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断る勇気(2021年3月2日)

更新:2021年03月 3日

新型コロナウイルス感染拡大防止のために大人数での飲み会を自粛するようになってから1年が過ぎた。この新型コロナに一日でも早く収束の兆しが見えんことを願っているが、今月のコラムは「飲み会」に絡む話である。

私が参加している定期的な飲み会の一つに高校時代の同卒生を主体に集まるものがある。

私がその仲間に加わってから35年ほどになる。私にとっては異業種交流の場でもあり、大切にしている。

この会の中に、誘われた飲み会は「絶対断らない」タイプの仲間がいた。彼の職場は民間会社であったが、職場では慕われ、部下の面倒見もよく、責任ある仕事を任されていた。私たち飲み会の仲間からも尊敬される存在だった。時々開催される同窓会の世話などではいつも中心的な役割をこなし、まとめ役の一人でもあった。頼まれたらなんでも快く引き受けるタイプで、仲間から重宝がられていた。それ故であろう、勤務時間後の夜の交流も多忙であったようだ。

そんな彼は、定年まで数年を残して体を壊し、亡くなった。

この飲み会には、彼と同じように「絶対断らないタイプ」の会員がほかにもいて、その会員も早く逝った。

その後の飲み会で、先立った仲間を追悼しながら、仲間の一人が自重気味に言った。

「N君が逝ってしまった。その前にはH君も逝った。我々も、よか歳になったけんが、こいから先は『断る勇気』をもたんば、いかんばい」

お互い生活習慣病を気にしなければならない年齢に達していたので健康に注意し、無理をしないようにしよう。特に飲み会は要注意で、飲み会が続くようなときには無理をせず、時には断ることも大事だよという、戒めの言葉であったのだ。

この言葉を、私は今でも大事にしている。

 

この「断る勇気」が健康維持の面からではなく、国家公務員の倫理規程の面から突如、クローズアップされるようになった。

先月25日の新聞には「総務省・違法接待・11人処分」という大きな見出しが出た。翌26日の新聞には農林水産省の幹部職員6人が接待で処分を受けたとの記事。

内容はみなさんご承知の通りの接待疑惑である。

総務省関連の記事には、接待事件にかかわった総務省OBで、その後辞意を表明された元内閣広報官が過去に動画発信されたというメッセージも添えられていた。

そのメッセージとは、「イベントやプロジェクトに誘われたら絶対に断らない。飲み会も断らない。断る人は二度と誘われない。出会うチャンスを愚直に広げてほしい。」というものであった。

このメッセージだが、一読すると先輩の人生訓として読めるが、半面、「無理な付き合い」を忖度させる言葉としても読める。

11人もの処分者を出した総務省の後輩たちが、この大物先輩のメッセージをどう読んだのか、気になるところだ。

私もある意味で、ここでいう「大先輩」の立場。他人事ではない。

異を唱える勇気、断る勇気、いずれの勇気も大切にしたい。

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