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【教育長だより】「不易」としての道徳教育

更新:2017年06月27日

東与賀町“ふるさと調べ”を発表する小学生
東与賀町“ふるさと調べ”を発表する
 

ふれあい道徳授業に取組む中学生

小学生ふれあい道徳授業に取組む中学生
 

「干潟よか公園」のごみ拾いボランティアをする中学生

「干潟よか公園」のごみ拾いボランティアをする中学生

平成26年12月15日

東与賀小・中学校では、文部科学省の委託事業、「道徳教育の抜本的改善・充実に係る支援事業」を受け、2カ年間の研究に取り組み、その成果を公開いたしました。
これは、文部科学省の教育再生実行会議の第一次提言、「道徳教育の充実に関する懇談会」の報告を受けて、道徳教育の抜本的改善・充実を図るため、地域に根差した創意・工夫ある道徳教育、道徳の指導内容・方法の改善に取り組み、その成果を全国に発信する目的で文部科学省から委託されたものです。

同校では、「夢に向かって歩む、心豊かな児童生徒の育成~小中・家庭・地域社会との連携による道徳教育~」を小・中学校共通の研究主題として、5つの「目指す子ども像」、(1)思いやりのある子 (2)強い意志を持つ子 (3)節度ある行動ができる子 (4)自他の命を大切にする子 (5)地域を愛する子 を掲げ、それに迫るために義務教育9年間をつないだ道徳教育に取組みました。
研究内容のうち、家庭との連携では、道徳だより「よかよか通信」の発行や道徳の授業の工夫として、親子ふれあいカードを生かしたり保護者参加型の授業に取組みました。
また、地域社会の「ひと・もの・こと」との連携としては、「シチメンソウまつり」への参加や地域ボランティア活動、授業に地域のゲストティーチャーを活用して、体験活動を重視した学習を工夫し、道徳的心情や実践力を育てようと取組みました。

学校、家庭、地域が一体となったこれらの取組みは、これからの道徳教育の方向性を示す貴重な研究成果だと感じたところです。

私は「道徳」と聞くと、そこには、心情や感情を連想します。
それは、道徳的な行為は、こころの発露であると考えるからです。
道徳は、人間社会で人として生きるための教育の「不易」の部分ではないでしょうか。

さて、「道徳的な感情」を生物学的にみるとどうでしょうか。

みなさんご存知の、イギリスの自然科学者(地質学者・生物学者)で「種の起源」を著した有名なチャールズ・ロバート・ダーウィン(1809~1882)は、全ての生物種が共通の祖先から長い時間をかけて進化をしてきたことを明らかにしました。
彼は、その過程を自然選択と呼びました。

そのダーウィンは、「道徳感情」について次のように述べています。

道徳的資質の発達で、その資質の基礎は、家族のきずなを含んだ社会的本能の中にある。
この社会的本能は高度に複雑なもので、下等な動物の場合には、ある一定の行動への特別な傾向を示す。
だが、一層重要な要素は、愛および同情と言う独自の感情である。
社会的本能を備えている動物は、互いに仲間になることを喜び、互いに危険を知らせ合い、いろいろな手段で互いに守り合い、助け合う。
これらの本能は、その種の全個体に及ぼされるものではなく、同じ共同体に属する個体だけに向けられる。
それらは種にとって非常に役立つものであるから、自然選択によって獲得されたものであることが、ほとんど間違いない。
道徳的存在というのは、自分の過去の行為やその動機について反省する(あるものは是としあるものは非とする)もののことである。
人間はまさにその名でよばれてよい存在であるという事実は、人間とそれより下等な動物との間のあらゆる違いの中で最大のものである。・・・
道徳感情というものは、まず第一には、社会的本能は長く持続され、常に存在するものであるという、その本能の本性に従って生じたものであり、また第二には、人間は仲間の賞賛や避難を認知するものであることに基づいて生じたものであり、また、第三には、人間の心理能力は、過去の印象を極めて生き生きと保持するように、非常に活発であるということから生じたものである。
(「人間の由来」 八杉 龍一 訳)

 

日本には、昔から、家庭には「家訓」、学校には「校訓」があり、道徳を重んじてきた伝統があります。
地域社会もまたそれを補完する役割を果たしていました。
そして、そこで培われた高い道徳性は行為となって表れ、その姿は時として諸外国から賞讃されたものです。
しかしながら、近年、いじめ問題に代表されるように、重要な教育課題として表面化し、子どもの道徳性の育ちが問題となってきています。

道徳性は、人格形成の基盤であり、道徳教育は、自立した一人の人間として人生を他者とともによりよく生きる人格形成を目指すものであり、家庭教育や学校教育の根幹をなすものではないでしょうか。

ところで先日、諸富北小学校を訪問した折に校長から説明を受けましたが、諸富中学校校区(諸富中、諸富北小、諸富南小)では、 『明るく元気な「諸富っ子」の育成 家庭教育10カ条』を作り、三校あげて、家庭、地域社会とともに実践をしているそうです。
きっと、家庭教育の参考になるのではないでしょうか。
道徳教育は、家庭・学校・地域が連携をして実践することで成果はあがるものです。

 

明るく元気な「諸富っ子」の育成

家庭教育10​ケか条
第1条(命の尊さ) みんなの命 どれもが世界で ひとつだけ
第2条(家族の信頼) 伝えていますか 「大好きだよ」のメッセージ
第3条(生活習慣の大切さ) 早寝・早起き・朝ごはん
第4条(家族の団らんときずな) 家族で集う 楽しい我が家
第5条(学力の定着) 毎日 机にむかう習慣を
第6条(あいさつの習慣化) 心と心をつなぐ 明るいあいさつ
第7条(善悪の区別) 教えよう ことの善し悪し しつけから
第8条(感謝の心) 「ありがとう」 だれもがよろこぶ 魔法の言葉
第9条(地域全体で子育て) あの子もこの子も 地域のたから
第10条(ふるさとを愛する心) ふるさとを愛する 諸富っ子

 

現在、国では道徳の教育課程改善が検討されております。
道徳を教科として位置付けようとするものです。
どのような社会においても、人の道としての道徳教育は、教育の「不易」として、ますます重要なものになってくるでしょう。

学校は間もなく冬休み、子どもたちには、年末・年始の日本の情緒ある伝統行事から、郷土の誇りや人との交流のよさを体感してもらい、生きる喜びを味わってもらいたいものです。

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〒840-0811 佐賀市大財3丁目11番21号 大財別館3階
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