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恵比須さんたち(2013年11月18日)

更新:2015年02月27日

清掃活動

先日、私がいつもの理容店で散髪していたとき、そこの店主から「市長さんどうしたらよいでしょうか」と次のような相談を受けた。

数日前、「熊本から来た」という見知らぬ人が、ひょっこり、この理髪店を訪ねて来られたという。

その人は『心霊』と言うのか『神のお告げ』と言うのか『ひらめき』があって、この理容店のすぐ近くにあるH寺に鎮座されている恵比須さまにたどり着いたとのことである。

ところが、たどりついた恵比須さんの周りは草と木が覆いかぶさっていた。

草の中に埋まっている恵比須さんを見て、『恵比須さんが浮かばれないでいる』と感じたその人は、すぐさま寺の住職に掃除を頼もうと思って庫裏に行ったが、住職はおろか誰にも会えなかったそうだ。

H寺の荒れている状況を見て、しばらくは恵比須さんの回りに手が施されないと見て取ったその人は、そのまま熊本に帰るわけにもいかず、理髪店で仕事をしていた店主に相談されたのである。

相談を受けたこの店主、佐賀市が「恵比須でまちづくり」をしていることをご存知である。

早速、店主はインターネットで恵比須に関係のありそうな団体に「掃除」の相談をしたが、受けてもらえなかったとのこと。

この熊本の人は後ろ髪を引かれる思いで佐賀を後にされたそうだ。

そこに顔を出したのが私で、前述の「市長さん・・・」ということになったわけである。

最近住む人がいない空き家や空き地が荒れて問題になっているが、世話人のいない恵比須さんの相談には少々ショックだった。

私は散髪を終え、店主と歩いて現地を見に行くと恵比須さんの周りは確かに草ぼうぼう。

一年前出版された溝口教章氏執筆の「佐賀百寺巡拝」で調べると、H寺は今から1500年ごろ前に創建されたといわれ、天台宗寺院としてこの地に古くからあったものであるとのこと。

この寺には、10年ほど前から専任の住職さんはおられず、ほかの寺と掛け持ちのような状況で、寺院は荒れている。

普段は顔を見ることが出来ないという住職が、その日はたまたま車で来られたので、「恵比須さんの回りの清掃」を持ちかけたが好い返事は得られなかった。

しかし、「恵比須でまちづくり」と標ぼうしている佐賀市の首長である私としては、このまま引き下がるわけにはいかず、とりあえず、地元の私たちが掃除することの同意は得た。

私は地域のラジオ体操仲間に相談し、早速、翌日から朝の奉仕と言うことになったわけだが、草の中には、ほかにも恵比須さんが2体鎮座されていた。

またその近くには「中央」とか「守護神」とか刻んだ石が10基ほど出てきた。

私は、このように「石の神様」が数多く集まっているのを見て、これらの「石神様」は元々この寺院で建立されたものではなくて、その昔、村人が個々の家で祀っていたものを、後年、何かの理由で世話が出来なくなり、この寺院に引き取ってもらったものではないかと考えた。

もしそうだとすれば、この寺は恵比須さんたちの「保護施設」ともいえるのではないか。

私にはラジオ体操前の「短い掃除」の3日間だったが、「後は私たちにまかせなさい」と体操仲間がこころよく引き受けてくださった。

おかげで恵比須の周りがすっきりなった。

今回、お告げを出された恵比須さんはもちろんだが、近くに鎮座されていた「石の神様」たちも喜んでおられるに違いない。

先ごろ、訪ねられた熊本の方、どうぞご安心ください。

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