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平成29年5月19日(金)若宮防衛副大臣との面談

更新:2023年04月 8日

日時 平成29年5月19日(金)13時30分~13時45分
場所 佐賀市役所2階 庁議室

面談録(一部要約)

若宮防衛副大臣

あらためまして、防衛副大臣の若宮健嗣(わかみやけんじ)でございます。
今日は、秀島市長におかれましては、大変お忙しい中、お時間をいただきましたこと、まずもって御礼を申し上げたいと思います。誠にありがとうございます。
ちょうどこちらを訪問させていただくのは、昨年の6月に施設の配置計画をご説明させていただいたと思います。

本日は、昨年の12月に在沖米軍MV-22のオスプレイの不時着水の案件がおきましたが、佐賀県から徹底した原因の究明と、情報の開示と、そしてまた、県民の皆様方に説明を行うように、強いご要請をいただきました。そうした関係もありまして、佐賀県の要請を重く受け止めまして、私ども防衛省といたしまして、本日説明責任を果たしていこうと、こうした観点から、先般の不時着水に関します私共の分析と評価と、そしてまた、不時着水を踏まえました、陸上自衛隊のV-22オスプレイの安全対策に関します方向性につきまして、先ほど、山口佐賀県知事にもご説明申し上げたところでございます。

それでは、早速ではございますけれども、初めに昨年12月13日に起きました、米軍MV-22オスプレイの不時着水に関します防衛省の評価を、私からご説明申し上げたく思います。

不時着水後に飛行再開をいたしましたのは、12月19日になりますが、これに先立ちまして、米側から普天間基地所属のオスプレイに対しての、飛行安全上の重要箇所のすべて確認をいたしました。その結果、機体には問題が発見をされませんでした。

したがいまして、私ども防衛省といたしましては、現時点におきましても、オスプレイの機体の安全性には問題はないと、こう評価をいたしているところでございます。

その上で、私どもといたしまして、米側の空中給油の再開、これは本年1月6日になりますが、これに対しましては、不時着水を起こしたあらゆる可能性というものを分析してまいりました。これは、お手元の概要資料のちょうど1ページ目の下の方の部分に、防衛省が分析した8つの可能性ということで記載をさせていただいているところでございます。アメリカ側からは、まだ報告書の方は提出をされてはいない段階ではございますけれども、私どもとしては、この不時着水の原因は、これら8つの可能性のいずれかに該当するものというふうに判断をいたしたところでございます。

安全対策の具体的な内容につきましては、今日は頂戴しているお時間の関係もございますので、あらためて、九州防衛局の方から、詳しいご説明に上がらせていただければというふうに思っております。

その上で、私からは、米軍オスプレイの不時着水が空中給油の訓練中に起きた事実、これは重く受け止めまして、まずは、空中給油以外の基本操縦の徹底的な習得、これにしっかり取り組むこと、そしてまた、有明海を含みます佐賀県での上空では空中給油の訓練は行わない、ということをこの場でも強く申し上げさせていただきたいと思っております。

いずれにいたしましても、この陸上自衛隊V-22オスプレイを佐賀空港で運用させていただくにあたりましては、この安全の確保というのは大前提だと認識いたしています。

在沖米軍MV-22オスプレイの不時着水に関します事故調査報告書につきましては、アメリカ側の方から提出があり次第、内容をしっかりと確認した上で、陸上自衛隊の安全対策にも反映をさせてまいりたいというふうに考えております。その上で、陸上自衛隊V-22オスプレイを空中給油訓練開始までに、安全対策をしっかりと確立をさせまして、あらためて、また佐賀市の皆様にもご説明申し上げたいというふうに考えております。

以上が、先般の不時着水に関します、私ども防衛省の分析と評価と、そして不時着水を踏まえました陸上自衛隊V-22オスプレイの安全対策でございますが、さらにもう一点、申し上げたく思っております。

私どもといたしましては、このV-22オスプレイ等を佐賀空港にぜひとも配備をさせていただきたいというふうに考えておりますが、この部隊の配備といいますのは、単に部隊配備とか、あるいは公共の投資が行われる設備があるということではなしに、やはり隊員を含むご家族、子どもを含めました生活やそれら活動の拠点というふうにもなるというふうに考えているところでございます。

実際には、この佐賀県にも隊員も、それからその家族も居住をさせていただくことになりますので、この県民の皆様、市民の皆様方と、日々の生活をともにさせていただくことになってこようかと思っております。まさに、良きコミュニティの一員として、皆様方とともに、本当に長きにわたる信頼関係の構築というのが必要不可欠だろうというふうに、私自身も考えているところでございます。

