懐かしさあふれる遊園地。世代を超えて愛される特別な場所。

日差しが少しずつ強まり、公園の木々の緑が鮮やかな5月。家族でふらりと出かけたくなるのが「神野公園こども遊園地」です。1964年の開園から60年以上。かつて佐賀藩主の別邸だった歴史ある地に、今も変わらずこどもたちの歓声が響いています。

ここの一番の魅力は、一歩足を踏み入れた瞬間に包まれる、のんびりとしたレトロな空気感。1971年から周り続けている「チェーンタワー」や、ちびっこにちょうどいい「ミニジェットコースター」、ゆっくりと園内を一周する「SL(汽車)」など、どこか懐かしい遊具たちが迎えてくれます。

「お父さんもこどもの頃、これに乗ったんだよ」そんな会話が自然と生まれるのも、世代を超えて愛されてきたこの場所ならでは。ただ乗り物に乗るだけでなく、シャボン玉が飛んできたり、乗りながら釣り遊びができたりと、スタッフによる手づくりの工夫が随所に散りばめられています。遊園地を元気に駆け回るこどもたちの姿は、見守る大人まで自然と笑顔にしてくれます。

遊び疲れたら、隣にあるトンボ池を眺めたり、みずみずしい緑の並木道を散歩したり。園内は深呼吸したくなるような心地よい解放感に満ちています。大人も童心に返ってしまう。時が止まったようなノスタルジックな風景が、何気ない日常のひとコマを特別な思い出にしてくれます。

(神野公園こども遊園地 園長)

神野公園こども遊園地の園長を務める納見浩司(のうみこうじ)さん。2011年にスタッフとして働き始め、2017年から園長として遊園地を見守っています。佐賀市で暮らす納見さんは、「佐賀市がめちゃくちゃ好きなんです」と笑顔で話します。休日には親子でサイクリングを楽しむこともあり、多布施川沿いなど、市内の気持ちのいい風景にも親しんでいるそうです。

神野公園こども遊園地は、小学生までのこどもとその家族を主な対象にした、まちなかの小さな遊園地です。大型遊園地とは違い、園内がぎゅっとまとまっているため移動しやすく、こどもが遊んでいる姿を保護者が見守りやすいのも魅力の一つ。「安心できる」と言われることも多いそうです。親子二世代、三世代で訪れる人も多く、こどものころの思い出が、次の世代の笑顔につながっていく場所です。

園内では、保護者と一緒であれば小さなこどもでも楽しめる乗り物があります。初めてジェットコースターに挑戦するこどもたちの中には、少し怖がって乗り場で立ち止まる子もいれば、ためらわずに乗り込む子もいるそうです。園内には、こどもたちの“はじめて”があちこちにあります。納見さんが園長になってから、回転ボートにはおもちゃの魚を釣る仕掛けを追加。今では「一番人気かもしれない」と話すアトラクションになっています。

納見さんが大切にしているのは、まず「笑顔」。一方で、安全面には細やかに気を配り、遊具の安全装置の確認やアナウンスでの注意喚起などを日々行っています。取材時も園内では、スタッフがこどもたちにやさしく声を掛ける場面があちこちで見られました。神野公園こども遊園地が目指しているのは、「親子の絆を深める」場所であること。アトラクションやイベントに挑戦したこどもたちが成功したとき、親子で手を取り合って喜ぶ。そんな姿を見る瞬間が、納見さんにとって一番うれしい時間です。

納見さんが目指しているのは、ただ乗り物に乗るだけではない遊園地です。回転ボートには魚釣り、汽車には動物探し。園内の9つのアトラクションには、こどもたちが挑戦したくなる仕掛けを少しずつ加えてきました。5月の運動会、梅雨祭り、夏祭りなど、季節ごとのイベントも増え、いつ訪れても楽しめる場所へと少しずつ変わっています。昔から変わらない懐かしさを残しながら、親子の会話や笑顔が生まれる場所として、神野公園こども遊園地はこれからも続いていきます。

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