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先輩の言葉から(2013年10月3日)

更新:2015年02月27日

先輩の言葉から

「立志生知恥」 志を立て恥を知りて生きる。

私が執務する市長室にかけている額の言葉です。大正から昭和初期にかけて活躍した政治家・高橋是清の書です。この書は、私の高校時代の友人が「初心を忘れるな」とわざわざ福岡から持ってきてくれたものです。

友人のお父さんが、若い頃、高橋翁から直々に書いてもらったということです。

この額が市長室にあることを知っている私の先輩が、先ごろ、所属される協会誌の巻頭言に触れられていましたので、その一部を紹介します。

知恥、恥を知るとは、人として恥ずべきことをわきまえることです。恥ずべきこととは、殺す・盗む・だます・うそをつく・不正をする・いじめるなど、人の道を踏み外した、倫理に反する行為を指します。

私が子どものころ、親が悪(わる)をした子を叱る時、とりわけ父親は「恥を知れ!」を言って怒ったものです。恥を知れと叱られると、子ども心にも自分のしたことはとても恥ずかしいことなのだと後悔し反省した思い出が幾つもあります。

今、「恥を知れ」と叱る親や先生が果たしてどれだけいるでしょうか。

昨今のわが国は「恥を知る」の意味を知らぬ者、忘れた人が驚く程増えました。

政治家にも公務員にも、いや、あらゆる分野階層にうようよいて平気で恥ずべき行為をしています。厚顔無恥が大手を振ってまかり通っています。

「誰でもよいから殺したかった」とうそぶく者さえ何人も出てきました。毎日のテレビや新聞の伝えるニュースのほとんどが犯罪や事件の暗いひどいものです。

「恥を知る」はもはや死語になりつつあります。善意の判断のできぬ日本人が実に多くなったと指摘する人もいます。まことに憂うべき世相です。

恥といえばもう一つ「恥を掻く」があります。人前で恥ずかしい思いをすることです。実は、考えや感情を表現し発表する「文化」はすべて恥を掻く知的放電行為です。人に下手だと笑われたり、馬鹿にされたらと臆し恐れていては文化芸術は成り立ちません。

恥を掻くのを繰り返して努め励むうちに芸も技も術も上達し向上して行くのです。ですから文化活動の原点・源は失敗を恐れずに敢えて挑戦する、恥を掻く勇気をもつことにあります。心が美しいものに感動したいと望み、喜びを味わいたいと願う心に応える、それが文化です。「心の足し」にするもの、魂の食事・栄養といってもよいでしょう。

わが国の前途を想う時、経済の再生も大事ですが広い意味での「教育」によって恥を知る心を取り戻し、恥をかく勇気を養うほうがもっと大切だと想います。

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