ひがしみょう通信 第3号

更新:2015年02月27日

-東名遺跡に関する情報発信-

今回は、東名遺跡の出土品をモデルにした復元編みかごと縄文の森植樹会ついて紹介します。

 

編みかご復元について

縄文時代早期(今から7000年前)の遺跡である東名遺跡では、湿地性貝塚という特徴からたくさんの編みかごが発見されています。そこで、昨年(2011年)12月、東北大学の鈴木三男先生を代表とする「あみもの研究会」に、東名遺跡の編みかごをモデルにした復元品を作成してもらいました。

【方法】実際の編みかごと同じムクロジとイヌビワという木とツヅラフジというツルを使って製作。

【木材の調達】 大分県日田市と宮崎県小林市で現生のものを調達。

【へぎ材製作】 秋田県仙北市角館町の伝統工芸イタヤ細工師である佐藤定雄、佐藤智香、本庄あずさの各氏に依頼。現在の道具を用いてイタヤ細工の素材にならって製作。

【かごの製作】 バスケタリー作家の高宮紀子、本間一恵の両氏に依頼し、編みかごを製作。実物を観察しながら作業を行う必要があたため、佐賀市文化財資料館で実施した。

【完成品】 本体にイヌビワを使用したものと、ムクロジを使用した2個体を製作した。

  • イヌビワ(愛称:イヌビー) 使用へぎ材約157本。高さ77センチメートル、最大径34センチメートル。
  • ムクロジ(愛称:ムクロー) 使用へぎ材約204本。高さ84センチメートル、最大径40センチメートル。

【収納実験】 現在のアラカシ(ドングリ)を用いて、復元かごの収納量をはかる実験を行った。いずれもかごの7分目くらいまで入れて、イヌビーは約17,500個(35L)、重量は26.5kg、ムクローは約23,000個(46L)、重量は35kgをはかった。縄文人たちは、かごの中にドングリを入れたまま水につけて保存していたと考えられ、水気を吸ったかごは相当の重量になったと思われる。

復元品の製作によってさまざまなことがわかってきました。何より遺跡からはつぶれた状態でしか見つかっていないものが、立体的にイメージできるようになったことは、東名遺跡の編みかご研究において大きな前進となりました。

現在、イヌビーはそのモデルとなったSK2160編物(2)と一緒に東名縄文館に展示しています。ぜひ一度ご覧ください。

縄文の森植樹会

東名遺跡のある巨勢川調整池の一角で、縄文の森植樹会を実施しました。これはNPO法人 徐福・湿原の森づくり会が中心となり、緑の県土づくり事業の一環として2012年2月25日に行われたもので、50名以上の地元の方々が参加されました。

東名縄文人たちが食べた木の実が生るイチイガシやクヌギ、オニグルミをはじめ、編みかごの材料であるイヌビワ、ムクロジのほか、クスノキ、ヤマグワ、アオキ、ニワトコ、カヤ、ムクノキ、スダジイなど縄文時代に遺跡周辺に植生していたと考えられる木を植樹しました。どれも2m弱くらいの苗木でしたが、20年後には立派な森になっていることでしょう。

お 知 ら せ

東名遺跡ではたくさんの貝でつくったアクセサリーが発見されています。そこで今回、実際の貝殻(現代のもの)を使って、小学生向けの貝輪(ブレスレット)づくり体験学習を企画しました。あわせて一般向けに、「貝輪の考古学」と題し特別講演会も開催します。ふるってご参加ください。

【日時】平成24年8月18日(土) 10:00~11:30 13:30~15:30

 

へぎ材の製作状況(イヌビワ)

割り裂き写真 直径10センチメートルくらいの丸木を割り裂いてつくります。

完成したへぎ材(イヌビワ)

へぎ材写真 幅1センチメートル弱、長さ1m強のへぎ材です。編む前にしばらく水につけてやわらかくします。

編みかご製作状況

編組作業写真 二人のバスケタリー作家によって、しだいに編みあがっていくかごの様子です。

完成した復元編みかご

復元編みかご写真 左がムクロジで作った「ムクロー」、右がイヌビワで作った「イヌビー」です。

編みかご実物と復元品

実物と復元品写真 左が編みかごの実物(SK2160編物(2))、右がその復元品「イヌビー」。

復元編みかご展示状況

展示状況写真 復元編みかご「イヌビー」とそのモデルになった実物(SK2160編物(2))を東名縄文館で展示しています。

縄文の森植樹会1

植樹会写真1 植樹している状況です。地元の方々が50名以上も参加されました。

縄文の森植樹会2

植樹会写真2 巨勢川調整池の北東隅の一角に植樹しました。20年後が楽しみです。

 

関連リンク

東名縄文館のご案内(別ウィンドウが開きます)

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