東名遺跡に関する情報発信
今回は、東名遺跡の出土品をモデルにした復元あみかごとその展示公開について紹介します。
復元編みかごについて
縄文時代早期(今から7000年前)の遺跡である東名遺跡では、湿地性貝塚という特徴からたくさんの編みかごが発見されています。
そこで数年前から、かごの製作技術や用途を知るため編みかごの復元作業を行っています。
平成23年12月には大型編みかごの復元を行いました(ひがしみょう通信第3号で紹介)。
昨年は、平成25年11~12月にかけて小型編みかごの復元を行いました。
今回はそのことについて紹介します。
なお、これらの編みかご復元については、東北大学の鈴木三男名誉教授を代表とする「あみもの研究会」が主体となり、実際の製作はバスケタリー作家の本間一恵さん、高宮紀子さんの手によって行われました。
モデルとなった出土品はいずれもツル植物を素材とするAM2184(ツヅラフジ)とAM2078(テイカカヅラ属)で、材料は主に大分県日田市で調達したものを使用しました。
試行錯誤の結果、ようやく完成することができました。
この復元作業によって、太さの揃った素材調達の困難さや編む上での素材調整の重要性などさまざまな発見があり、東名遺跡の編みかご研究において大きな前進となりました。
復元あみかごの展示公開
今回復元した小型編みかごは、平成24年時に復元していたムクロジ割り裂き材を素材とした小型かご(AM2016)と合わせて、平成26年4月29日~5月11日の間、東名縄文館においてモデルとなった出土品と一緒に展示公開しました。
2週間足らずという短い期間ではありましたが、約400人の見学者がありました。
また、AM2184の出土品と復元かごは「日本列島展2014」でも展示公開されました。
復元作業のようす
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佐賀市文化財資料館で行った復元作業の様子です。 右がツヅラフジ(AM2184)のかご、左がテイカカズラ(AM2078)のかごです。 |
小型編みかご復元品
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小型編みかごについては、3個体復元しました。 手間隙がかかったなかなかの力作です。 |
展示のようす
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編みかごの展示のようすです。 出土品と復元品を並べて展示しました。 |
かごの素材
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小型かごに使われた素材です。 ツル植物ではツヅラフジ、テイカカズラが使用され、木本ではムクロジの割り裂き材が使用されました。 |
小型かご(AM2184)
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ツヅラフジを使った高さ35センチメートルほどのかごです。 編み方は網代編みでしたがかなり装飾的で、桝目を描くように工夫されています。 |
小型かご(AM2078)
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テイカカズラを使った高さ40センチメートルほどのかごで、編み方はもじり編みです。 テイカカズラはかなり編みにくい素材でした。 |
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