毎年夏休みを迎えると護国神社前を流れる多布施川が子どもたちの水遊び場として開放される。
今年は7月18日がオープンだった。
昭和58年の夏以来、今年で33回を数える。
水遊び場オープンの日、子どもたちに付き添ってこられた保護者の中にも、幼い頃、この水遊び場で楽しく遊んだ経験をお持ちの方もあったにちがいない。
60年ほど前、私が小さい頃は小学校や中学校にはプールがなかったから、近所の川や堀が泳ぎの場であった。
私が育った本庄町の集落では、地区公民館に近い多布施川水系のチヤノキ川(現在は大井手幹線水路に改修されている)が泳ぎ場になっていた。
川の流れは当時もきれいで、めったに海水浴など連れて行ってもらえなかった私たち子どもにとっては、格好の泳ぎ場だった。
集落の誰もが小学校に入学する頃までには、兄や姉、近所の年上の子から、何とか「わが身を浮かせる」程度の術を身に付けさせてもらい、川底に足が届くところであれば自由に水遊びをしていた。
チヤノキ川は浅かったので、どちらかというと女の子用であって、男の子は小学校4年生ぐらいになると自分の身長より深い堀(クリーク)に移って縦横無尽に泳いでいた。
最近のプール監視員のような大人の監視はなかった。
佐賀市の水遊び場を開設するにあたっては、毎年、日新校区や勧興校区の子ども会、佐賀若楠ライオンズクラブなど、ボランティアのみなさんの力を借りて川の清掃を行い、水質の検査を済ませ、監視員も配置している。
それでも苦情があるそうだ。
きれいな川のように見えても、子どもが一斉に川に入ると最初のうちはどうしても濁りが生じてしまう。
梅雨明け後の川開きであるため、堆積物などがいくらか残っているのだろう、「こんな濁りがある川で子どもを遊ばせるなんて不衛生だ」と、神経をとがらす保護者があるという。
今年、寄せられた意見を紹介する。
この水遊び場には『みんな友だち チビッコプール』という横断幕を掲げているが、この「ちびっこ」という言葉に対する異議があったという。
「ちびっこ」は「ちび」をイメージさせ、「でぶ」などと同じように身体的差別用語であり、使わない方がよいというものだった。
唱えられる異議を理解できなくもないが、私にはこの水遊び場はやっぱり「チビッコプール」という呼び名が一番ふさわしいと思うのだが。
みなさんはどう考えられますか?
何はともあれ、多くの子どもたちに、この水遊び場で思い出をたくさん作ってほしいと願うところだ。
街なかにあって、子どもが水遊びをできるところはそんなに多くはない。
この恵まれた環境をこれからも守っていきたい。
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