今回の景観ウォッチングでは、建築士さんのガイドをききながら、旧嬉野家の武家屋敷門や願正寺、柳町通りなど佐賀の歴史や文化を色濃く残す長崎街道・柳町周辺の景観スポット、18か所を歩いて巡り、その魅力を再発見しました。
参加者からは、「佐賀の歴史を見過ごしていた(通り過ぎていた)事に気が付いた」、「自分で散策だと知り得ない色々な話がためになった」、「とても楽しく勉強になった」、「また参加したい」などの感想がありました。(注意:参加者のアンケート原文)
日時
令和6年2月17日(土曜日) 9時30分から12時頃まで
講師
一般社団法人佐賀県建築士会 川崎 康広 氏
コース
- 佐賀バルーンミュージアム
- 旧嬉野家の武家屋の敷門
- 松原川
- 徴古館
- 佐嘉神社
- 松原神社
- 松原河童社
- 新馬場通り
- 欄干橋
- わいわいコンテナ2
- 長崎街道の道標
- 656(むつごろう)広場
- 中央マーケット
- 願正寺
- 晒(さらし)橋
- 成就院橋
- 柳町通り
- 柳町思案橋広場
コースについてはこちらの資料もあわせてご覧ください。
(補足)今回はマップ内のおすすめルートBを歩いて巡りました。
今回、景観ウォッチング~長崎街道・柳町周辺まち歩き~はひな祭りのシーズンに開催しました。佐嘉神社や柳町通り等には綺麗なお花が飾ってあり、より明るくそして華やかな雰囲気の景観スポットを楽しみました。
(佐嘉神社)
バルーンミュージアムに集合し、まち歩きがスタート!朝は少し肌寒かったですが、青空が広がっており、まち歩きにぴったりな天気でした。
バルーンミュージアムの後はかつて「中門」と呼ばれた旧嬉野家の武家屋敷門へ。東側には屋敷の正門、「長屋門」があったと伝わっています。また、木造であるため、「火」には特に用心していたそうです。そのためか火除けの「水」の字が入った鬼瓦がのせられています。ぜひ探してみてください!


次にルートには掲載されていませんでしたが、明治末期の建築物、薮内写真館の外観も見学しました。佐賀市都市重要建造物等に指定されており、さらに都市景観賞を受賞している佐賀を代表する洋風建築物の一つです。当時は日本建築の多い中、外壁面にレンガが使用されおり、オシャレで珍しい外観が当時の人の心を奪ったのではないかと言われています。また、用途を変更せず100年間写真館として使用されていることも珍しく、歴史的な雰囲気漂う写真館です。


(近づいてみるとよりレンガも美しく、よりレトロ感が伝わってきます)
その後、薮内写真館の南側にある松原川へ。参加者は「松原川はもともと川ではなくお城を守るため(わかりにくくするために)たくさんの松の木が植えられていた」という話にしっかり耳を傾けていました。また、現在の松原川にはたくさんの河童の像があり、遊歩道を散策しながら河童探しをするのも楽しさの一つです!!右手を出して握手を求めている河童と握手すると驚きの仕掛けも隠されています!ぜひ握手してみてください!!

次は徴古館へ。
徴古館は鍋島家第12代当主鍋島直映公により昭和2(1927)年に創設された佐賀県初の博物館です。また、初期の鉄筋コンクリート造建築物であり、現在は国の登録有形文化財に登録されています。昭和初期の佐賀県を代表する洋風建築の一つです。徴古館の美しい外観の中でも、特に車寄せは珍しいかたちをしているためぜひ注目してみてください!


次に佐嘉神社と松原神社を見学した際には、偶然他のイベントも開催されていました。
佐嘉神社と松原神社を見学後、松原神社の敷地内にある松原河童社へ。
松原河童社は松原神社楼門の梁上にのっていた河童が祀られている神社です。
河童はかつて松原川に住んでいた「ひょうすべ」と言われており、現在は子どもたちを水難から守る神様として祀られています。
松原川から階段をのぼってまっすぐ進むと松原河童社があるのも面白く、遊び心も感じられるところも魅力です!!


