日本では有明海湾奥部にのみ生息する幻の魚「えつ」。毎年5月~7月の短い期間には漁も行われますが、繊細な魚であるため、筑後川河口付近の限定的な地域のみで食されています。
今年も、佐賀市の夏の風物詩「えつ」の季節がやってきました!筑後川で5月~7月の“3か月間”だけ獲れる幻の魚“えつ”を堪能できる「えつ銀色祭り」を開催中! 期間中、「佐賀市もろどみin食の会」加盟店では、バラエティ豊かな旬のえつ料理を楽しめます! 【期間】 【佐賀市もろどみin食の会】 ▼詳しくはこちら
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この希少な魚の存在を全国に知らしめるべく、佐賀市はプロモーションムービー「佐賀人がひた隠す幻の魚」を公開しました。
佐賀人がひた隠す幻の魚
2017年5月22日
URL:http://www.saga-city.jp/etsu/
「幻の魚」について、新聞のスクープ記事風に表現しています。
エツはカタクチイワシ科の一種。体長30~40センチ。体は銀白色で金色の輝きを持ち、腹から尾に向かって、ぐっと切れ込んだ姿はナイフの刃を思わせます。
中国や朝鮮半島では東シナ海、黄海などに生息しますが、日本での分布は九州の有明海湾奥部に限られ、5月~8月には産卵のため筑後川の上流に遡上します。
漁の解禁時期は毎年、5月1日~7月20日。二隻の漁船の間に網を張り、上流から下流へと川の流れに乗って網を引き上げる流し刺し網で捕まえます。 |
エツは小骨が多いため、食べやすくするためには「骨切り」が必要で、一尾あたり両面にそれぞれ約150回包丁を入れます。
エツ料理には刺身を始め、天ぷら、煮付け、塩焼き、寿司などさまざまな調理の仕方がありますが、たとえば通常、斜めに刃を入れる骨切りに加え、焼き魚にする場合は火の通りをよくするため、さらにその切れ目に対して直角に刃を入れるのだといいます。 |
途方もない手間ですが、それでなくても、エツは鮮度が落ちると調理の際に破れてしまうほど繊細な魚。その扱いには料理人の長い経験と円熟の技が要求されます。
秦の始皇帝の命により、不老不死の薬を求めて、蓬莱の島(日本)を目指し、船出した徐福。船20艘を仕立てた数百人の一行は、筑後川下流の佐賀市諸富町に上陸しました。
この地域にはいまでも珍しい「片葉の葦」が生息していますが、これは上陸の際、徐福があたりに群生する葦の葉を手で払いながら道を進んだため。 なくなったほうの片葉は、えつに姿を変えたという伝説が残っています。 |