子育て応援コラム「アタッチメント」 No.31 令和8年2月発行

「こまったときの、さかさまめがね」
イラストR8.2

子どもが生まれた時、「生まれてきてくれてありがとう」、それだけで幸せでした。やがて育児が始まると、「明るくて優しくて、それから・・」等と、育ってほしい子どもの姿への期待が膨らみます。誰もが抱く自然な気持ちです。ただし、幼児期は、まだまだ自己中心の世界に生きています。周囲に気を遣い、我慢強く、聞き分けのいい、大人にとって都合のいい子どもなど滅多にいません。もし、そうだったら、逆に心配です。 そう頭でわかっていても、現実に「御飯食べようか」、「いらない」、「友達と遊んできたら?」、「嫌だ」、「お風呂入ろう」、「入らない」等の会話の繰り返しが続くと、大人も平静ではいられません。なだめたり、交換条件を出したり、しばらくの間わざと放っておいたり、叱ったり、いろんな手立てを駆使します(もちろん体罰は法律で禁止の時代です)。そのうち、ひょんなことから機嫌が良くなったり、しぶしぶ応じてくれたりして一件落着することも多いでしょう。 それでも、それでも、思う通りにならない、如何ともし難い場面が、子育て中には起こってきます。こうあって欲しいと願う姿とはかけ離れた子どもの姿。どう働きかけても、簡単には変わらない姿。大人側がお手上げで、困り果ててしまう場面です。例えば、素直な子でいて欲しいけど、現実は、あらゆることに「嫌だ」と言い続ける。友達と仲良く遊んで欲しいけど、誰とも話さずひとりで過ごしている。 こんな時に、親の気持ちをプラスに変える、逆さまめがねをかけてみませんか?簡単ですよ。「・・・の力がある」というレンズを通して子どもを見るのです。「この子はすごい。嫌だと言い続ける力がある」、あるいは「たいしたものだ。ひとりで過ごせる力がある」と口にしてみてください。子どもの行動を変えるのではなく(変えたくても変えられない場面ですから)、自分の認知を変えるのです。子どもの姿をマイナス視しないで、力(パワー)の表れと認めると、自分を追い詰めていた苦しい気持ち、子どもとの緊張した空気感も和らぎます。和らげるための子育ての知恵と思ってくださいね。ありのままの子どもの姿を受け入れるって容易ではありませんが、時に、「・・・の力がある」レンズを装着した、逆さまめがねが役立てばいいなと思います。

佐賀市こども・子育て支援専門アドバイザー 田口香津子

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