子育て応援コラム「アタッチメント」No.2 令和5年4月号
4月となりました。身近に新生活を始められた方々もおられると思います。子育て応援コラム「アタッチメント」第2号の配信です。
子育ての困り感を軽くし、安心を届けるコラムになると嬉しいのですが、私も初めてのことなので、本当は読んでくださる方々がいらっしゃるのか、ドキドキしています。
さて、コラム名の「アタッチメント」、英語の語源としてはくっつくという意味で使われています。心理学の分野では、『子どもと、一人ないし複数の特定の大人(愛着の対象)との間に形成される情愛の絆』、日本語では、「愛着」と言われます。アタッチメント理論は、健全な発達の重要な要素として、イギリスのジョン・ボウルビィという児童精神分析学者が提唱し、世界中に広がりました。
ここで言う特定の大人とは、母親のみではありません。「母性的養育を行う者」と子どもとの間に、親密で、継続的で、両者が満足と幸福感に満たされているような関係性が大切とされています。また、特定の大人とは、一人とは限りません。複数でもいいのです。どんなに可愛い我が子でも二人きりで過ごす間、ずっと満足感や幸福感に満たされている関係を保てるわけではありません。
だからこそ、「脱ワンオペ育児!」と声を大にして言いたいのです。だからこそ、この子の養育の第一責任者だと思いつつ懸命に日々を生きている皆さんに対して、アタッチメントの大事さをお伝えしたいのです。子育て中に、どうしても心身が辛くなった時に、他の養育者とバトンタッチする、リフレッシュすることは、自分自身にとっても、子どもにとっても、プラスになることです。
子どもは、不安やストレスを感じたときに、泣いたり、じっと顔を見たり、近寄ったり、養育者にサインを出します。困ったことを知らせるサインです。そのサインに適切に応じることで、困ったときに助けてくれる大人がいると言う、信頼感・安心感を獲得していきます。
そうです。大人も同じです。子育てで不安やストレスを感じた時に、周囲にSOSを発信できること、すなわち、アタッチメント力が大事です。家族、親戚、友達、信頼してきた先生、地域の子育てサークルの仲間、母子保健推進員さん、保健師さん、地域の民生児童委員さん、子育て支援センターのスタッフさん、かかりつけのお医者さん、看護師さんなどなど。たとえ、一度相談してうまくいかなくても、くっつくこと、つながることを諦めないでくださいね。子どもたちも、養育者、保育者、教師と出逢いを広げ、何度も繰り返し、助けてのサインを送って、頼れる人を見つけて、自分の命を守ろうとしています。
子育て応援コラム「アタッチメント」は、「困った時に頼れる相手を見つけよう」と言うメッセージを込めて発信していきます。次回は、佐賀市の子育て情報、どう活用したらいいのかを一緒に考えていきましょう。
佐賀市こども・子育て支援専門アドバイザー 田口香津子