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子育て支援、どこまで?(2017年10月12日)

更新:2019年04月 3日

 先月26日の朝、西日本新聞の佐賀版を開いて、私の目に飛び込んだのは「今すぐ助けてほしい」という大きな見出しであった。

 

 佐賀市長選挙・市議会議員選挙を前にして、佐賀市政の現状と課題を追った企画もので、5回シリーズの初回の見出しであった。そばには「子育て支援」と小さな見出しが添えてあった。

 内容は、一人親で子育てに苦労されている家庭の実態を紹介したものであった。

 新聞社の許しを得て、当日の新聞記事の前段の部分を原文のまま引用させていただく。

 

 『 前日の夜、38度を超す熱を出した幼稚園児の四男。佐賀市内の夜間病院で診察を受けたが、朝になっても平熱には戻らない。昨年冬の出来事だ。

 「本当は仕事を休みたいけど、休むと収入が減り家計に響く」。当時パート勤務だった佐賀市のひとり親家庭の母親(45)は、病児保育室に預けようと考えたが断念した。保育室の開所は午前8時。就業開始時間と同じで、預けると仕事に間に合わないからだ。

 仕方なく小学2年の長女を欠席させ、自宅で四男の面倒を見てもらった。母親は「子どもに本当に申し訳なかった」と今も悔やむ。

 母親は2度離婚。最初の夫との子3人は社会人だが、長女と四男はまだまだ手がかかる。今は団体の契約社員だが生活は厳しい。長女を小学生対象の放課後児童クラブ(月額3000~4500円)に入れたいが、低所得者ら対象の負担軽減を受けたとしても支払いは苦しく行かせられない。

 そもそも、市内の児童クラブは今年4月時点で175人の待機児童がいる。母親は「子どもを預けられる施設をもっと充実させて、低所得者の利用無料化も検討してほしい」と求める。 』

 (2017年9月26日付 西日本新聞朝刊)

 

 子育てに対する親の悩みは尽きない。

 特に一人親の家庭になると経済的不安定さも加わり、その「大変さ」が増している。厳しい子育ての現状をぶっつけられると、真っ先に『何とかできないか』という思いが私を支配するのだが、一息ついて、今日の財政状況を考えると、その思いは萎んでしまう。

 現在佐賀市の「病児・病後児保育所」は医師や看護師、保育士など関係スタッフの大変な理解と協力があって運営されている。

 経費的なものも含めて精一杯のところでお願いしているのだが、さらなる利用者側の利便性の願いに寄り添うとなると、マンパワーの確保や財政的課題が当然のごとく生じる。

 同じように、もう一つ提起された課題「放課後児童クラブの利用料減免」についても、財政的な負担は軽くはない。

 国も一緒だが、地方にあっても財政事情を軽視するわけにはいかない。

 社会保障制度を考えるに当たって、最近よく使われる言葉「痛みの先送り」「未来の切り売り」に繋げてはならない。

 できれば、子どもが病気のときは親が看病できるような「子育て環境」を整えられればそれが一番だと思うのだが・・・

 「子育て支援をどこまでするのか、できるのか」、これからの大きな課題である。

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