子育て応援コラム「アタッチメント」No.32 令和8年4月発行

「この一瞬があるから」

コラムイラスト(R8.4号)

新年度スタートの時期、4月になりました。皆様それぞれに新しい環境に身を置いていることと想像しています。今回、初めてこのコラムを知った方もおられるかと思います。

このコラムでは、子育てや保育に関わる方たちが、読んでホッと出来る、ちょっと元気になれるようにエールを送りたいなと思っています。私は、佐賀市本庄こども園子育て支援センターで月に1度子育て全般の相談にも携わっています。困った時の相談先の一つとして心に留めていただけると嬉しいです。

「子育てが楽しいですか」という質問に「とっても楽しいです」と心底答えられる人はどれほどいるのでしょうか。本音を言えば、「こんなに大変とは思わなかった」、「イライラして、子どもが嫌いと思った自分は親失格」、「楽しくないと本心を言ったら周囲に心配をかける」等と思う人が圧倒的に多いと思います。「育児書に書いてある通りにはいかない」、「〇〇さんのように上手に真似できない」と自己嫌悪に陥り、子どもや家族についつい当たってしまう自分にさらにガッカリ。自分ばかりが駄目だと悩むことも少なくないのが現実です。

そんな悩み悩みの子育ての中にも、「まあ、可愛いこと言うなぁ」、「意外と優しいところあるのね」、「いつの間にこんなことできるようになったの」と感じる一瞬が訪れます。

しょっちゅう喧嘩ばかりする我が子に、「やめなさい」と怒っていたけれど、もう、仕方ない、放っておこうと様子を見ていたら、あんなに喧嘩していたのに、ひょんな展開から、兄姉が弟妹に優しく接していて、弟妹も兄姉を慕っている姿に出逢ってしまう。予期していなかった子どもの成長。こんな一瞬があるから、また、この子達に向き合っていこうと思えます。

子育てに限りませんね。雨ばかり続く日々に晴れ間ができて、虹が出て、つい嬉しくて散歩する。年に一度のお誕生日には奮発して大好きなケーキやお肉を食べる。考えてみると、私たちは、日々簡単に手に入ることへの喜びよりも、簡単には手に入らない、滅多にないことに対して、うんと濃く、深く、大きく喜びを感じるようにできていますね。

幸せを感じる一瞬は、カメラやビデオに記録できていない場面がほとんどでしょう。だからこそ、しっかり心に刻みつけたいものです。皆様の記憶に残る幸せな一瞬のアルバムの存在は、やがて、子育てが辛い時を乗り越えていくエネルギーになってくれます。

佐賀市こども・子育て支援専門アドバイザー 田口香津子

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