子育て応援コラム「アタッチメント」No.4 令和5年6月号
毎日、目の前の子どもさんの今と向き合い、今日の機嫌はどうか、熱はないか、食欲はどうか、排泄はスムーズか、肌はかぶれていないか、視力はどうか、園では楽しく過ごしているか等々、一喜一憂されている保護者のみなさんを勝手に想像しております。
子ども真ん中の暮らしに大きく変換されたのではないでしょうか。「子育て前の自分」からしたら、考えられない程の大変換ですよね。1日1日が綱渡り。子育ては、本当に人生をかけての大仕事だなあ、という実感を抱かれているのではないでしょうか。
さて、今年4月に、「こども基本法」が施行されたことや「こども家庭庁」がスタートしたことはご存知ですか?それこそ、「こどもまんなか」が合言葉です。関心と時間の余裕がある時に、こども家庭庁HPの子ども基本法パンフレットを検索してみてくださいね。コラム最後には動画のQRコードも載せておきます。子どもの権利と共に子育てサポートの必要性も基本理念に含まれています。
https://www.cfa.go.jp/policies/kodomo-kihon/
こども家庭庁の資料で私が関心を持ったのは、「こどもの居場所づくりに関する調査研究報告書概要」です。子どもたちの声を集めた結果、こどもの居場所づくりに大切な視点を「居たい」「行きたい」「やってみたい」の三つに整理しています。例えば、「居たい」は、居ることの意味を問われない、信頼できる人味方になってくれる人がいる、過ごし方を選べる、ありのまま、素のままでいられる、誰かとつながれる、気の合う人がいる、安心・安全な場である、くつろげる環境が整っている、居たいだけ居られる、助けてほしいときに助けてくれる人がいる等。「行きたい」は、自分を受け入れてくれる誰かがいる、身近にある、気軽に行ける、お金がかからずに行ける等。「やってみたい」は、いろんな人と出会える、好きなことやりたいことができる、自分の意見を言える、聴いてもらえる等。
これを読んだとき、ウルウルと泣きそうになりました。そうそう、居場所を求めているのは、子どもも親も同じ、子育て中の親たちの願いそのものじゃないかと。そして、子育て支援に携わる方々も、自分達がそんな居場所の一人になれているかなと振り返る機会になればいいなと思いました。
梅雨入り。蒸し暑く鬱陶しいと感じやすい季節に入ります。洗濯物も乾きにくく、子連れでは、さっとお出かけできず、気晴らしもしにくい日もあるでしょうね。自宅にこもっている時に、電話やオンラインやSNSやアプリなどでつながる先も、大事な居場所ですよね。どこかに誰かにつながってくださいますように。
こども・子育て支援専門アドバイザー 田口香津子