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『子育ては、未来のまちづくり』
旭学園 内田 信子理事長 ☓ 佐賀市 坂井英隆市長(2022年3月12日佐賀新聞掲載)

更新:2022年11月29日

ー 子どもたちが地域の担い手に ー

― 女性が多様な形で輝く時代 ―

      (佐賀新聞に令和4年3月12日に掲載したものを再編集しました)                            

子育て政策を自身の重要な公約の一つとする坂井市長が、佐賀女子短大で保育士を養成する旭学園の内田理事長と、佐賀市の子育て環境について話した。
内田理事長 市長

佐賀市は、暮らしやすく、子育てしやすいまち

坂井   令和3年12月に第2子が生まれ、二人の子どものパパとして子育て奮闘中です。東京から帰ってきて感じるのですが、佐賀市の子育て環境は、とても魅力的だと思います。地震などの災害が、比較的少ないですし、楽しい場所やイベントもたくさんあります。例えば、神野公園は、子どもからお年寄りまで、安心して楽しめる場所ですし、私が生まれた年に始まったバルーンフェスタは、私たちの財産であり、心奪われる自慢のイベントです。

内田  私は、佐賀生まれ、佐賀育ちです。世界や国内各地を旅しましたがこんなに安心して暮らせるまちは、他にないと思っています。また、近距離に生活に必要な機能が揃っていて、素晴らしい環境ですよ。佐賀市の子どものように自然の中で育つとSDGsも理解できる。地球人としての共通語を持てると思います。発想力も豊かになるはずです。また佐賀市では、生産者の顔が見える安全な食生活を送れるのも魅力です。学生の中には福岡で暮らしたいという子がいます。でも佐賀は、「生きがいを持って仕事をしながら、子育てしたり暮らしたりできるよ。いざという時には、親御さんが子育てを助けてくれるよ」という体験談をすると、学生たちも納得してくれます。私自身佐賀で子育てして本当に良かったと思っていますので、こうした話をもっと多くの学生に伝えていきたいと思っています。

坂井   佐賀育ちで、東京にも住んだ経験がある者の一人として、私も、多くの人に佐賀市の良さを伝えたいと思います。佐賀市は、テレワーク環境が九州で一番整っているという評価を受けています。こうした環境を売りにして、企業の本社機能移転にも取り組みたいと思います。佐賀市で育った子どもが、そのまま佐賀市で働いて、またその子どもを育てて、という好循環が生まれ、子どもたちが未来を担っていく町になればと思います。

就職支援金は魅力的

内田   子育て支援の課題の一つが保育士不足です。その大きな原因が勤務時間にあります。保育園は、毎日11時間から12時間開けています。保育士の多くが自分も子育てをしているので、特に夕方の時間帯の保育士不足が深刻です。シフト勤務にすると教育の質の低下を招く恐れがあるという悩みもあります。

坂井   私は、令和3年5月国交省を退職しまして、東京から帰ってきましたが、当時3歳になる息子の保育所が、なかなか見つからずに苦労しました。原因の一つに、保育士不足があることがわかりました。そこで、就任してすぐの議会に保育士の就職支援金の予算を計上しました。また、今後佐賀市で働くことを選んでいただくためのインセンティブとして、佐賀市に住んでいただける方のための家賃補助を予定しています。

対談

多様な子どもを多様なまま受け入れる

内田   今回、佐賀市が就職支援金を出していただけると聞いて、現場はとても喜んでいました。福岡で働きたいと思っている学生たちを思いとどまらせる、良いきっかけになればと期待しています。
小学校の教諭不足も深刻になっています。これは特別に支援を必要とする児童が増え、特別支援学級が増加しているからです。保育園でも同じ様なことが起きていて、これも保育士不足の要因の一つになっています。目が離せないですからね。特別に支援を必要とする児童に、早く適切な対応をすることによって、その後の成長が違ってきます。親御さんへの情報提供やケアも大事です。行政で、何らかの対応をお願いできないものかと思っています。

坂井   私も、これからは多様性の時代であると思っています。さまざまな障がいや個性、特性を持つ子どもたちを多様なまま受け入れる環境をつくっていくことが、これからの時代、不可欠だと思います。先日、小学校の特別支援学級を見てきましたが、多様な子どもたちとどう向き合えばよいのか、現場の先生方がとても工夫をされていると感じました。

