

1985年に中央大通りをリニューアルした際に設置されたポケットパークです。広々としたステージが設置されており、商店街によるストリートコンサート等のイベントが定期的に開催されています。地域のみなさんにより花壇の手入れや美化活動が徹底されているほか、広場の一角にみんなのトイレが設置されており、誰もが快適に過ごせる憩いの場となっています。

花壇やベンチが配置された小広場で青い装飾壁と木々が柔らかな日差しに照らされる唐人町まちかど広場の写真

唐人町商店街

中央大通りを真っ直ぐ南に歩いていくと、唐人町商店街に入ります。
1599年に、当時の佐賀藩主であった鍋島直茂公が、豊臣秀吉の朝鮮出兵で功績を修めた高麗人の李宗歓一族を住まわせたことがこの地を唐人町と称するようになったきっかけである、という説があります。この説を参照すると、中央大通りのうち、この唐人町商店街のエリアについては400年以上の長い歴史を持つことになります。400年前の人々もここで買い物を楽しんでいたと考えると、趣深いです。

唐人町商店街の街路沿いの石製門柱前に集まった一団が説明を聞きながら建物周辺を見学している様子を捉えた写真

見佛山鏡圓寺

1626年に建立された浄土宗の寺院です。唐人町商店街に面する石門をくぐって直進すると、現代的な鉄筋コンクリート造の本堂を見ることができます。また、ここには、上述の李宗歓一族や、鍋島更紗の創始者である九山道清の墓があります。
これまで2度にわたり火災に見舞われながらも、その度に再建されこの地に在り続け、現在に至るまで唐人町と佐賀の人々を見守っています。

石造りの門柱が並ぶ細い参道の奥に見佛山鏡圓寺の屋根が見え、周囲の現代的建物と対比して静かな佇まいを示す写真

唐人町緑道広場

この地は元々、交通の円滑化のために、唐人町を東西に横切る形で計画された道路用地でした。その計画が見直されたことに伴い、現在は歩行者中心の緑あふれる道として整備されています。緑のスポットは、人々の心に安らぎと潤いを与えてくれます。商店街で買い物を楽しんだ後の休憩にもぴったりです。

木々が並ぶ細い園路の先で大勢の参加者が集まり、日差しの差す公園内を散策しながら説明を聞く様子を収めた写真

唐人寺町

緑道広場の中を東へ進むと、中央大通りと並行して伸びる道にぶつかります。この道周辺はかつて、物資の運搬に使われていた2本の水路に挟まれた、寺町の中を通る大きな商店街でした。当時はさまざまな店が軒を連ね、唐人町商店街と並ぶ人の賑わいを誇っていたそうです。
第16回佐賀市景観賞を受賞した古田邸(町屋建築(注釈))や、市内の他の地域と比べても数の多いエビス像に、当時の面影を感じることができます。

(注釈)町屋建築とは、間口が狭く奥行きのある、店舗併用の住宅のことです。

冬晴れの細い生活道路で参加者たちが左右に分かれて立ち止まり、周囲の住宅街を眺めながら説明を聞く様子を捉えた写真

鈴蘭橋

十間堀川に架かる石造りの小さな橋です。この橋を渡った先は、旧城下町エリアとなっています。十間堀川の川幅は、もともと十間(18メートル)あったとされています。船の往来に十分な幅であったことから、現在の状態に再整備される前は佐賀市の物流を司り、多くの船が行き来していたそうです。鈴蘭橋から東側を望むと、十間掘川の中に作られた中之島を見ることができます。中之島の護岸は現在までその当時のものが維持されており、当時の川幅の広さと、川港として栄えていた頃の様子が伺えます。

石造りの欄干に「鈴蘭橋」の銘板が付いた橋上で参加者が集まり説明を聞く様子を捉えた写真
河沿いに石積みの護岸と古い建物が並び、駐車場の看板が立つ一角を穏やかな水面越しに捉えた写真

(中之島)

向栄橋・御幸橋・中央橋

中央大通りでは、枝分かれするように3つの大きな橋の架かった光景をみることができます。
東に架かる向栄橋は、江戸時代に十間堀川以南の城下町と唐人町を繋いでいた唯一の橋でした。現在は石の橋ですが、当時は城下町に敵が侵入するのを防ぐために、壊すのが容易な土の橋であったため、土橋とも呼ばれているそうです。
西に架かる御幸橋は、明治時代、佐賀に行幸された明治天皇をお迎えする際に架けられました。当時は馬鉄も走っていたそうです。
そして中央橋は、交通の円滑化のために中央大通りが出来た際、昭和時代に架けられた橋です。
このように、これら3つの橋は、それぞれ江戸から昭和にかけて、全く異なる時期に架けられ、現在まで佐賀の交通の要所としての役割を果たしています。3つの橋の並んだ景観は、まさしく佐賀の歴史を象徴していると言えるのではないでしょうか。

横断歩道の先に低層ビルや車両が並ぶ交差点が広がり、街灯に取り付けられた魚形の装飾が青空の下で影を落とす写真

佐星醤油

老舗の醤油蔵・佐星醤油の店舗兼事務所と居宅です。1931年頃に建てられた当時の面影をそのまま残しており、事務所はその頃の洋風モダンの様式を今に伝える造りとなっています。曲線を生かした大きなガラス窓建具や、手の込んだ美しい意匠が特徴的です。塀から覗く居宅は、事務所のモダン建築とは打って変わって和風建築となっており、その対比が趣深い外観を作り出しています。旧城下町から唐人町に入る際にひと際目を魅かれる、ランドマーク的な景観スポットで、第9回佐賀市景観賞を受賞しています。

