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車内の出来事(2016年8月8日)

更新:2018年01月 5日

 7月最後の土曜日の夕方のことである。サッカーのサガン鳥栖応援のため伊賀屋駅から鳥栖行き普通列車に乗った。妻も一緒だった。列車の入り口付近には数人のお客さんが立っていた。その先を見ると通路を挟んで左右両側に二つの空席が見えた。

 近づいてみると空席ではあるが荷物が置いてある。隣に座っている人の荷物らしい。

 私は座らせてもらおうと空いている席の隣の席の人に近づき「済みませんが座らせてください」と言った。

 妻も、もう一方の空き席の隣の人に同じようなことを言って頼んでいた。妻の方は、70歳代の女性がすぐさま隣の席においていた荷物を自分のひざに移し、席を譲ってくれていた。

 私が声をかけた客は20歳を少し過ぎたくらいの女性で、手にはスマホ、耳にはスマホにつながるイヤホン姿である。頼んだ私の方に目を向けることもなく、ただスマホの上で指を動かして知らん振りしている。

 私の頼みが聞こえたのかどうかもわからない。無視しているようにさえ見えた。私は気付いていないかも知れないと思い、2本の指で女性の肩を軽くタッチして、「この荷物お宅のじゃないですか?席を空けてください」と再度頼んでみた。

 しかしその女性は、スマホをやめるのでもなく、返事もしない。もちろん私の方を見もしない。

 私は「ここで諦めて、引き下がるべきか」と思ったが、「ここまで起こした行動をやめるわけにはいかない、初志貫徹」と、次の行動に出た。

 「お宅の荷物でなかったら、この荷物、荷物棚に移させてもらいます」と言って、置いてあった荷物の手提げ風の取っ手のところをつかもうとしたら、その女性はあわてて荷物を手繰り寄せ、自分のひざの上に移した。しかし一言も言葉を発しない。

 私は、「済みませんね」とは言ったが、「ありがとうございます」という気もちにはなれず、その席に座った。

 このやり取りを周りの客は見ていた。通路を挟んだ隣の席では妻と先客の女性がこの光景を見ながら話し出した。

 その会話の中から、私が座った席も、隣に座っている20代の女性の席も「優先席」であることを知った。私の隣のその女性は次の駅で降りた。

 障碍があるようでもなく「おめでた」のおなかでもないようだった。

 分けありでもないような若い人が優先席二つを平然と占める感覚を私は理解できなかった。

 彼女の後ろ姿を見ながら、今年1月に行われた成人式を思い出した。女性の着物姿が多かった。

 晴れ着に欠かせないのが白いショールのようだ。そのショール、式典が始まる前に「ショールは肩からはずして、ひざの上に置いてください」と司会者からの幾度となく注意されても、聞き入れない女性が多いのに驚いた。

 おまけにお祝いの言葉が述べられているにもかかわらず私語が絶えない若者たち。壇上から見ていて腹立たしくなった。

 こうした成人式の一部の新成人にもがっかりだが、この日の列車の若い女性にもがっかりした。

 スマホ時代、最近話題の「ポケモンゴー」が加わると、いやな思いをする出会いもさらに増えるのではないかと気にかかる。

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