佐賀市DX推進本部会議
令和8年3月27日(金曜日)に「令和7年度佐賀市DX推進本部会議」を開催しました。 今回の会議では、令和7年度の取組成果の共有と、令和8年度以降の方向性について議論を行いました。また、佐賀市デジタル改革アドバイザー及び佐賀市DXサポートチームからお話をいただきました。
内容
令和7年度DX推進の取組成果
スーパーアプリを中心とした市民サービス向上と広域データ連携の推進
スーパーアプリを中心に、市民サービスのさらなる向上に取り組みました。 具体的には、防災・観光機能の強化や子育て分野の機能追加、アンケート機能の追加など、複数回のバージョンアップを行い、使いやすさの向上を図りました。また、プッシュ通知や画面の見やすさ・操作のしやすさの改善により、日常的に使いやすいサービスへと進化させました。 さらに、佐賀県および神埼市と連携し、観光や防災分野におけるデータを共同で活用する仕組みの運用を開始し、市町の枠を超えた利便性の向上や地域全体での課題解決につながる取組を進めています。 こうした取組の結果、スーパーアプリは月間利用回数が7万回を超えるなど着実に利用が広がっており、各種表彰(グッドデザイン賞、プラチナ大賞)の受賞など対外的な評価も得ています。
生成AI導入元年~全庁での活用推進~
令和7年度を「生成AI導入元年」と位置づけ、全庁での活用を本格的に進めました。 全職員が利用できる環境を整備するとともに、約200名が参加した研修や、いつでも学べる動画研修の実施により、活用スキルの向上を図りました。 特に、職員自らが生成AIを活用し、「東よか干潟の渡り鳥観察に関するミニアプリ」を自分たちで開発しました。このアプリは、プログラミング経験のない職員が、生成AIを活用して、約5日間・外注費0円で作成したものであり、データの活用と新しいサービスづくりを両立した先進的な事例です。 このように、職員が自らサービスを作る取組は、全国的にも珍しく、本市のDXの大きな特徴となっています。 また、AIを活用した業務の自動化にも取り組み、通勤距離の測定業務では、100件あたり約2.4時間かかっていた作業を約3分に短縮するなど、大幅な効率化を実現しました。 これらの取組により、生成AIは業務の効率化だけでなく、新たなサービスを生み出すための基盤としても活用されています。
1人ひとりに寄り添う窓口DXの推進
市民サービスの利便性向上に向け、「行かなくていい」「待たなくていい」「書かなくていい」窓口の実現を目指し、取組を進めています。 具体的には、昨年10月にリモート窓口を全支所に拡充し、本庁に来庁することなく手続きの支援を受けられるようにしました。また、1つの窓口で手続きが完結する仕組みの強化により、手続き時間の短縮を図りました。さらに、総合案内に分身ロボットを導入するなど、1人ひとりのニーズに寄り添う「未来の窓口」へ向けた取組も進めています。 電子申請については、全庁向けの研修や実践的なワークショップを通じて、「ぴったりサービス」の手続数を163件まで拡充(前年度比約1.9倍)し、市民の利便性向上を大きく進めました。
実践につなげる組織横断型DX人材育成
DX人材の育成にあたり、知識の習得だけでなく、実際の業務で活用することを重視した取組を進めました。 入庁11年次職員を対象とした政策立案研修では、課題の整理から政策の具体化、実施に向けた計画づくりまでを段階的に学びました。 また、人事課、行政マネジメント課、DX推進課が連携し、部局を越えて研修を行うことで、「学び」を実際の政策提言につなげる仕組みを構築しました。
令和8年度DX推進の取組予定
令和8年度は、これまでのDXの取組をさらに発展させ、市民サービスの使いやすさの向上と、データやAIの活用の充実に取り組みます。 具体的には、「書かない窓口」のさらなる拡大やコンビニ交付サービスの充実により、市民の手続きの負担軽減を図るとともに、「おやこ健康手帳アプリ」を活用した幼児健診のデジタル化など、子育てや福祉の分野での取組を進めます。 また、スーパーアプリの機能の充実や、佐賀県・神埼市と連携したデータの活用をさらに進め、観光や防災の分野を中心に、日常時と災害時のどちらにも役立つサービスの提供を強化します。 さらに、AIを活用して市民の意見を集め、整理し、分かりやすく見える形にして政策に活かす「新しい対話」の仕組みをつくり、多様な声をまちづくりに反映していきます。 加えて、交通や子育てなど生活に身近な分野でもデジタル技術の活用を進め、地域の課題解決と市民の利便性向上を図ります。
アドバイザー・サポートチーム講話
佐賀市デジタル改革アドバイザー
佐賀市デジタル改革アドバイザーである森戸 裕一 氏より、令和7年度のDX推進の成果を踏まえた講話が行われました。 講話では、DXの本質は単なるデジタル技術の導入ではなく、「業務・組織・文化の変革」であることが強調されました。特に、DXは一部の部署だけでなく、全職員が主体となって取り組むことが重要であり、管理職の判断や組織運営のあり方が大きな鍵を握るとの指摘がありました。 また、本市の取組については、
- 戦略(計画)
- 実行(研修)
- 検証(成果の確認)
を組み合わせた体制を全体で進めている点が特徴であり、全国的にも先進的な取組であるとの評価が示されました。今後も、職員・組織・市民が一体となって取組を進め、将来を見据えた持続可能なまちづくりにつなげていく必要があるとの方向性が示されました。
佐賀市DXサポートチーム
関氏からは、国内外の事例を踏まえ、AIとデジタル技術がまちづくりや行政サービスのあり方を大きく変えている状況について講話がありました。 世界の自治体では、災害対応などにおいて、AIやデータを活用し「起きてから対応する」から「事前に予測して対応する」へと変化が進んでいます。今後は、データとAIを前提としたまちづくりが重要になるとともに、AIは業務の効率化だけでなく、市民の声を集めて政策に活かすための基盤となる可能性があるとの説明がありました。 また、若者をはじめとした市民がデジタルを通じてまちづくりに関わる仕組みの重要性にも触れ、「小さく始めて成功体験を積み重ねることが、地域全体の変革につながる」との提言がありました。
一般社団法人コード・フォー・ジャパン 榊原 貴倫 氏榊原氏からは、佐賀の歴史的背景を踏まえながら、DXとAI活用の重要性について講話がありました。 佐賀は幕末期に最先端技術を取り入れ、日本をリードしてきた地域であり、現在進めている取組もその流れを受け継ぐものであるとの指摘がありました。 また、生成AIは大きな変革をもたらす技術であり、その力を活かすためには、仕組みやルールの整備が重要であること、人口減少が進む中でAIを活用しサービスの質を維持・向上させる必要があることが示されました。 さらに、AIの普及により人材の流れが変わる可能性にも触れ、地域として人材を受け入れ、活かしていく視点の重要性が示されました。