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【教育長だより】出前授業~「東名(ひがしみょう)遺跡」

更新:2016年03月 4日

出前授業の様子

【鍋島小】

東名遺跡出前授業(鍋島小)(フリー参観デー)

 

 

【日新小】

東名遺跡(日新小)

 

 

【北川副小】

東名遺跡(北川副小)

 

平成27年7月17日

「明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業」として「三重津海軍所跡」が正式に世界文化遺産に、また「東よか干潟」は肥前鹿島干潟とともに、国際的に重要な湿地保全を目指す「ラムサール条約」に登録されました。

佐賀市の誇るべき財産が、名実ともに世界に認められた記念すべき年となりました。

同時に私たちには、その保全とともに後世に伝えていく責任が課せられたことになります。

教育委員会では、市内の全小中学校で、これらの素材をもとに授業をとおして、子どもたちに世界文化遺産やラムサール条約の意義、そして佐賀の豊かな自然と先人の業績に学び、ふるさと理解とその保全・継承に努める子どもたちを育てたいと考えているところです。

 

さて、「遺物に触れ縄文体感」の見出しで取材記事が佐賀新聞(H27.4.17付)に掲載されていました。

記事の内容は、赤松小学校の6年生が縄文時代早期、国内最古の湿地性貝塚「東名遺跡」について、佐賀市教育委員会職員の出前授業として学んでいる様子でした。

 

みなさんは、「東名遺跡」をご存知でしょうか。

 

この遺跡は佐賀市金立町で出土した約8,000年以上も前のもので、日本を代表する縄文遺跡の中でも大変重要な文化遺産です。

その重要性には次の点があげられます。

  1. 国内最古の湿地性貝塚である
  2. 南北500m以上の広域にわたり、縄文時代早期としては国内最大級の貝塚群である
  3. 集落、墓地、貝塚、貯蔵穴がセットで出土し、当時の生活様式や文化を知る上で、希少かつ極めて高い学術的価値を持つ
  4. 最古の編みかごや動植物性遺物が大量に出土し、当時の生活や加工技術を具体的に知ることができる重要な資料である
  5. 東日本が中心の縄文遺跡の中にあって西日本での出土であり、九州貝塚の初現的あり方を知る重要な資料である

今佐賀市では、このような貴重な価値を持つ「東名遺跡」について広く理解してもらうために、さまざまな事業に取り組むとともに国史跡指定を目指しているところです。

 

この出前授業もまた、その(公開活用)事業の一環として行っているもので、市内の小学6年生を対象に、東名遺跡から出土した遺物をもとに教材化し、「約8,000年以上前にタイムスリップし縄文時代が体感できる」ように授業を組立てています。

 

昨年度の実績としては、市内小学校6年生の約半数、1,000名以上の児童がこの出前授業で東名遺跡をもとに縄文時代を学習しました。

本年度も、14校で出前授業を実施したところです。

 

小学校6年生になると、社会科で日本の歴史を学びます。

4月には、早速日本の古代史から順に学び始めます。

きっと日本史の入り口としてこの出前授業を受けることで、社会科好きの子どもたちが増えて欲しいと期待しています。

 

この出前授業では、各班に準備された遺物(オニクルミ、イチイカシ、エゾシカの角、イノシシの牙や下顎、糞石、サルボウ貝、ボラのえら、土器、石やじり等)をもとに、それらを観察したり触れたりして、子どもたちが縄文時代へとタイムスリップし、疑問をどんどん膨らませ課題解決に迫っていきます。

 

「縄文時代ってどんな時代?」に始まり、「東名遺跡ってどんな遺跡?」では、私たちに身近なこの遺跡が、吉野ヶ里遺跡よりも6,000年も古い、今から約8,000年以上前の遺跡であることや当時の村全体の様子がよく分かること、そして、すごく古い時代のものなのになぜこのような姿で残っているのかなど、どんどん解明されていきます。

そして、「縄文人は、いったいどんなものを食べていたのか?」では、貝や魚、動物や木の実の遺物から、四季折々の豊かな海や森の恵みを食料としていたことを理解していきます。

さらに疑問は膨らみ、大切な食料であるどんぐりなどを保存する縄文人の技術や知恵へと学習は進みます。

木を割いて作った編みかごや食べるための土器や木器、石を使った弓矢の発明などの優れた技術や知恵を実際の遺物をとおして理解していきます。

また、貝や動物の骨で作ったアクセサリーを身につけたおしゃれな古代人、墓地から出土した埋葬人骨から縄文人の顔形を想像していきます。

 

授業後の児童の感想をいくつか紹介してみましょう。

  • 縄文時代の人たちが、いろいろな工夫をして暮らしていたことなどがわかっておもしろかった。(循誘小)
  • 教科書にのっていないことまで、詳しく教えてもらい楽しかった。(循誘小)
  • 8,000年も前の物なのに、きれいな形で残っていたのですごかった。(鍋島小)
  • なぜ大昔のものが残っているのかその理由がよくわかり、どんな暮らしだったかもわかった。(鍋島小)
  • いろいろな工夫をして生き物を捕まえたり保存したりしていたことや本物の骨や貝を目の前で触れたことがよかった。(若楠小)
  • 本を読んで知っていたけど、実際に触れることはなかった。歴史がもっと好きになり、今度東名遺跡に行ってみます。(若楠小)
  • すごく社会が苦手で嫌いでした。でもこの授業で、とても社会に興味を持つことができたし、これからの社会の授業が楽しみになった。(金立小)
  • 縄文時代についてたくさんのことを知ることができた。特に、調べてもよく分からなかった縄文人の食生活を知ることができた。本当にこの時代は、食べ物が豊富なんだなと思った。そして、もっと縄文時代について知りたいと思った。(本庄小)
  • 縄文時代の人は現代の人よりも知恵と知識を持っていたことがよく分かった。編みかごの作り方がとても優れていたのには特に驚いた。(本庄小)
  • 縄文人が使った道具をさわったり体験ができてよかった。(兵庫小)

 

新聞記事には、この出前授業について『・・・子どもたちは顔より大きい牡蠣の貝殻に驚いたり、他の遺跡ではなかなか発掘されない8,000年前の“ふん”を目の当たりにし、五感をいっぱいに使って学習した。・・・』そして、授業を受けた子どもの感想として、『・・・「本物の資料があったからより分かりやすかったし、いろいろな触り心地があって面白かった。昔は九州や北海道が繋がっていたことに驚いた。」と話した。・・・』とありました。

 

佐賀市で発見された身近な遺跡、実際に出土した遺物である本物を授業の教材として取り扱うことは、子どもの関心や追求意欲を高めることができますし、さらに現地での体験学習も誘発できます。

授業では、「身近・本物・体験」の3拍子そろった教材は、児童・生徒にとって学習効果が高いものです。

これからも、佐賀市の貴重な財産である「東名遺跡」についての学習を積極的に行っていきたいと考えているところです。

 

市民のみなさんには、是非「東名遺跡」を訪れていただいて、8,000年前の古代人の生活の様子や知恵に学びながら佐賀市のいにしえに想いをはせていただければ楽しいのではないでしょうか。

間もなく長い夏休みに入ります。

子どもさんと一緒に見学すると親子の会話もいっそう弾み、夏休みの楽しい思い出として残るのではないでしょうか。

歴史的に価値のあるこの「東名遺跡」をふるさとの宝として、私たち佐賀市民の誇りとして後世に伝えていきたいですね。

 

教育長 東島 正明

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