田んぼダムとは

  • 田んぼダムとは、田んぼに降った雨水をゆっくり流すことで、排水路の急激な水位上昇を防ぎ、周辺の農作物や農地、市街地の浸水被害を軽減する取り組みのことです。
  • 田んぼダムの取り組みは近年全国的に広まっており、地域の防災・減災への効果が期待されています。
田の排水構造を示す正面図で、畦畔の間に設置された排水桝、逆三角形の切り欠きがある板、そして管理水面と田面の境界線が色分けと文字ラベルで示された田んぼダム図
水田の稲と土壌の断面に、管理水面を示す青い線と、隣接する排水桝および畦畔の構造が描かれ、水位を調整する板の配置や各部位の名称ラベルによって排水の仕組みを視覚化した田んぼダム図

田んぼダムの取り組み

  • 田んぼダムは、田んぼの排水口に切り欠きを開けた調整板(せき板)を設置し、大雨時の水の流出を抑制することで、田んぼがダムの役割を果たします。
  • 多くの地域で田んぼダムに取り組むことで、水路や河川の水位上昇を緩和し、下流域の洪水被害を軽減する効果を発揮するため、農家のみなさんの協力によって、田んぼダムは支えられています。

平常時の田んぼダム

屋外の水田に設置されたコンクリート製の排水桝に、水位調節のための逆三角形の切り欠きがある木製の板が差し込まれ、実際に水が溜まっている様子を写した写真
水田の稲が並ぶ脇に設置されたコンクリート製の排水桝を、水面に近い低いアングルから撮影しており、桝の側面に水位調節用の木板が差し込まれれている写真

大雨時の田んぼダム

コンクリート製の排水桝に設置された水位調節用の板にある逆三角形の切り欠きから、水田の水が勢いよく溢れ出し、丸い排水管の奥へと流れ込んでいく様子を真上から写した写真
水田の脇に設置されたコンクリート製の排水桝内部に差し込まれた木板の仕切り越しに水が流れている様子の写真

「国の事業」と「県・市の事業」

国の事業

  • 国の多面的機能支払交付金の中の活動として、田んぼダムがあります。
  • 田んぼダムを実施する田面積×単価の額を多面的機能支払交付金の組織に交付します。
  • 【交付単価】10アールあたり300円
  • 【対象地域】市全域

県・市の事業

  • 国とは別に、県・市で田んぼダム事業を実施しています。
  • 田んぼダムを実施する田面積×単価の額を多面的機能支払交付金の組織に交付します。
  • 【交付単価】
    • ~3年目 10アールあたり3,000円(県10アールあたり2,000円、市10アールあたり1,000円)
    • 4年目~ 10アールあたり1,500円(県10アールあたり1,000円、市10アールあたり500円)
  • 【対象地域】 兵庫・巨勢・金立・久保泉地区(県が認める地域内で、佐賀市が指定する地域)
  • 【補助期間】 令和4~9年度
  • 【せき板】 県が作成し、市を通じて配布

(注意)「国の事業」と「県・市事業」を個別に実施できます。また、同時に両方実施することも可能です。

佐賀市の取り組みの概要

令和4年度から令和7年度にかけての実施地区や面積、実施種類、実施面積、貯留機能の推移をまとめた表
令和4年度 田んぼダム実施区域図
令和7年度 田んぼダム実施区域図
  • (注意)佐賀市内で「国事業」のみを実施するところはありません。
  • (注意)佐賀市内で「国事業と県市事業」の両方実施するところはありません。

兵庫・巨勢・金立・久保泉地区で実施の理由

  1. 大雨時、佐賀市の中心市街地の排水は、主に佐賀江川を流れ、最終的には有明海へ流れております。
  2. 佐賀江川の水位上昇を抑えることは、中心市街地の排水促進につながります。
  3. 佐賀江川の水位上昇を抑えるために、佐賀江川の上流である兵庫・巨勢・金立・久保泉地区で田んぼダムを実施しています。
佐賀市街地の浸水区域を中心に、巨勢川や佐賀江川などの河川網を示した地図で、黄色く色付けされた「継続地域」と「拡大地域」から河川への流出抑制により、河川水位の上昇を低減し排水を確保する仕組みを解説した区域図

効果

大雨時に雨水を貯留

田んぼダムに取り組むことで、大雨時に雨水を一時的に水田に貯留します。

貯留量が約18万トンから約49万トンへ増加し、それを25メートルプール換算で約600杯分から約1,633杯分として示した、令和4年度から令和7年度にかけての雨水貯留機能の推移をまとめた表

(注意)小学校の25メートルプール(プール 長さ25メートル、幅12メートル、深さ1メートルの300立方メートル場合)

水田の排水桝に設置された逆三角形の切り欠きを持つ堰板の正面図で、管理水面から板の上端までの高さが「10センチメートル」であることを赤い両矢印で明示した田んぼダム図

ピークカット効果

  • 田んぼダムには、大雨時に田んぼから水路等に流れ出る雨水のピークを遅らせる「ピークカット効果」があります。
  • 佐賀市では、兵庫・巨勢・金立・久保泉地区の田んぼダムによって、佐賀江川に雨水が流れ出るピークを遅らせます。
降雨時の河川への流出量を、田んぼダムの「有(黄色い緩やかな曲線)」と「無(赤い急峻な曲線)」で比較し、実施によってピーク時の流量が大幅に減少する効果を視覚的に示した、時間経過と流量の関係を表すグラフ

中心市街地の排水を確保

  • 田んぼダムは、一般的に、上流域での取り組みにより、浸水する下流域での雨水の流れ込みを抑えているため、実施する場所と効果がある地域が異なることが多くあると言われています。
  • 佐賀市の場合は、田んぼダムを実施する場所は兵庫・巨勢・金立・久保泉地区ですが、佐賀江川の水位上昇を軽減するため、その恩恵を受けるのは、実施地区から離れた中心市街地となります。

他の対策と組み合わせて効果が発現

浸水被害の軽減については、田んぼダムのほか、ため池の低水管理やクリークの事前排水などと組み合わせて効果を発現しています。

農家のご協力

  • 田んぼダムは地域を水害から守るための取り組みで、農家のみなさんの協力によって田んぼダムは支えられています。
  • 兵庫・巨勢・金立・久保泉地区の多くの農家によるご協力により、田んぼダムを実施することができました。
  • 地域の水田などの貯留機能がある施設を活用し、被害の軽減を図る「流域治水」という考え方により、「田んぼダム」を推進しています。

関連ファイル

この記事に関するお問い合わせ先

農林水産部 農村環境課 土地改良係
〒840-8501 佐賀市栄町1番1号 本庁4階
電話:0952-40-7120
ファックス:0952-40-7388
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