佐賀市教育委員会 平成19 年11 月16 日 ■ 調査の趣旨 (文部科学省より) ○ 全国的な義務教育の機会均等とその水準の維持向上の観点から、各地域における児童生徒の学 力・学習状況を把握・分析することにより、教育及び教育施策の成果と課題を検証し、その改 善を図る。 ○ 各教育委員会、学校等が全国的な状況との関係において自らの教育及び教育施策の成果と課題 を把握し、その改善を図り、併せて児童生徒一人一人の学習改善や学習意欲の向上につなげる。 ■ 調査期日 平成19年4月24日(火) ■ 調査の対象学年および対象者数 ○ 佐賀市立小学校(30 校)6年生および佐賀市立中学校(15 校)3年生 ○ 小学校6年生 国語:1,990人、算数:1,990人 中学校3年生 国語:1,698人、数学:1,707人 ■ 調査の内容 (1) 教科に関する調査 主として「知識」に関する問題 [国語A、算数・数学A] 主として「活用」に関する問題 [国語B、算数・数学B] ・ 身に付けておかなければ後の学年等の学習内容 に影響を及ぼす内容 ・ 実生活において不可欠であり常に活用できるよ うになっていることが望ましい知識・技能など ・ 知識・技能等を実生活の様々な場面に活用 する力などにかかわる内容 ・ 様々な課題解決のための構想を立て実践 し評価・改善する力などにかかわる内容 (2)生活習慣や学習環境に関する質問紙調査 児童生徒に対する調査 学校に対する調査 学習意欲、学習方法、学習環境、生活の諸側面に 関する調査 指導方法に関する取り組みや人的・物的な 教育条件の整備の状況、児童生徒の体力・運 動能力の全体的な状況等に関する調査 ■ 調査結果について ○ 今回の分析は、平成19 年4 月24 日現在(調査実施日)での佐賀市立学校(小学校30 校、中 学校15 校)の教科に関する調査および生活習慣等に関する質問紙調査について行っています。 ○ 質問紙調査の結果については、「佐賀市が目指す子ども像*」に関連した項目(「基本的生活習 慣・学習習慣」「いじめ問題」「倫理観・社会常識」「ふるさと意識」)を抜粋して分析しました。 ○ なお、ここでは、佐賀市立小中学校全体の結果分析および今後の方針を概括的に示していま す。個々の学校については、後日、各学校から発表される結果分析をご覧ください。 *佐賀市が目指す子ども像・・・「基礎学力を身につけた子ども」「倫理観・社会常識を身につけた子ども」 「佐賀を誇り愛着をもつ子ども」 佐賀市における全国学力・学習状況調査の概要 (ダイジェスト版) 2 ■ 結果の概要 <教科に関する調査について> ○ 佐賀市立小中学校全体の正答率は、全国と比較して、ほぼ同じレベルにある。  佐賀市立小中学校全体の正答率は、国語、算数・数学ともに、全国の公立小中学校の正答率と 比べ±3点以内にあり、ほぼ全国レベルにあると言えます。  学力向上は、短期間で達成できるものではありません。学校では、さらなる学力向上に向けた 中期的総合的な方策を設定し、それを元に単年度ごとの具体的目標及び指導・評価計画を立て ていく必要があります。 <問題A、問題B について> ○ 問題A より問題B の正答率が低く、学んだ「知識」を「活用」する力に課題がある。各学校で は、「活用」する力を高めるため、授業改善に取り組む必要がある。  主に「知識」を問う問題A と主に「活用」を問う問題B の正答率の差は9.5〜21.2 点で全国 の結果とほぼ同様でした。佐賀市の子どもたちは、「知識」についてはほぼ満足できる状態で すが、「活用」する力に関しては、全国と同様に課題があります。  基礎的な知識・理解がほぼ満足できる結果となったのは、各学校が、読書活動、朝の計算タイ ムなどを継続して実践してきたこと、ティームティーチングや少人数指導などのきめ細かな指 導を行ってきたことの成果だと考えます。  「活用」に関しては、基礎的な知識・理解を応用して問題を解決する経験を多く積ませること が大切です。各学校では、習ったことを生活場面などへ応用してみる「発展的な学習」を計画 的に取り入れていく必要があります。佐賀市教育委員会では、教職員に対して「活用」に焦点 をあてた授業づくり等の研修会等を実施する予定です。 <生活習慣や学習環境に関する質問紙調査について> ○ 「早寝・早起き・朝ごはん」に関する質問については、全国と同程度あるいは、やや高いとい う結果だったが、「家族と一緒に食べている」ことについては、全国平均を下回った。 ○ 学校以外で「読書」や「スポーツ」に取り組んでいる子どもは多いが、「家庭で1 時間以上勉強 する」と答えた子どもの割合は、全国平均を下回っている。 ○ 「将来の夢をもっている」「困っている人を助ける」「ルールを守る」「いじめはどんな理由でも いけないこと」などに対する意識は、全国平均と同程度あるいは、やや高いという結果だった。 ○ 「地域に対しての愛着」に関連した質問では、全国平均を下回ったものがあった。特に、中学 校で下がる傾向にある。  これまで行ってきた「早寝・早起き・朝ごはん」運動の拡充を図るとともに、家族で一緒に 食事をとることの必要性をさらに保護者に啓発していく必要があります。  子どもたちに家庭学習の習慣を定着させるような取り組みを市内全校で行っていく必要があ ります。「家庭学習の手引きの作成」「宿題の出し方の工夫」など、各学校に応じた取り組み を考案したいと思います。小中学校の連携は欠かすことのできない視点です。  子どもに地域のよさを感得させるという観点から、総合的な学習、学校行事、その他の地域 連携活動を検証し、改善を行いたいと思います。それに加えて、子どもたちの地域活動への 参加をこれまで以上に奨励する必要もあります。 3 ■太字は全国比較±3ポイント以上、赤文字は全国平均を下回るもの 調査の項目 学校種 佐賀市 % 全国 % ・朝食を毎日食べる 小学校 86.6 86.3 ※「当てはまる」と答えた児童生徒の割合 中学校 82.4 80.5 ・朝食を家の人といっしょに食べる(平日) 小学校 58.4 60.7 ※「している」「どちらかといえばしている」と答えた児童生徒の割合 中学校 38.9 40.6 ・起きる時刻(平日) 小学校 79.5 74.5 ※「7 時までに起きる」と答えた児童生徒の割合 中学校 64.8 63.9 ・睡眠時間(平日) 小学校 91.9 91.6 ※「7時間以上」と答えた児童生徒の割合 中学校 63.8 60.1 ・ゲームやインターネットの時間(平日) 小学校 55.5 53.8 ※「1 時間未満」と答えた児童生徒の割合 中学校 60.0 53.5 ・1 日の勉強時間(学校外、平日) 小学校 51.5 57.9 ※「1 時間以上する」と答えた児童生徒の割合 中学校 60.1 65.0 ・1 日の読書時間(学校以外、平日) 小学校 67.4 63.9 ※「10 分以上する」と答えた児童生徒の割合 中学校 56.6 50.7 ・1 日の運動・スポーツ時間(学校以外、平日) 小学校 61.3 58.2 ※「1時間以上する」と答えた児童生徒の割合 中学校 73.6 69.6 ・世の中の出来事への関心 小学校 63.8 63.0 ※「当てはまる」「どちらかといえば当てはまる」と答えた児童生徒の割合 中学校 66.6 62.7 ・いじめはどんな理由でもいけないことだと思う 小学校 95.5 94.7 ※「当てはまる」「どちらかといえば当てはまる」と答えた児童生徒の割合 中学校 91.8 87.9 ・将来の夢や目標をもっている 小学校 83.8 83.7 ※「当てはまる」「どちらかといえば当てはまる」と答えた児童生徒の割合 中学校 70.7 70.7 ・困っている人を進んで助ける 小学校 79.0 76.3 ※「当てはまる」「どちらかといえば当てはまる」と答えた割合 中学校 73.3 72.4 ・学校の規則を守っている 小学校 87.1 86.2 ※「当てはまる」「どちらかといえば当てはまる」と答えた児童生徒の割合 中学校 87.1 85.7 ・近所の人にあいさつをしている 小学校 90.9 88.6 ※「当てはまる」「どちらかといえば当てはまる」と答えた児童生徒の割合 中学校 82.1 82.4 ・住んでいる地域が好き 小学校 80.0 84.1 ※「当てはまる」「どちらかといえば当てはまる」と答えた児童生徒の割合 中学校 69.1 73.1 ・住んでいる地域の自然や歴史に関心がある 小学校 47.4 46.0 ※「当てはまる」「どちらかといえば当てはまる」と答えた児童生徒の割合 中学校 20.7 22.3 ・住んでいる地域の行事に参加している 小学校 67.4 62.0 ※「当てはまる」「どちらかといえば当てはまる」と答えた児童生徒の割合 中学校 33.4 37.5