6月下旬の朝、出勤時、バスから降りて市役所を見て気づいた。
市役所西玄関の南側に「祝 出場 吉田 翔選手」の懸垂幕が下がっていた。
吉田翔さんって誰だろう?
恥ずかしいというか申し訳ないことに、そのときまで、私は吉田翔さんを知らなかった。
担当部署に問い合わせたら、
「今月18日からトルコのサムスンで開催される、第23回夏季デフリンピックに出場する選手ですよ」という回答がすぐ来た。
またまた恥ずかしながら、私は「デフリンピック」という言葉も知らなかった。
その後、担当部署からいただいた資料によると、「デフリンピック」とは4年に1度、世界規模で開催される聴覚障害者のための総合スポーツ大会である。
1924年に始まった夏季大会と1949年に始まった冬季大会がある。
設立当初は「国際ろう者競技大会」という名称であったが、その後「世界ろう者競技大会」に名称変更され2001年よりIOCの承認を得て「デフリンピック」となったという。
7月4日、私は本人さんと会うことができた。
まずは、吉田さんのプロフィール。
東佐賀町出身、34歳。
現在国立病院機構佐賀病院に研修医として勤務されている。
3歳の時難聴が分かる。
城東中でバレーボールを始め、キャプテンも勤める。
佐賀西高でもバレーボールを続け国体候補にもなる。
佐賀西高から九州大学医学部に入学し検査技師を目指されたが、障害のある子供たちのために医師になろうと決断し佐賀大学医学部に入学された。
大学時代にデフバレーボールに出会う。
吉田さんが中学時代部活にバレーボールを選んだ理由は、お母さんがママさんバレーをされていたからだとお聞きした。
吉田さんは「先天性両耳性難聴」で難聴では最も重い2級の障害者手帳が交付されている。会話は手話ではなく、補聴器からの音声と話す相手の口の動きを見て内容を理解されている。ご自身が話される言葉は、こちら側もきれいに聞き取れる。
吉田さん、将来は耳鼻科医か小児科医になるのを目標にしているとのこと。
聞こえないと話し方が分からないため、人の輪に入れず、引きこもりの原因になる可能性もある。こうした負の連鎖を、まずは耳鼻科医として防ぎたいとの抱負を聞かせていただいた。
前向きに生きている吉田さんの姿には、障がい者だけでなく多くの健常者も勇気付けられるに違いない。
吉田さんが出場されるデフリンピックのバレーボールの部は7月19日から28日までの予定である。
皆さん、応援お願いします。
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