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【教育長だより】子どもの生活とメディア

更新:2017年06月27日

平成25年9月30日

「学生たちの運動を盛んにするために、運動会という会を作り、学生たちに駆け足とか幅跳びとか、簡単な運動を教えたらいいと思う。

そして、春か秋かに盛大な大会を開き、一般に見せるようにしたら、運動が広がるのではないか。」

東京英語学校の教師として来日したイギリス人ストレンジが当時の校長に進言し、1883年(明治16年)10月、人に見せる運動会が開かれたそうです。

これが学校における日本初の運動会と言われています。

半世紀前の日本。それは奇跡的な戦後復興を果たし、さらに上り坂の勢いがありました。

当時、私は高校生でしたが誰もが希望に燃え街は活気に満ち溢れていました。

「向こう三軒両隣」ならぬ地域全体に助け合いと連帯の絆がありました。

その日本の発展し続ける姿を世界に示したのが1964年の第18回東京オリンピックだったと思います。

14インチの白黒テレビに映し出される数々のオリンピック競技を固唾を呑んで観戦したそのひとコマひとコマは、今でも鮮明に蘇ります。

その後、開会式があった10月10日は「体育の日」として祝日(現在は10月第2月曜日)となり、時を経ても人々の心に刻まれ大切に記憶されてきました。

2020年夏季五輪、パラリンピックの開催が東京に決定しました。

今回は、大震災から復興を果たした災害に強い日本の姿を、そして日本の美しい自然とそれに調和した安らぎのある社会環境を体感してもらいたい。

また、多様な文化の交流の場ともなる五輪、日本という風土の中で育まれた情緒あふれる日本文化をアピールするとともに、“おもてなし”の心で世界中の人々を迎え入れ、日本人の品格を示したいものです。

さて今回は、「子どもの生活とメディア」について考えてみましょう。

“ネット依存中高生52万人”“厚労省推計「病的」8.1%”“識者「精神面に悪影響も」”

等の見出しで報道されたのは、8月上旬でした。

それは、全国の中高生約9万8千人が回答したインターネット使用実態に関する厚生労働省研究班の調査結果でした。

調査によると、ネットを利用する時に使う機器は、多い順にパソコン、スマートフォン、携帯電話であり、平日の平均使用時間が5時間以上の生徒は、中学生9.0%、高校生14.4% を占めるということです。

その中で、インターネットの「病的な使用」と判定され、ネット依存が強く疑われる生徒が8.1% あり、この割合から推計して、全国では約51万8千人の中高生にネット依存の可能性があるというものです。

この割合を佐賀市の中学生に当てはめて推計してみましょう。

佐賀市立中学校18校に学ぶ中学生は、総数6,052人(H25.5.1現在)ですから、約490人の生徒が“病的使用のネット依存者”という計算になります。

そこで、佐賀市の中学3年生と小学6年生の実態を、今年実施した「全国学力・学習状況調査」の結果から探ってみますと、

  • 平日に4時間以上インターネットを使用している子どもの割合 中学3年生 8.8% 小学6年生 2.3%

となっています。

また、インターネットと相関が深いと思われる睡眠については、

  • 平日の睡眠時間が6時間未満の割合 中学3年生 7.3% 小学6年生 2.3%
  • 平日の就寝時刻が午前0時以降の割合 中学3年生 20.8% 小学6年生 2.9%

となっております。

このような実態から推測しますと、佐賀市の子どもたちにもネット依存が懸念される状況にあると考えてもいいでしょう。

さらに研究班によりますと、病的な使用が認められた中高生の症状としては、“眠りに就きにくい(23.2%)”“夜中に目が覚める(15.6%)”が挙げられています。

また、“午前中は調子が悪い(24.0%)”“気分が落込む(67.9%)”等の特徴があるようです。

これらのネット依存による症状は容易に想像がつくことではないでしょうか。

研究班メンバーのひとりである久里浜医療センターの樋口院長は、

「ネット依存が強いと昼夜が逆転し睡眠障害などにつながる恐れがあり、精神面への悪影響も懸念される。

適切な使い方に関する教育が必要で、相談・診療体制も速やかに整えるべきだ」

と指摘しています。

また、9月7日付内閣府発表の「子どもの安全に関する世論調査」によりますと、子どもがスマートフォン(多機能携帯電話)を利用することに「不安を感じる」と回答した人が71.9%に上っています。

その主な理由では、“トラブルや犯罪被害に巻き込まれる”“悪影響のある情報の閲覧”“利用時間が長くなる(ネット依存)”等の恐れがあるというものです。

現在の発達した情報化社会においては、メディア機器の利用は避けては通れません。

しかしながら、子どもにとって、メディアを過度に利用することで生活習慣が乱れ、心身の発達(知・徳・体の全ての面で)に確実に悪影響を及ぼします。

今や子どもの“ネット依存”という現象は、重要な教育課題であり早急な取組みが必要です。

小さい頃から望ましい生活習慣を確立していくこと、あるいは生活習慣の改善を図ることは家庭・親の責任であり教育の原点です。

今、子どもにとって生活習慣を崩す最大の要因がメディア利用です。子どもの成長に合わせてメディアに対する正しい知識と利用上のモラルをしっかり身につけさせることが重要です。

メディア機器を目的を持って正しく利用し、自らの意志でコントロールできる人間に育てていく必要があります。

 

家庭においては、親として子どもの生活実態をしっかりつかみ、日ごろから子どもとのコミュニケーションを図ってネット依存への予防教育を行う必要があります。

県PTA連合会から配布された「保護者の情報モラルハンドブック」は、子どもと一緒に考える資料として大いに活用してほしいと思います。

また、毎月1日は「親子ふれあいデー」でもあります。

佐賀市内の各家庭で家族の会話が弾み和やかな団らんの輪が広がっていくことを期待しています。

その中で、是非メディアの利用についても話題として取り上げていただきたいと思います。

学校においても学校教育の重要課題のひとつとしてとらえ、生活指導や教科等の学習を充実させ、児童生徒に情報モラルを身につけさせてまいります。

学校、家庭が課題を共有し同じ目的と指導の方向性を持って連携をして指導・実践していくことが肝要ではないでしょうか。

 

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