薄茶色の二階建て建物が交差点に面して立ち、並んだ窓と鉢植えが静かな町並みに調和する佐星醤油の店舗兼事務所と居宅を正面から捉えた写真

佐賀市第2水源地跡

写真の場所は、現在の勧興公民館の駐車場です。実は、かつてこの地には井戸とポンプが設置されており、佐賀市に初めて水道が通った大正5(1916)年から現在の浄水場が建てられるまで、水道用水の汲み上げが行われていました。稼働年数は半世紀ほどでしたが、佐賀市民の生活用水の供給を支えていた重要な場所の1つだったのです。

川沿いの堤防で集まる参加者の背後に交通安全の旗と駐車場越しの建物が広がる佐賀市第2水源地跡の写真

楠神社

楠神社の始まりは、1856年、当時の佐賀藩執政であった鍋島安房が、鎌倉時代末期から南北朝時代にかけての武将・楠木正成とその息子正行の忠孝を敬い、合戦前の父子の別れ(桜井の別れ)の様子を表した像を遷したことでした。この楠木父子を敬う考えは、幕末の佐賀藩で展開された勤皇運動に大きな影響を与えました。佐賀の七賢人らは、正成の戦死した日に義祭を行う「楠公義祭同盟」に参加していたそうです。
歴史の鍵を握る人物と数多の縁を持つこの神社の佇まいは、佐賀の歴史を形作る景観の1つを担っていると言えるでしょう。

木製の拝殿が緑青色の屋根と石灯籠に囲まれて立ち、境内の木々と澄んだ青空が神社の静かな佇まいを際立たせる写真

龍造寺八幡宮

肥前を代表する戦国大名・龍造寺家の始祖である南次郎季家が、第15代天皇・応神天皇を主神として1187年に建立した、大変長い歴史を持つ神社です。現在の社殿は江戸時代に造られたものであり、景観上貴重なものとして、都市景観重要建造物に指定されています。
1604年に築造された、曲線の優美な鳥居は、肥前鳥居の典型的な形式の物として価値が高く、市重要文化財に指定されています。

境内へ続く参道に赤い簡易鳥居や幟が並び、大樹のそばに拝殿が堂々と佇む龍造寺八幡宮の写真

(社殿の様子)

古びた石造りの鳥居の先に拝殿と赤い幟が整然と並び、青空の下で豊かな木々に囲まれた広い神社参道を写した写真

(肥前鳥居)

佐賀白山郵便局

佐賀白山郵便局は、日本で郵便制度の運用が開始された1871年に同場所にて設置された、佐賀郵便取扱所を前身としています。言い換えると、佐賀市内で最も古い郵便局ということになります。
郵便制度の拡大とともに、佐賀の郵便等の中心機能は、現在の佐賀中央郵便局へ移されましたが、現在も街の郵便局として、地域の人々に親しみをもって利用され続けています。

商店街の屋根付き通路沿いにある佐賀白山郵便局前で多数の人々が案内表示を見たり並んだりしている様子を捉えた写真

白山名店街

江戸時代から商人の街として賑わっていた、白山付近の長崎街道上に、約200メートルに渡って続く長い商店街です。1980年にアーケードが作られ、以後多くの人で賑わいを見せました。家族や友人と訪れた思い出を持つ市民の方は、きっと沢山いらっしゃるのではないでしょうか。現在では、この白山名店街が、市内で唯一アーケードを冠する商店街となっています。エスプラッツ横まで歩くと、バルーンをモチーフとした、カラフルなステンドグラス風のアーケードを見ることができるので、訪れた際にはぜひ一度上を見上げてみてください。

屋根付き白山名商店街の明るい通路を複数の歩行者が日差しを受けながらゆっくり進む様子を捉えた写真
色鮮やかな幾何学模様のステンドグラス風天井が長く続く商店街の通路を見上げた写真

エスプラッツ

中心市街地活性化事業の一環として、2007年にリニューアルオープンした、街づくりの基点となっている施設です。1階は生活必需品が手に入る商業エリア、2階は医療・子育て支援等の公共サービスを柱としたエリア、3階はホールやカルチャーセンターを設けた文化を発信するエリアとされ、毎日多くの人々が出入りする場となっています。

色鮮やかな天井が続く商店街の入口付近で人々が店先に集まり立ち話をしている様子を写した写真

このように、佐賀駅バスセンターから始まり、エスプラッツを終点として、計18か所の景観スポットをめぐりました。当日の散策に要した時間は、講師である川崎氏の解説を含めて2時間程度で、全長は約2キロメートルとなっています。このページの解説を参考にしながら、あなたもぜひ、景観スポットをめぐってみてください!

参考

景観啓発動画

ヨカトコまっぷのおすすめルートを実際に散策する様子を収めた動画です。動画内では、今回の景観ウォッチングの講師である川崎氏が、景観スポットを解説しています。景観ウォッチングで回ったおすすめルートCについての動画もございますので、ぜひご覧ください。

詳しくは下記リンクを参照してください。

景観ウォッチング バックナンバー

令和4年度

令和5年度

この記事に関するお問い合わせ先

都市戦略部 建築指導課 景観係
〒840-8501 佐賀市栄町1番1号 本庁6階
電話:0952-40-7172
ファックス:0952-40-7392
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