こうした点を含めまして、県民、市民の皆様方とともに歩みを進めてまいりたいなというふうに思っておりますので、何卒ご理解、ご協力のほどお願い申し上げたいなと考えております。いずれにいたしましても、引き続き、秀島市長をはじめ佐賀市の皆様方のいろんなご尽力いただかなければ、前に進むことはできないと思っておりますので、私どもといたしましては、懇切丁寧な説明に努めてまいりたいと、斯様に考えているところでございますので、お力添えいただきますこと、あらためてお願いを申し上げたく思っております。

私からは以上でございますが、どうぞよろしくお願い申し上げます。

 

秀島市長

ご苦労様でございます。防衛省の今の立場、今日お出でになったそういった部分でのお気持ちについては、十分こちらの方も受け止めさせていただきたいと思います。

ただ、ここで言われました「機体には問題なかった」ということは、これは、私たちはそのまま受け止めさせていただきますが、ただ、やっぱり事故が起きたというのは事実でございますので、いろんな可能性が含まれていると、そういったものについては、まだまだ調査中ということで、最終的にはどういう形に落ち着くのかは分かりませんが、まずは、そういう意味で事故が起きたというのは事実であるということを踏まえて、今後どうするのか。

そういう中で、私たちの立場は、今まで言ってきましたように、まずは、あの土地で何故なのか?という部分ですね。あそこには、もうみなさんお出でになる最初から、武田防衛副大臣がお出でになったときには、「県の決議を読んできた」というふうに私はお聞きしましたので、あの土地が、(佐賀空港建設に関する公害防止)協定で、「自衛隊と共用する考えはない」と(いう文言が)入っているということを、私はお分かりの上でお出でになったというふうに、当初は気付かなかったのですが、あとで、当日のいろいろなお話の内容を聞いてみますと、そういうふうな形になっていると、そういう部分で、よりこちらの方も困惑をしていると、当初そういうふうに申しました。

と申しますのは、そういう約束事というのは、我々、市という立場の行政としても、非常に重いものがあると、それで、そういう土地に何故なのかというのが、まだ払拭できないでいるわけでございます。

そういう中にあって、説明は、防衛省でそれぞれの地域、あるいは団体等の関係者にされていますが、やっぱり、これは新聞の情報ですが、関係する人たちの気持ちというのが、大雑把に言うと、半々でどちらもあると。受け入れていいんじゃないかなということと、受け入れたくないということと、これが、町民あるいは関係者が真っ二つに割ってしまうということにならないかということですね。

私は、合併した佐賀市、できるだけ、市民のみなさんたちにいろいろな考えがあろうとも、お互いに考えを理解して一体化というのを進めている中で、利害等を含めまして、二つに分けるということで、非常に心配するわけです。

そういう部分での心配がまだ払拭できないでおるという立場でございますので、まずは、協定書をどう関係者でされるのか、佐賀市は立会人という立場で、どうするということであまり私の方からそれ以上の見解については述べておりませんが、今日いただきました(資料の)部分で、ちょっと一つだけ質問をさせてもらってよろしいですか?

若宮防衛副大臣
はい、どうぞ。

秀島市長
これは、「1.基本的な考え方」の裏のページですね。「2.陸自オスプレイの安全対策の方向性」と書いてありますが、「有明海を含む佐賀県上空で空中給油訓練を実施せず」というのは、これは将来にわたってもしないということですか、当面ということですか?

三貝防衛計画課長
「将来にわたって」です。

秀島市長
将来にわたってすることはないということですね、あの辺上空ではということで捉えてよろしいですね?

三貝防衛計画課長
自衛隊の訓練空域の中でとなっておりますので、それは公海上に設定させていただいております。

秀島市長
だから、これがもしそうじゃなくて(空中給油訓練を)されたら、もうご存知のように有明海という一大海苔漁場で、海苔の漁業者のいわゆる畑ですね。そこに油軸でもあったらということで、私も沖縄の部分では、まずそこを一番心配したんですよね。
油が海に漏れなかったのかという、特に佐賀でも、もし将来にわたって、あるいはこれが原則ですよとか、とりあえずですよ、というような形になると、いつか(事故が)あるかなという心配もしておりまして、もし(事故が)あって、いろいろな事故の形態があるかもしれないが、事故があって油が漏れるとなると、一回汚れた海というのはそう簡単には戻らないと、そこら辺を心配したもので、(質問を)したのですが、将来にわたって、空中給油訓練をすることはないということだけは言えるわけですね?

