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【教育長だより】早稲田・佐賀21世紀子どもプロジェクト

更新:2017年06月27日

子ども大隈講座 大隈スピーチコンテスト フィールドワーク
子ども大隈講座 大隈スピーチコンテスト フィールドワーク

 

平成25年11月21日

失敗を恐れない 【諸富中3年生作品】

「幾多の失敗を重ねたが、しかし恐縮はせぬ。失敗は我が師なり。失敗は我が大なる進歩の一部なり。」

これは、タフ・ニゴシエイターと謳われる大隈重信侯の言葉です。

タフ・ニゴシエイターとは、「手強い交渉相手」という意味です。

なぜ、彼はこのように呼ばれるのでしょうか。

1868年に行われた英国のパークス公使との会談に、当時外国事務局判事だった大隈侯に白羽の矢が立ちました。

パークス公使は、傲岸不遜な英国人として、日本政府から恐れられていました。

そんな彼と、英語ができるからという理由で、大隈侯は会談することになったのです。

さて、会談は序盤から難航します。

まずパークスは、「自分は皇帝の代理なのに日本の代表者は名もなき若者だなんて無礼だ。」と怒鳴ります。

政府の役人が震え上がる中、大隈侯は、怯まず答えます。

「私は、ここに代表者の地位を正式に与えられている。天皇の代理だ。それが嫌と言うなら抗議を撤回する。」と。

なんて堂々とした受け答えだろう、と私は思いました。

きっとその場にいた誰もがそう思ったでしょう。

何事も始めが肝心だといいますが、まさにこの時、もう大隈侯の勝利は決まったのではないだろうかと思います。

さらに、その後の会談でも、「西欧には思想、宗教の自由がある。 キリスト教を弾圧し禁止する日本は、あまりに野蛮だ。」と、パークスが言うと、大隈侯は堂々とした態度でこう答えます。

「それは、日本の法律で決めることだから、国際法上何の違反もない。キリスト教の普及は国家にとって重要なことだから、簡単には決められない。」

午前10時から始まった外交ディベートは激しい議論の応酬となり、6時間ぶっ通しで行われました。

結局、議論はキリスト教信者の死罪廃止だけにまとまります。

大隈侯の大勝利でした。

実は、キリスト教普及の裏には、宗教によって日本を侵略しようという魂胆があり、彼はその危機を救ったのです。

これが、大隈侯がタフ・ニゴシエーターと呼ばれる大きな理由のひとつだと思います。

 

私は今、学校で生徒会長をしています。

私も彼のように、全校に向って堂々と話をしなければならない時があります。

例えば、集会などで生徒会活動について協力を呼びかける時、全校の前でもじもじしていては誰も私の話など聞いてくれません。

堂々と「こうしたい。だからみんなにこうしてほしい。」ということを強く訴えかけることが大事なのです。

実際にそんなふうに呼びかけた時、後輩から、「先輩の話、よかったです。私もあの活動をしてみたいです。」と言われました。

自分の気持ちが伝わったのだと嬉しくなり、感動しました。

その時、誠意を込めて堂々と意見を言うことが大切なのだと感じました。

でも、それを実行するのは簡単なことではありません。

緊張もするし失敗してしまうこともあります。

大隈侯は、それが怖くなかったのでしょうか。

全く怖くないというという訳ではなかったかも知れませんが、きっと、あまり恐れてはいなかったと思います。

なぜなら、冒頭の「失敗は我が大なる進歩の一部」という言葉を、彼が生前に残しているからです。

失敗を恐れず、それどころか自分の成長のためと考える前向きな姿勢は、彼の武器となり、海外諸国との外交にも役立ちました。

「日ごろの考え方ひとつで、何かを変えることができる。」この考え方が彼を支え成長させたのだと思います。

私もこれからは、彼のように失敗を恐れずに、自分の意見をはっきり伝え互いに認め合う生き方をしていきたいと思います。

これは、諸富中学校3年の生徒の考えです。

去る10月5日に開催した「第7回 大隈重信スピーチコンテスト」で最優秀賞に輝いたスピーチの内容なのです。

みなさんは、これを読まれてどのように感じられますか。

この生徒は、大隈重信の考え方や生き方から“失敗”ということに視点を当て、それを中学生らしい感性で捉え、生徒会長という現実の自分と重ねて考えています。

そしてそれを、将来にわたって自らの生き方へとつなげ、実践しようとする意欲的な意見となっています。

スピーチともなりますと、抑揚や間の取り方、音量や早さ等で随分と違ったイメージとなり訴える力も違ってまいります。

最優秀賞のこのスピーチでは、話し方に説得力と力強さがあり、7名の審査員の心をとらえ感動を与えてくれました。

審査委員長の早稲田大学 谷山 公規 教授は、講評の中で、すべての生徒のスピーチは、中学生とは思えないくらいしっかりとした考え方を持ち、甲・乙つけ難く審査員全員が困ったことを話されました。

しかもそれぞれの内容を表情豊かなスピーチ力で主張する中学生の堂々とした態度に、「外国人にも引けをとらない。」と絶賛されました。

そして佐賀の子どもたちの今後の成長が楽しみであると結ばれました。

佐賀市の子どもたちの成長を垣間見るひと時でした。

佐賀市教育委員会では、佐賀市の小・中学生が、早稲田大学の創設者であり教育、政治等の分野で活躍した佐賀の賢人である大隈重信のことを調べたり佐賀の自然環境への理解を深めたりして、21世紀を担う人材を佐賀の地で育成する目的で、早稲田大学総合科学学術院と協定を結び、「早稲田・佐賀21世紀子どもプロジェクト」として各種の事業を行っております。

今年度の内容は以下のとおりです。

  1. 早稲田大学出前講座として
    (1)中学生対象
     <1>自然科学教室(11月8日)
      内容:自然科学の実験
     <2>フィールドワーク(11月9日)
      内容:佐賀市、唐津市、多久市における現地での岩石、地層の学習
      講師:<1><2>とも早稲田大学教授 円城寺 守 先生
    (2)教職員対象
     内容:2日間にわたり、学級経営力や授業での言語活動、活用力の育成に視点をおいた講座
     講師:早稲田大学大学院教授 田中 博之 先生
  2. 大隈 重信スピーチコンテストに関連して
    (1)大隈重信 子ども出前講座(8月10日)
     内容:大隈記念館において市内在住の小中学生による館展示物の見学と講義「大隈重信の生き方」
     講師:江口館長、國原学芸員
    (2)大隈重信スピーチコンテスト 第1次審査(9月12日)
    (3)大隈重信スピーチコンテスト 第2時審査(10月5日)
     内容:審査員7名による第1次審査通過者10名の生徒のスピーチ審査、最優秀賞1点、優秀賞3点が決定

佐賀市の子どもたちが義務教育9ヵ年の学びの中で、ふるさと“さが”の自然や歴史、文化や風習など、体験的学習をとおして先人の知恵と佐賀のよさを知り、郷土を愛する心とともに学びの過程で“志”を育み、生涯にわたってその実現に向けて努力を続ける子どもを育てようと考えています。

このような佐賀市教育目標の達成のために、その事業の一環として「早稲田・佐賀21世紀子どもプロジェクト」を行っているところであり、年々充実していくように努めたいと思います。

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このページに関するお問い合わせ

教育部 教育総務課 教育政策係
〒840-0811 佐賀市大財3丁目11番21号 大財別館3階
電話:0952-40-7352 ファックス:0952-40-7394
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