内田   例えば、不登校児の場合、今だけ見ても原因が分からないけれども、小さい時からの出来事を追う事で、兆候が見つかったりします。幼稚園や保育園と、その後の学校教育がしっかりと連携できるような組織、例えば佐賀市立の幼児教育センターみたいなものができてほしいと思います。

坂井   幼・保・小連携について、佐賀市では、「えがお  わくわく」という、学びの接続期プログラムに、2005年から取り組んでいます。この取り組みが評価されて、2007年には、法政大学地域政策研究賞奨励賞を受賞しました。

内田   佐賀市のこのプログラムは、とても素晴らしい取り組みだと思います。もっとPRして、市民のみなさんにも知っていただくべきですね。

内田理事長2

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

女性活躍で「ワクワク」するまちに

坂井   女性が生き生きとしているまちは、まちも元気だと思います。本来の女性活躍は、男性社会に女性を合わせることではありません。これからは、女性が多様な形で輝く時代です。いろんな地域の活動などで、女性の視点も必要です。女性の活躍は、佐賀市のまちづくりに必要不可欠だと思います。子育て支援を含めた女性活躍のための環境整備に力を入れていきます。

内田   佐賀城下ひなまつりに協賛する形で行っている「ハンドメイドフェア、さが・ひな市」を11年前に立ち上げました。自宅で布製品などを手作りしていた女性たちから、販売する機会がないと相談を受けたのが始まりです。運営側は当初、私も含め女性3人でした。今では仲間が増え、九州でも有名なハンドメイドフェアになりました。自分が欲しいものを作って売るという「女性の視点」が2日間で4万6千人のお客さんが訪れるにぎわいを生み、経済効果につながっています。

坂井   私もハンドメイドのグッズを見るのは好きなので、よく家族で行きます。冒頭申し上げたように、佐賀市は住みやすいし、食も自然も豊富です。そんな中に、ワクワクするような非日常の体験というのをどんどん増やしていきたいと思います。ひな市は、まさにそういうイベントだと思います。

内田   女性のネットワークを生かすことは大切です。今の女性たちの多くがSNSを利用しています。行政も、もっとSNSを活用することで、女性サポーターとつながることができると思います。

坂井   魅力的な情報発信に女性の視点は大切だと思います。それからもう一つ大事なのが、ワークライフバランスです。子育て中はやることがたくさんあります。男女に関係なく子育てに参加することが大切です。私も市長に就任したばかりだったので悩みましたが、育児を自分自身が体験して課題を見つけ、政策に生かすことが大切だと思って育休を取らせていただきました。感じたのは、「育休」ではなく「育訓」だということ。ミルクとかおむつ替えとか、本当にやることが多くて、日々育児の訓練・修行中といった感じですが、子育てと仕事の両立をぜひ果たしたいと思います。

内田  「僕はお父さんなんだ。子育ての当事者なんだ」と思えば、育児や家事に自然と手が出るでしょうし、どこの家庭も世の中も、変わっていくと思います。

対談with資料 (縮小)

子育ては、地域全体で

内田   教育は、時間もお金もかかるとよく言われます。でも、20年もするとその子たちは、立派な地域の担い手になってくれます。地域のみんなで愛情をもって育てると、地域のことを大事に思ってくれる人が育つと思います。子育ては、まち育てであり、まちづくりではないでしょうか。
地域に根を張り、地域と共に生きていくのが大学だと思っていますので、子育てを含めて、佐賀市のまちづくりに、できる限りの協力をしたいと思っています。

坂井   ありがとうございます。子育ての支援は、行政だけでできるものではなく、大学がお持ちのノウハウや知見をいただけると幸いです。
佐賀市は、子どもへのまなざし運動を展開していますが、子どもは地域全体で育てるものだと考えています。私は、働く場所を誘致したりテレワーク環境を整備するなど、直接的な子育て支援だけではなく、未来のまちづくりをするんだという強い気持ちを持って、子育て政策に取り組んでいきたいと思っています。

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