広がる芝生と季節を映す木々。暮らしのそばにある、心地よい風景。

まだ夏の暑さが続く9月。佐賀市中心部にある「どんどんどんの森」は、広々とした芝生や木々にかこまれた公園です。木陰でひと息ついたり図書館やカフェに立ち寄ったりと、のびのび過ごすことができます。

どんどんどんの森は、かつて紡績工場があった場所を生かして整備されました。その名前には、太鼓の「どんどんどん」という響きと、「どんどんどんと突き進む」これからの佐賀市の発展、いつまでも市民の憩いのばしょでありますようにという願いが込められています。

園内でひときわ目を引くのが、空に向かって真っすぐ伸びるメタセコイアの並木道。夏は爽やかな緑に包まれ、秋には紅葉が美しく映えます。木々の間をランニングする人、ペットと散歩を楽しむ人、自転車で通り抜ける学生たち。何気ない日常のひとコマも、ここでは絵になるようです。

季節とともに表情を変える木々と、そこで過ごす人々の風景が重なり合うどんどんどんの森は、私たちの暮らしのすぐそばにある、ちょっと豊かな日常です。

池田さん・中川さん・志田さん(花とみどりのまちづくりリーダー)

 花壇を手入れする皆さん

どんどんどんの森の一角に、季節の花が植えられた花壇があります。

その花壇の手入れをしているのが、花とみどりのまちづくりリーダーとして活動する皆さんです。普段は4人で活動しており、この日話を聞いたのは、池田さん、中川さん、志田さんの3人でした。

3人が活動に参加したきっかけは、それぞれ少しずつ違います。

現在は、隔週の日曜日を中心に、花壇の手入れを行っています。春と秋には花を植え替え、草を取り、水をやりながら、花壇の様子を見守ります。

花壇の姿を考える時間

皆さんにとって楽しみの一つが、花壇の姿を考える時間です。

どんな花を植えるのか。どの色を組み合わせるのか。背の高い花をどこに置き、低い花をどこに植えるのか。花が咲いたときの姿を想像しながら、皆さんで話し合って決めていきます。

目指しているのは、花がきっちり並びすぎるのではなく、なるべく自然に咲いているように見える花壇。色合いや高さのバランスを考えながら配置しても、実際にどんなふうに咲くかは、育ってみないと分かりません。思い描いたとおりになることもあれば、予想とは違う表情を見せることもあります。その「見てのお楽しみ」も、花壇づくりの面白さだといいます。

顔を合わせる大切な時間

花壇の手入れは、作業だけの時間ではありません。花の配置を話し合うときには、お茶菓子を持ち寄ることもあり、年に一、二度は食事に行くこともあるそうです。花壇を囲んで話し、手を動かす時間が、4人にとって顔を合わせる大切な時間にもなっています。

作業をしていると、どんどんどんの森を散歩する人から声をかけられることもあります。

「おはよう」「ありがとう」といったあいさつだけでなく、「きれいですね」「これは何という花ですか」と話しかけられることもあるそうです。

自分たちが手入れした花壇を、通りかかった人が少しでも「いいな」と感じてくれたらうれしい。花を眺めることで、少しゆとりを持ってもらえたら。皆さんは、そんな思いで花壇に向き合っています。

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後日作業風景を撮影した際に、作業をしていた他グループの皆さんとの集合写真

花壇ごとに違う表情

どんどんどんの森には、ほかにもいくつかの花壇があります。それぞれ別のグループが手入れしていて、花の選び方や植え方、雰囲気も少しずつ違います。

取材の後、池田さんに案内してもらい、どんどんどんの森の東側にある木陰の道を歩きました。高い木が並び、まちなかにありながら、少し空気が変わるように感じられる場所です。池田さんにとって、花壇だけでなく、こうした緑の風景も、どんどんどんの森の好きなところなのだそうです。

図書館へ向かうとき、散歩をするとき、何気なく通り過ぎている花壇。そこには、花を選び、配置を考え、育つ様子を楽しみにしながら手を入れている人たちがいます。

花壇ごとに少しずつ雰囲気が違うのは、そこに関わる人たちの考えや気持ちが表れているからかもしれません。池田さん、中川さん、志田さんの話を聞くと、どんどんどんの森を歩く楽しみが、ひとつ増えたように感じました。

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