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よか薬(2017年5月8日)

更新:2019年04月 3日

 先月26日、今村復興大臣が辞任された。

 前夜のパーティーの席で「防災をしっかり対応しなきゃならない」という趣旨で話された講話の中に、「あっちの方だったから良かったけど、もっと首都圏に近かったりすると甚大な被害があった」と東日本大震災の被災地の皆様を傷つける言葉を使われたのである。

 今村大臣はその責任を取り辞任されたが、同じ閣僚の中から「ふざけた発言」と酷評する大臣も出るほどに周りからも厳しく批判された。

 今村発言の東日本にかかわる部分は本意ではなかったと信じたい。

 今村大臣はすぐに謝罪し、取り消しもされているが、一度口から出た言葉は簡単に引込めることはできない。

 まさに「綸言(りんげん)汗の如し」である。一言にして大臣職を返上させられた。

 

 今村さんの今回の発言は私にとって決して他人事ではない。

 同じようなことは「私にもありうることだ」と自分を戒めた。

 あのような「喋り」の組み立て方を私もよくする。

 佐賀では「よか」をよく使う。肯定のときも否定(断り」のときも使う。

 今回の場合、佐賀弁だと「××やったけんが良かったばってん、もしも○〇やったないば、おおごとやった」というような言い方だ。

 あることを強調して訴えたいがために、もう一つの既成の事実を比較させることが多いが、その既成事実への配慮が不足すると、今回のようなことになってしまうのではないのか。

 私が思い浮かんだ事例として、

 風の強い日に火災が発生し、たまたま、そこが1軒家だったとする。

 現場を見た私が「1軒家でよかった。風が強かったので、密集地だったら大変だったよね」とコメントしたとする。そして、そのコメントが、火元である罹災者の耳に伝わったとしたら、どうだろう?

 今回の今村発言と同じように、私は激しい怒りを買うことになるに違いない。

 

 今村さんには申し訳ないが、今回のことを私にとっては「良か薬」として、ありがたく頂戴した。

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