その後新馬場通りを見学し、欄干橋、わいわいコンテナ2へ。
欄干橋は江戸時代には橋の北側に大きな門があり、そこを境に城内方面には身分の高い人しか行くことができなかったそうです。かつては川幅が広く多くの船も通っていたそうです。また、欄干橋の北側にあるわいわいコンテナ2ではイベントが開催されているときもあり、賑わいを感じることができるスペースになっています。
そして、長崎街道の道標をみた後、商店街の中心的なエリアとして多くの人に親しまれている656(むつごろう)広場で休憩しました。平成28年(2016)年にリニューアルし数多くのイベントが開催されており、賑わいを見せているスポットです。イベントは黒板に掲載されているのでぜひチェックしてみてください。


(ステージにはひな人形が飾ってありました!)
次は中央マーケットへ。
昭和21(1946)年にできたと言われる屋根下の商店街です。昭和レトロな味のある雰囲気の外観が特徴的な珍しい建物です。昔ながらの雰囲気を楽しんでみたい方はぜひ一度足を運んでみてください。

その後、通りを北側にまっすぐ進んで願正寺へ。

慶長5(1600)年に佐賀藩初代藩主、鍋島勝茂によって建立されました。また、境内には明和5(1768)年に再建された鐘楼があり、元禄9(1696)年から城下への時鐘として用いられていたそうです。本堂や鐘楼、山門は国の登録有形文化財に登録されています。
通常柱が2本が多い中、4本使用されていたり、屋根等のさまざまな箇所に細部まで凝った美しい装飾も特徴であり、願正寺を楽しむポイントの一つとも言えるのではないでしょうか。
(願正寺の鐘楼)
(細部まで凝った装飾が特徴)

その後、昔、罪人と罪状を記した木札を吊し、この橋を通る人の見せしめにしたことが名前の由来といわれている晒(さらし)橋を通過し、景観ウォッチングの終盤は柳町通りへ。ひな祭りの時期のためお花や桃色の提灯のようなものがあり、普段とは少し雰囲気が違う柳町通りを楽しみました。


通りを歩いて旧古賀銀行の外観を見学しました。


レンガ造りのレトロな外観が美しく多くの人の目を惹きつけます。レンガに近づいてみてみると、溝の部分が少し立体的になっているなど細かい部分に建物の面白い特徴があります。また、レンガを使用しているため、縦開きの窓が取り付けられており、建物をじっくり見ると他の建物とは異なる外観を楽しむことができます。
その後、成就院橋を見学しました。北側の町人地と南側の武家地を結んでいた橋であり、北西にあった寺院「成就院」の名が名づけられています。また参加者から「水面がきれい」と教えていただき写真を撮ってみました。普段何気なく通るところでもゆっくり景観スポットを楽しむことで新しい発見もありました。晴れた日に橋の上から見える美しい水面にも注目してみてください。

そして最後は平成31(2019)年に石垣護岸、石段が発見された柳町思案橋広場に行きました。この場所は江戸時代から明治期に船で物資運搬を行う荷揚げ場として利用されていたのではないかと言われています。また、橋も荷物を運ぶ船が通りやすいようにアーチ状に建設されたのではないかと言われているそうです。現在は広場として整備されており、散歩の休憩場所等にもおすすめの場所です。
(補足)思案橋荷揚げ場跡は令和5年3月20日に「佐賀市史跡」に指定されています。


普段、何気なく通っている場所も景観ウォッチング~長崎街道・柳町周辺まち歩き~を通して景観スポットをゆっくり見て歩くことでさまざまな新しい発見がありました。ぜひお時間がある方はマップを見ながらまち歩きをしてみてください!