Language

文字の大きさ

背景色

【教育長だより】学校教育の一環としての中学校部活動

更新:2017年06月27日

平成25年6月24日

今年は早めの入梅で、これからの雨の降り方が気になる季節となりました。

学校ではプール開きを終え、ひっそりとしていたプールに水遊びや水泳の授業が始まり、子どもたちの歓声が聞かれるようになりました。

1学期も後半に入り、いよいよ躍動的な夏の到来です。

昨年末には、部活動中の体罰が背景となったと考えられる高校生の自殺事案が発生しました。

学校教育において教職員の体罰による指導のあり方は、佐賀市教育委員会として重く受け止めているところです。

 

この事案を受けて、元巨人軍投手の桑田さんが新聞社に寄せた手記の中で、自らの体験を通して語っておられました。

「・・・アマチュア時代は、僕も指導者や先輩に殴られていました。野球の練習はしたいのに殴られるのが嫌で、グランドに行きたくなくなりました。・・・私は体罰に反対です。絶対に仕返しをされないという上下関係の構図でおきるのが体罰です。スポーツマンとして恥ずべき卑怯な行為だと思います。・・・体罰を生む背景は勝利至上主義にあると思います。アマチュアスポーツでは本来誰もが、子どもを育てる、選手を育てるという“育成”を目的にしているのにもかかわらず、目の前の試合に勝つために、指導者は手段を選ばなくなってしまうのです。体罰は、暴力で脅かして子どもを思い通りに動かそうとする、指導者にとって最も安易な方法です。・・・自分もそう指導されたからと、体罰の連鎖を繰り返すのはもうやめましょう。子どもたちの成長を真剣に願うなら、殴ったり蹴ったりするのではなく、なぜ上手くいかないか、どのようにしたら上手くいくか、一緒に悩み考え、ヒントを与えるのが指導者の役目だと思います。・・・理不尽な体罰が繰り返されるなら、勇気を持って誰かに相談してください。我慢することよりも、まず自分の身体と精神を守ることの方がずっと大切です。・・・」

この一流の元プロスポーツ選手の言葉はすべての指導者の心に響きます。

指導者としてあるべき姿、指導のあり方の本質を教えてくれています。

佐賀市教育委員会では、今回の部活動中の体罰事案を機会として、部活動の意義やそのあり方について広く議論をいたしました。

2月21日には、「佐賀市中学校部活動あり方検討委員会」(以下「あり方検討委員会」)を学校管理職や中体連関係者、部活動顧問、市PTA等の代表者で構成し、会議を開いて協議をしたところです。

 

部活動については、文部科学省の中学校学習指導要領第1章総則第4の2に、

「生徒の自主的、自発的な参加により行われる部活動については、スポーツや文化および科学等に親しませ、学習意欲の向上や責任感、連帯感の涵養等に資するものであり、学校教育の一環として、教育課程との関連が図られるよう留意すること。その際、地域や学校の実態に応じ、地域の人々の協力、社会教育施設や社会教育関係団体等の各種団体との連携などの運営上の工夫を行うようにすること。」

とあります。

これをふまえて、あり方検討委員会で協議し、部活動の意義を5項目にまとめました。

  1. 学校教育の一環であり、部活動を通して人づくり(心身の健全な育成・好ましい生活習慣の確立等)を目指す。
  2. 異年齢との関わりの中で、友人関係の拡大と深化を図り、コミュニケーション能力を高める。
  3. 体力の向上や健康の保持増進を図る。
  4. スポーツ、文化活動に興味・関心を持たせ、生涯にわたって運動文化・芸術文化に親しむ基盤づくりを図る。
  5. より高い水準の技能や記録に挑戦させる中で、スポーツ、文化活動の楽しみや喜びを実感させ、より豊かな学校生活を送らせる。

また、市の部活動の現状から、課題については9項目に整理をいたしました。

  1. 行き過ぎた(過熱化)指導
  2. 勝利至上主義
  3. 顧問の負担と実技の指導力
  4. 部活動中における災害への対応や事故の防止
  5. 生徒間のいじめや指導者の体罰等
  6. 少子化に伴う生徒減少と部活動数のバランス
  7. 部活動に対する保護者の要望の多様化
  8. 対外試合等における生徒の移動手段
  9. 部活動にかかる金銭的・労力的な負担

部活動の意義・目的を達成するには、各学校で部活動のあり方を見直し実践していくことが大切です。

教育委員会では、今回の協議内容は、「あり方検討委員会 」“提言”としてまとめ、校長会との協議を経て、中学校部活動運営における市の方針といたしました。

各中学校においては、この提言に基づきこれまでの部活動のあり方を是正し、望ましい部活動のあり方へと歩を進めていくことを確認したところです。

そこで、今年度の佐賀市全中学校の取組み重点(実践項目)を述べますと

  1. 教職員研修会の実施
    提言をもとに、全教職員による部活動のあり方についての研修を、少なくとも、年度当初および年度末の2回は実施する。
    そして、全教職員に部活動の意義についての周知を図り、望ましい部活動実践に努める。
    また、各学校の部活動の課題解決のために改善策および具体的実践をもとにした研修を行う。
  2. 保護者への啓発・周知
    保護者会(部活動保護者会全体会、各部ごとの部活動保護者会)を実施し、部活動の意義についての相互理解を図り、各部活動の方針や活動計画を明確にして、その周知と実践を図る。
  3. 部活動の練習等
    (1)原則、各部活動ごとに、週1回の部活動休みの日の設定。少なくとも、月1回は土・日曜日のいずれかに設定する。
    (2)原則、土・日曜日の練習は半日とする。但し練習試合等は除く。
    (3)毎月1回、第2水曜日は「佐賀市一斉部活動休みの日」とする。変更が必要な月については、市一斉に期日を変更する。
    (4)校長は顧問に対して、毎月の各部活動練習計画を提出させ実情を把握し必要に応じて指導する。
    (5)部活動終了時刻の設定および徹底
    (6)生徒の引率では、教職員の私有車に同乗させない。
    *(2)(3)(4)は今年度新たに打ち出した市の方針であり確実に実行する項目です。

部活動が学校教育の一環であり人間形成の機会であることから、管理職をはじめ指導者はその意義を十分に理解した上で部活動運営を行わなければなりません。

望ましい部活動のあり方を実現するためには、学校においては、管理職のリーダーシップの発揮と指導者である教職員の意識変革、実践が必要です。

そして何より重要なことは、保護者や市民のみなさんのご理解とご協力によるところが大きいと考えます。

中学校で学ぶ生徒が、課外には自ら選択した部活動を通して、より充実した学校生活を送り、その中で多くのことを学び、人間形成の礎になればと願うところです。

本年度の取組みを契機に、今後も「あり方検討委員会」での協議を通して、望ましい部活動のあり方について検討を重ねてまいりたいと考えているところです。

関連リンク

これまでの教育長だよりはここをクリックしてください。

  • Facebookシェアボタン
  • Twitterツイートボタン
  • LINEに送るボタン

このページに関するお問い合わせ

教育部 教育総務課 教育政策係
〒840-0811 佐賀市大財3丁目11番21号 大財別館3階
電話:0952-40-7352 ファックス:0952-40-7394
メールアイコン このページの担当にメールを送る