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【教育長だより】学ぶことは生きること

更新:2019年07月31日

令和元年7月31日

 夏休みを迎えたとたんに、台風5号の影響を受け県内は豪雨に見舞われました。鳥栖市やみやき町などでは多くの冠水で被害が生じています。
 これからは台風シーズンがやってきます。日頃から十分に備えをし、身の安全を確保することを最優先に適切な行動をとりたいものです。

 さて、ある日の佐賀新聞“有明抄”に、夜間中学に通い勉強に励む人たちを手伝う中学生ボランティアの記事が掲載されていました。
 
その記事によると、中学生ボランティアが、夜間中学に通い学んでいる人たちの体験談や必死に学ぶ姿に触れながら、「学ぶこと」について深く考えていったこと、そして、時代は変わり社会が進展しても今なお必要とされる夜間中学について書かれていました。
 
「バスに乗っても“運賃”という漢字や行先を告げる文字が読めず乗るのが恐い。」といった体験談や「習ったことを忘れたくないから宿題を出してください。」という学びに向かうエネルギーには、幾つになっても学ぶことができる幸せや生きている証をも感じます。
 
このボランティアの中学生は、夜間中学に10代から80代まで5か国の人が通っていることに驚いたといいます。
 
「教育が受けられず劣悪な状況に追いやられている人がいる。そのことを忘れてはならない。」「学ぶことの意味を教えていただいた。」など、夜間中学でのボランティアを通して、学んだこと、考えたことを「学ぶことは生きること」の作文のタイトルに込めて綴り、昨年の全国中学生人権作文コンテストで最優秀賞に輝いたと紹介されていました。

 「夜間中学」、皆様には聞き慣れない言葉かも知れませんが、今、全国でその必要性が論じられています。

 もともと夜間中学は、戦後の混乱期に、生活困窮等の理由で学齢期間は学校に通えず、昼間は就労、家事手伝い等を余儀なくされた人たちや病気で学校に通えなかった人たちに対して、改めて義務教育の機会を提供する目的で、昭和20年代から中学校に付設されてきました。昭和30年代のピーク時には、全国に80校以上が設置されたそうですが、就学援助制度の充実や社会情勢の変化により減少してきました。
 
2年前の平成29年7月現在では、8都府県25市区に31校の夜間中学があり、1,687人の就学生徒が懸命に学んでおります。
 
今、全国には義務教育未修了者が少なくとも12万人以上存在すると言われています。外国籍で義務教育未修了の学齢超過者や日本語が理解できずに学習内容を習得できなかった者、そして社会問題ともなっている不登校児童生徒の増加等があり、年齢や国籍等に関わりなく、義務教育の機会の必要性が高まっているところです。
 
このような状況の中にあって、国においては、平成28年12月に、「義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する法律(いわゆる教育機会確保法)」が成立しました。
 
この法では、教育機会の確保等に関する施策を総合的に推進するために基本理念が定められ、国や地方公共団体の責務として、夜間中学における就学機会の提供等の措置を講ずることを義務付けています。
 
そして、平成29年3月には、この法の第7条を受けて、基本指針が策定され、さらに、第3期教育振興基本計画が平成30年6月に閣議決定されました。
 
教育機会確保法に基づいた国の方針に沿いながら、今まさに、各自治体においては夜間中学設置等への取組みが始まったばかりであります。
 
文部科学省では、その取組を促進するために、各自治体の実情に即して始めることができるように、①設置促進 ②広報活動 ③教育活動の充実 ④受け入れ生徒の拡大 の4つの観点から事業を計画して対応しているところです。
 
その取組の基本は、義務教育の機会を実質的に保障するために、
 
(1) すべての都道府県に少なくとも一つの夜間中学を設置
 
(2) 夜間中学の教育活動の充実や受け入れる生徒の拡大
を目標としています。

 県市町の教育委員会相互の連携と取組みによりこの目標に迫りたいものです。そして、義務教育を十分に受けていない人たちが、年齢や国籍等、置かれている事情にかかわりなく、その能力に応じた教育を受けることにより社会において自立的に生きる基礎を培い、豊かな人生を送ることができるようにしたいものです。

 

 

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