若宮防衛副大臣
はい。

秀島市長
そこをちょっとこの部分では心配したのでお聞きしました。

三貝防衛計画課長
かしこまりました。

若宮防衛副大臣
今、ちょうど市長からもお話しございました、当初の佐賀空港自体を作るときの経緯というものもさまざまあったということも重々承知をいたしているところでもございますので、いろんな議論があり、またいろんな皆様方のご苦労もあったということは拝察をいたしております。

私どもといたしましては、県とそれからまた漁協の皆様方と、しっかりと丁寧な説明に努めていきながら、また本当に実際の佐賀市民の皆様方それぞれの、今日も知事をはじめ、県議会の議長様、副議長様、また漁協の皆様、そして市の方の、市長、このあと議長にお目にかからせていただく予定でございますけれども、漁協の皆様方にもお話しさせていただきましたけれども、皆様方に懇切丁寧に、いろいろなご意見があると思います。

今市長からもご指摘ありましたように、半々、なにぶんどのくらいの方々のどのくらいの比率かは分かりませんが、ご意見があろうかと思いますので、そういった何かしらの不安とか、あるいは心配事があれば、私ども一つ一つ、こういったことはこのような形で支障がないような形になりますとか、丁寧な詳しい説明を申し上げさせていただきながら、前に進めさせていただければなというふうに考えているところでございますので、何卒お力添えをいただければなというふうに思っております。

畑瀬総務部長
ここに書いてある8つの可能性が、最終的な原因はこの中にあるという判断でよろしいでしょうか?

若宮防衛副大臣
はい。

畑瀬総務部長
原因はこの8つの中にあるということで、これは防衛省側の最終的な結論ということで、機体に対する最終的な結論ということで?

若宮防衛副大臣
(私どもの)さようでございます。

秀島市長
これを読んでみますと、ほとんど全部可能性としては網羅されているというような感じでおりますが?

若宮防衛副大臣
そうですね。

秀島市長
だから、この中から、どれとどれと複数重なるのか、単独なのかも分からないけれども。

若宮防衛副大臣
これは、最終的な報告を出てからということに、またあらためてご説明申し上げる形になろうかと思いますが、おおよそ、この8つの中に該当するのは間違いないことだと、そういったご理解をいただければ幸いでございます。

秀島市長
話は変わって、最近の新聞(報道)からすると、沖縄にも副大臣は?

若宮防衛副大臣
はい、一昨日行ってまいりました。

秀島市長
あちこち飛び回っておられて・・・

若宮防衛副大臣
とんでもないです。私ども仕事でございますので。こちらにもまた何度でもお邪魔させていただき、皆様方といろいろと懇談の場を設けていきたいなと、冒頭ちょっと申し上げましたけれども、やはり、もしも具体的になって前に話が進みまして、陸自の部隊の者がこちらに来ることになりますれば、その家族やあるいはお子さんたちが、皆様方のお子さん、お孫さんたちと学校で共に学ぶことにもなろうかとも思いますし、また買い物なんかも、やはり皆様方のご関係の方々がご商売されているお店でお買い物をさせていただいたり、あるいは病院のほうとか、さまざまな、日常の生活の中の一体化をしていくことになっていくかと思いますので、そういった意味でも、本当に和やかに、いい意味での長い良い関係が構築できればなというふうに思っているところでございます。

秀島市長
そこら辺の思いについては、我々も変わらないわけですが、なにせ前段の部分の協定書の重みをどうするのか、それをやっぱり整理しないと、あと進めるにしても、何か咽に棘がかかったような形で、それと信頼関係ですよね。
今日はそういう部分は払拭しておりますが、やはり出だしの部分ですね。それから間もなく2年になりますかね、新聞に出された全く異なる見解ですね、あれもきちんとまだ整理ができていないですよね。どなたの言うのが本当なのかということですね。だから、若宮副大臣についてはこうして、ちゃんとされておりますけれども。

若宮防衛副大臣
ありがとうございます。

秀島市長
前も同じような形で対面をしていた中で、言われる内容が全然違うというようなですね。そうなってくると、我々はどちらを信用していいかも分からなくなってしまうということになりますので、そういうことがないようにお願いをいたしたいと思います。

若宮防衛副大臣
かしこまりました。皆様方との信頼関係、本当に最重要だと思っておりますので、信頼を損ねることのないように、十分に気を付けながら前に進めさせていただければなと思っておりますので、何卒よろしくお願い申し上げます。今日は本当に貴重なお時間をいただきましてありがとうございました。今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。

 

当日配布資料

資料(1)陸上自衛隊V-22オスプレイの安全対策の方向性について【概要】

資料(2)陸上自衛隊V-22オスプレイの安全対策の方向性について

資料(2)(参考資料)

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