先人に想う ~明治維新150年に寄せて①~
鍋島家十五代当主 鍋島直晶さん

更新:2017年08月10日

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(鍋島家十五代当主 鍋島直晶さん)

平成30年は明治維新から150年に当たる年。佐賀市ではこれを記念し、平成29年・30年の2カ年、さまざまな事業に取り組みます。

市報さがでは、幕末維新期を中心に活躍した「佐賀出身の偉人たち」にスポットをあて、縁のある皆さんにインタビューを行います。

第1回目は、佐賀藩十代藩主鍋島直正公について、その末裔である鍋島家十五代当主鍋島直晶さんにお話を伺いました。

(聞き手 池田剛)

明治維新150年に向けた盛り上がり

鍋島公銅像
(鍋島直正公銅像)

昭和の終わりから平成の初め頃のいわゆる「バブルの時代」に生まれた人たちが、今、大人になって、子どもを持ち始めています。

あくまでも私の主観ですが、彼らが、今、「自分の国を必要としている」というか、「日本人としての横のつながりを求めている」という気がしているんです。

こうしたことが、この明治維新150年を祝う機運の盛り上がり(社会ニーズ)につながる1つの要素になっていると感じています。

直正公の教育

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(鍋島直正公肖像写真(徴古館))

ペリーが来て、日本に開国を迫って来た。そこで、世界を見渡してみると「こりゃ、大変なことになってる!」という感じだったと思います。

この時佐賀は、どこよりも早い段階で、国を守る必要性を意識する位置にいました(佐賀藩は貿易の窓口である長崎の警備を担っていた)。

ところが、この時直正公は、武器をとって戦う準備をするのではなく、「今やるべきは、航海術や医学、科学などの学問をすることだ」と考えたんですね。ここがすごいところだと思います。

弘道館

大隈重信侯は、「つらい思い出しかない」と言っていたそうですが、弘道館(佐賀藩の藩校)での教育は、相当に厳しかったようですね。

佐賀は、その時代にこの国が置かれている状況をしっかりと把握できていた。

そして何より、こうした学問が殿様たちだけでなく庶民にも開かれていた。

その場所が弘道館だったわけですが、これが佐賀の強みになったと思います。

佐賀人のエネルギー

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佐賀の人は、よくおおらかだと言われますが、それは、豊かさやエネルギーを内包しているからだと思います。

よその町の人は、佐賀の町に来ると癒やされるとか、のんびりしてると言われます。

普段はそういう印象の佐賀の人が一度目覚めた時の凄さ、それが「明治維新」だったんじゃないでしょうか。

直正公と対面

私にとって直正公は、遠いおじいちゃんのひとりという感じです。実は、私は直正公に対面したことがあるんです。

直正公のお墓は、以前は麻布の小高い丘の上に立っていました。

私は(墓を移設するために)このお墓を掘って直正公と対面しました。

直正公は、土葬されていたのですが、環境が良かったためか、意外なほどきれいな姿で残っていました。

私が棺を開けてみると、直正公は座った格好で左側に太刀を携えていました。まさに臨戦態勢に見えました。

直正公の死は、当時明治新政府の要職についていた佐賀出身の人たちにとっては大きなショックだったようです。

そこで、亡くなった後も守り神として祭られていたのかなと思いました。

佐賀の墓地

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(鍋島家春日御墓所)

直正公のお墓は、この時もう一カ所作られました。

麻布に埋葬された時に佐賀の人たちから、「地元にもぜひお墓を作って欲しい」という声が多く上がりました。

そこで、直正公の遺髪を東京から蒸気船で運ぶことになったのです。

その船は、今、世界遺産になっている三重津の港に着いて、そこから現在の墓地がある大和町の春日山に運ばれて埋葬されたと聞いています。

明治維新は大きな区切り目

徴古館外側画像
徴古館

直正公の一代前の殿様の名前を知っていますか?言える人は少ないと思います。

直正公の前後で、断絶があるような気がします。ある意味、直正公は私たちにとって「時代の始まり」なんじゃないでしょうか。

例えが不適切かもしれませんが、私は、明治時代の家には今でも住めるような気がするんですが、江戸時代の例えばお城には、どうやって住んでいいかわからない、とても住めない気がするんです。

そういう意味で明治維新は、私たちの時代の始まりであり、きちんと今につながっている、スタート地点だと思っています。

リンク

徴古館

※先人に想う~明治維新150年に寄せて~は、市報さが1日号で連載中。(鍋島直晶さん:市報さが6月1日号

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