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【教育長だより】ムヒカ大統領の生き方に学ぶ

更新:2015年05月25日

(兵庫小学校)「学校版環境ISO」キックオフ宣言

兵庫小学校

「学校版環境ISO」キックオフ宣言

(鍋島中学校)キックオフ宣言

鍋島中学校

キックオフ宣言

 

(開成小学校)平成26年度「学校版環境ISO」優秀校表彰

開成小学校

成26年度「学校版環境ISO」優秀校表彰

 

平成27年5月25日

生気みなぎる青葉の季節となり、衣・食・住など私たちの生活面でも夏を感じるようになります。

また、麦秋の季節を迎え田んぼには麦が黄金色に輝いています。

農家のみなさんには、梅雨をひかえていることもあり忙しくなることでしょう。

~ 麦秋の 雨のやうなる 夜風かな(田中 冬二)~

 

ふた月以上も前のことでしょうか。

何気なく見ていたテレビからウルグアイでヒッチハイクをするはめになったある男性の出来事が報道されていました。

その人物が走る車に合図を送るものの車はなかなか止まってはくれません。

当然といえば当然であり、何のゆかりもない人を乗せてくれるような車はないでしょう。

ところが、ようやく止まってくれた車があったのです。

それはいかにも古びた小さな車でした。

止まってくれた車の運転者に感謝しながら同乗させてもらったもののビックリ。

その車には大統領夫妻が乗っており、運転者は大統領自身であったというのです。

その名は、「ホセ・ムヒカ」、ウルグアイ第40代大統領(本年2月に退任)です。

しかも夫妻は、目的地まで気さくに話しかけ和やかに時が流れていったそうです。

この報道に感動するとともに一国の大統領が私的に自由に自家用車を運転していることに驚きました。

日本はもちろん、どの国でも常識的には考えられないからです。

 

この報道から一月程経った頃でしょうか。

3月のある日、同じくテレビでこのホセ・ムヒカ大統領の特集番組が組まれていました。

そこにはムヒカ大統領の公務や私生活ぶりなどが映し出されていました。

老若男女、国民の誰からも“ぺぺ”と呼ばれて慕われ迎え入れられている光景、対して、慈愛に満ちた優しい眼差しと笑みで分け隔てなく応対される大統領の姿がとても印象的でした。

私生活においては、大統領公邸に住むことなく、婦人とともに田舎の農場の小さな家に住み、畑を耕して野菜や花を作り、いくらかの家畜や愛犬とともに質素に暮らしておられるのです。

その生活ぶりはまさに一般庶民の生活そのものでした。

それもそのはずです。

大統領の給料のほとんどを福祉団体などに寄付され、残りを生活費に当てられているとのことでしたが、その額はウルグアイ国民の平均月収程度とのことでした。

また公務に向かうにも、運転手つきの立派な公用車ではなく古びた愛車で自ら運転されているのです。

これらの報道から大統領の人柄や生き方を垣間見ることができ、先般報道されたヒッチハイクの出来事もまた至極当然と納得したところでした。

 

後日、このムヒカ大統領のことが日本で書籍(絵本)になっていることを知りました。

その内容は、2012年ブラジルのリオデジャネイロで開催された地球サミット(地球環境の未来を決める会議)で演説されたものということでした。

早速、この書籍を求めて書店に行きましたが店頭には並んでいません。

うろ覚えの本のタイトルを店員さんに尋ねたところ、「今日入荷した本の中に、確かそのようなタイトルの本があったようです。」ということで探してもらい入手することができました。

 

正式な書籍名は、『世界でいちばん貧しい大統領のスピーチ』〔くさばよしみ(編) 中川学(絵) 汐文社〕でした。

 

この本は読み通すには時間はかかりません。

しかし、そのスピーチの内容は、読めば読むほど、考えれば考えるほど大統領の「考え方や生き方」が、じわりと心に響いてくるのです。

彼のスピーチは、

「これから、人類が地球の自然と調和して生きていくにはどうしたらいいか、世界から貧しさをなくすにはどうしたらいいかを話し合うことは大切なことである。しかし人間には、もっと豊かになりたい、もっと裕福な社会を望んでいる。(いわば矛盾した心)」

という問題提起に始まりました。

本来、人間が持っている「思いやり」の気持ち、家族・友人・他人への愛、そして、この世に生まれてきた命、命こそが大事であり基本であることが、欲深さによって忘れ去られようとしている現実。

そして、地球環境もまた、それによって壊れてきている現実。

まさに、「生き方が危機に陥っている。」の言は身につまされます。

そして、自国の事例をもとに、「社会の発展とは人間の幸せの味方でなければいけない」「人類が幸福であってこそ、よりよい生活ができる」との考えです。

 

「貧乏とは少ししか持っていないことではなく、無限に欲があり、いくらあっても満足しないことです。」は、人としてあり方を教えてくれています。

 

有言実行、「政治とはすべての人の幸福を求める闘いである。」という信念を庶民目線で貫き通した大統領に、人としての生き方・考え方を学ばずにはおられません。

 

私が出会った大切な1冊の本として手元に置き、これからも折に触れ読み返し、自らの生き方の教訓にしたいと考えたところです。

 

ところで環境問題については、佐賀市では市内全小中学校で「学校版 環境ISO」に取組み13年を迎えています。

その間、どの学校も組織的・継続的に実践し、すっかり定着したといっていいでしょう。

この取組みで、市内のすべての子どもたちには環境保全への意識が高まり、実践力が身についてきています。

昨年度からは新たに、1年間の取り組みから特に優れた実践校を表彰することにいたしました。

平成26年度は、最優秀賞には兵庫小学校、優秀賞には開成小学校、鍋島中学校の2校が受賞いたしました。

 

佐賀市の子どもたちが義務教育9年間をとおして、このような「学校版 環境ISO」の取組みで学び培った実践力は、やがて大人となって社会を動かしていく時にもきっと生きて働くことでしょう。

そして、ムヒカ大統領の願いでもある、本来、人が人として持っている心~思いやりや愛、命の大切さなど~を基本にして「人類が地球の自然と調和して生きる社会」の実現に貢献してくれることでしょう。

教育長 東島 正明

 

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電話:0952-40-7352 ファックス:0952-40-7394
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