東名遺跡に関する情報発信
今回は、平成24年4~8月に実施した出前授業や体験学習の様子について紹介します。
東名遺跡出前授業
市立小学校6年生を対象に、遺跡の存在を子どもたちに周知すると同時に、地域の歴史について関心を持たせ、郷土に対する誇りや愛着心を育てることを目的として行いました。
【実施校】
市立小学校7校。6年生(約600人)を対象。
【実施方法】
クラス毎に2時間(45分×2)の授業を行い、同時に各校1週間程度のミニ展示を実施。
授業では各班(4~6名)に遺跡から出土した遺物を準備し、実際に手にとって観察できるようにしました。
【結果】
アンケートの結果、9割以上の児童が興味を示し、内容についても9割以上が理解できたと回答しており、授業の効果が予想以上にあったようです。
東名遺跡では、人が作った土器や石器以外に、食べた貝の殻や動物の骨、木の実などが出土し、縄文人の生活がリアルに想像できる資料が揃っており、子どもたちの興味が引きつけられたものと考えられます。
ミニ展示については、授業を行った日から展示を開始し、授業の記憶が新しいうちに見学できるようにしたことでより効果が上がったようです。
この授業は来年度以降も1学期を中心に実施していく予定です。
体験学習(縄文の貝アクセサリーをつくろう)
今回は、忍澤成視氏(千葉県市原市埋蔵文化財センター)を講師にお招きし、午前中に「貝輪の考古学」と題した講演会と、午後から貝輪づくりの体験学習を実施しました。
東名遺跡からたくさん見つかっている貝輪について知ってもらうと同時に、貝輪づくりを通して縄文人の知恵や技を追体験してもらうことを目的として行いました。
【場所】
東名縄文館(佐賀市金立町千布 巨勢川調整池内)
【開催日】
平成24年8月18日(土)
【講演会】
地元の方を中心に約40名の参加がありました。
映像などを織り交ぜた講演でわかりやすく、非常に好評でした。
忍澤さんありがとうございました。
【体験学習】
小学校3~6年生を対象に募集し、約30名(+保護者)の参加がありました。
実際の現生貝殻(ベンケイガイ)を用い、たたき石と鹿の角(エゾジカ)を使って穴を開け貝輪を作製しました。
最後に砥石で磨いて完成するのですが、実際に子どもの腕にはまる大きさで、みんな喜んで持って帰りました。
現生の貝殻を準備するのは大変ですが、実際に腕にはまる貝輪づくりはやりがいもあるし、石や角で穴を開けることは普段経験しない感覚や発見があり、子どもたちにとってはとても良い経験になったようです。
この貝輪づくりについては、来年度以降も実施していく予定です。
出前授業の様子
市内の小学校7校19クラスをまわりました。 各班(下写真)の教材以外にも、土器や木製品、パネルなどを準備したので移動が大変でしたが、子どもたちの興味津々な姿を見ると、予想以上の効果とやりがいが感じられました。 |
ミニ展示の様子
出前授業に合わせて1週間程度、東名遺跡から出土したものを展示しました。 授業で触れたものを展示したので、理解もしやすく、出土品(実物)を身近に感じてくれたことと思います。 |
出前授業の教材
子どもたちに、遺跡から出土した本物を実際に手にとって観察しやすいように、各班に準備した教材です。 子どもたちは特に動物の骨に興味津々でした。 |
「貝輪の考古学」講演会の様子
写真や映像を織り交ぜて講演していただきました。 わかりやすい内容で、オオツタノハ(南島の貝)を獲得するのがいかに大変かがよくわかりました。 そんな貴重な貝も東名縄文人たちは貝輪に加工していました。 |
体験学習(貝輪づくり)の様子
小型のコンテナに砂を詰め、その上で作業をします。 石と鹿の角を使って穴を開けるのですが、最初は悪戦苦闘していた子どもたちも、次第に慣れ、興味深げに作業をしていました。 早い子は2個作成していました。 |
貝アクセサリーづくり資料
貝輪づくりの資料として使用しました。 千葉県市原市埋蔵文化財調査センター作成のA5版フルカラーの冊子で、貝輪に関する情報はもとより、貝輪のつくり方がイラストでわかりやすく解説されています。 |
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