子育て応援コラム「アタッチメント」 No.28 2025年8月号

「ひとしく子どもを愛せていない気がします。」

「等しく子どもをあいせていない気が…」という悩みを持つ親が、楽しそうに笑う娘への愛情と、反抗的な態度をとる息子への苛立ちの間で揺れ動き、涙を流しながら過去の純粋な愛情を回想する様子を情緒的に描いた、親の葛藤と複雑な心情を表現したイラスト

二人目の子育てが始まると、殆どの保護者が経験されている感情ではないでしょうか。似たような子もいませんか。保護者自身も子ども時代、きょうだい間で愛情に差があったと感じ、そんな子育てはしたくないと願う方もいるでしょう。

理由や背景は色々です。第一子を育てる際の生真面目さや未熟さ。期待の高さ。第二子以降の子育て経験からくる気持ちのゆとり。逆に時間的にゆとりがなく躾けに手がかけられない状況。性別によるステレオタイプとのギャップ。性格が自分や自分の身内に似ていることの好悪感情。育てやすいかどうか。上の子と保護者の関係性から学んで上手く対処できる第二子の特徴など。

いくつかの複合的な理由があって、きょうだいを「ひとしく愛せていない」自分に気づき、このままでいいのかと不安になることもありますね。不安に思って相談したり、子への言動を変えようと努めたりすることは自然なことで、悪いことではありません。ところが、残念なことに、うまくはいかないことも少なくないのです。開き直れとは言えませんが、過度の罪悪感を抱くことだけは避けて欲しいと願うところです。

言うまでもなく、きょうだいでも、驚くほど一人ひとり個性が違いますから、同じ言葉かけ同じ対応がベストとは限りません。よく、人を植物に例えることがあります。品種ごとに適切な環境や育て方があるとは承知しています。目の前の子どもがどんな花を咲かせるのか、適切な育て方が最初から分かればいいのですが、実際は試行錯誤しながらです。生年月日で性格を調べる方もおられます。子育ての苦しさが軽くなれば、それもいいと、おおらかに捉えたいですね。

子どもさんと一対一で向き合える短い時間に、自分が確かに愛されていると実感できるひとときを。無理なく続けてくださったら、どんなにいいか。

例えば、「おはよう」と起きた時に、「行ってらっしゃい」と玄関で、ニコッと笑って抱き締める。おやつを食べるときにおしゃべりに耳を傾け「そうだったの、悔しかったわね」と共感する。お洗濯物を一緒に取り組んで畳む時に「ありがとう。さっきは怒ってごめんね」と伝える。お風呂上がりに髪の毛を乾かす時。寝る前に絵本を読む時、繰り返しできること、何かあるはず。

いつか子どもが大人になって思い出して心が暖かくなる時間の蓄積は、人との比較を超えて、自分が愛された記憶につながります。

佐賀市こども・子育て支援専門アドバイザー 田口香津子

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