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【教育長だより】その時、佐賀は世界を見ていた 今、佐賀は未来を見ている

更新:2018年06月11日

反射炉ガイド1(HP掲載用) 反射炉ガイド2(HP掲載用)

日新小学校「反射炉ガイド」。訪れる観光客にたいへん好評です。

西川副小学校1 西川副小学校2

日本赤十字社本社からの訪問者に説明する中川副小学校6年生

平成30年6月11日

 物心がついた4、5歳の頃だったでしょうか。祖母が私に一冊の絵本「うしわかまる」を買い与えてくれました。私の本、まさにブックスタートであり、嬉しくて嬉しくてひと時も離さず大事にして読みました。とはいっても、ろくに字が読めない頃でしたから何度も何度も場面絵だけをつなぎ合わせて話の内容を想像したものでした。そして、毎晩のように祖母に語ってもらったのを記憶しています。
 母親の常盤御前に連れられて二人の兄とともに深い雪の中を落ちのびる場面からは、子どもながらにその情景を想像し、心打たれたのを今でも覚えています。そして、鞍馬山で天狗と武芸に励む姿や京の五条橋で武蔵坊弁慶との出会いなど、絵で表されている情景の美しさ、不思議さに感動しながら想像にふけったものでした。

 時代をずっと遡ること900余年、時は平安時代、かつて黄金文化として栄えた奥州藤原氏ゆかりの世界遺産平泉を視察する機会がありました。毛越寺や中尊寺・金色堂を見学しましたが、中尊寺は初代清衡が、前九年・後三年の役で亡くなった霊を敵味方の区別なくまつり、仏国土の実現のために建立されたとのことでした。平泉は平和を願って築かれた都市と言われ、二代基衡もその考えを受け継ぎ浄土庭園を配した毛越寺を造営し、この平和思想は、先々の世代へと受け継がれていくことになったそうです。私は、以前から三代秀衡に大変興味を持っていました。
 それは、幼いころ初めて手にした絵本の主人公、牛若丸(源 義経)と藤原秀衡との関係が親子のごとき絆で結ばれていたと言われていたからです。
 平泉視察で、藤原氏の思想として流れている平和への願いを実感し、子どもの頃に夢中になった牛若丸の話を妙に納得したものでした。
 現地を説明し案内いただいた地域ボランティアの方は、「かつて、戦乱の焦土から立ち上がり、人と人、人と自然との共生による平和を願って切り開いたのが平泉です。その姿は、震災から復興へ向かおうとする私たちの未来につながっており、平泉のいにしえの心は未来を照らす希望の光です。」と話され、故郷に息づく思想や文化を誇りに思う自信に満ちた表情がありました。
 そこには、きっと子どものころから故郷のことを学び故郷を誇りに思う教育がなされているものと推察したところです。

 ところで、ふるさと佐賀においては、明治維新から150年を迎え、その記念事業として「肥前さが幕末維新博覧会」が催されております。
 私も先日、メインパビリオンの幕末維新記念館からリアル弘道館、葉隠みらい館へと見学をいたしました。
 そこでは、佐賀の七賢人と呼ばれる偉人たちとその偉業について、また、近代日本の礎を築くことになるそれらの偉人たちを育んだ藩校「弘道館」のことや武士の心得を表した「葉隠」について学ぶことができました。
 10代藩主の鍋島直正侯は、ずば抜けた先見性と開明性を持ち、人を育てることを基盤に、医学や科学技術の振興に力を注ぎました。直正侯の考え方や生き方があり、そして、佐賀の風土に根差した葉隠の教えがあって、ふるさと佐賀藩から多くの優秀な人材が育ち、幕末維新期の輝く佐賀を創り出したのでしょう。
 私は、葉隠みらい館でこれからの自分がよりよく生きるために必要な日常の心構えを葉隠の教えから探してみました。
 質問の順に答えていき、たどり着いた教訓は、「葉隠聞書第2-17 端的只今の一念より外はこれなく候。一念一念と重ねて一生なり。」でした。
 その意味合いは、~“端的只今、現在の一瞬に徹して生きる”という一念より大事なものはない。一瞬一瞬を積み重ねたものが一生となる。この境地を会得すれば、ほかにあれこれ考えることもなく、ほかに気にすることもない。~と言うものでした。
 300年以上前につくられた武士の生き方を示す教えではありますが、現代の私たちの生き方に通じる実に意味深い教えであると感じたところでした。
 今に続く葉隠の教えは、幕末維新期に活躍した佐賀の先人達の生き方のよりどころとなり、数々の偉業を成し遂げたのでしょう。


 担当者の話によりますと、県内の各小中学校からも郷土学習の一環として児童生徒が見学に訪れているとのことでした。
 佐賀市の教育方針のうち、「ふるさと学習」は学校教育の重点事項のひとつであり、各学校では教育課程に位置付けて、子どもたちに組織的・系統的に学ばせています。今回の各種の明治維新150年事業も「ふるさと学習」の一環として活用しながら、さらにふるさと佐賀の理解を深めていきたいと考えています。
 子どもたちは、10代藩主、鍋島直正侯をはじめとした偉人たちの生き方や志に学びながらふるさと佐賀を誇りに思う心を育んでいくことでしょう。

 “その時、佐賀は世界を見ていた。そして今、佐賀は未来を見ている。”
 

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