5月3日は憲法記念日。日本国憲法が施行されてから68年を迎えた。
毎年、この日の新聞は憲法に関するものが主役になるのだが、戦後70年の節目となる今年の新聞には、例年になく強く訴えるものを感じた。
昨年7月1日、政府は集団的自衛権の行使を容認する閣議決定を行い、国会では、これから集団的自衛権を行使するために必要な関連法案が提案され、審議の運びとなる予定だ。
審議に際しては、憲法改正に絡む論議も想定されるので、スケジュールにとらわれず、時間をかけて十分議論して欲しいものである。
現行憲法は、敗戦後の占領下におけるアメリカからの押しつけ憲法という批判もあるが、戦後の日本で憲法が果たしてきた役割を評価する声も根強い。
長年の戦争で疲弊した国民にとって、当時、「戦争放棄」を謳った日本国憲法は崇高なものに映ったに違いない。しかし、70年近く経って時代に合わないという声もある。
私は雨模様であった5月3日、自宅で大学時代に憲法講座で使用した宮沢俊義著の「憲法」を開いてみた。また、書棚から昭和20年前後の歴史写真集も引っ張り出した。
今回、特に目に留まったのが日本国憲法公布記念式典の勅語である。
これまでは、あまり気にせず読み過ごしていたようである。
私が持っている古い小六法では、日本国憲法の編の上段に載っていたので、以下そのまま転記する。
日本国憲法公布記念式典の勅語
本日、日本国憲法を公布せしめた。
この憲法は、帝国憲法を全面的に改正したものであって、国家再建の基礎を人類普遍の原理に求め、自由に表明された国民の総意によって確定されたものである。即ち、日本国民はみづから進んで戦争を放棄し、全世界に、正義と秩序とを基調とする永遠の平和が実現することを念願し、常に基本的人権を尊重し、民主主義に基いて国政を運営をすることを、ここに、明らかに定めたものである。
朕は、国民と共に、全力をあげ、相携へて、この憲法を正しく運用し、節度と責任とを重んじ、自由と平和とを愛する文化国家を建設するやうに努めたいと思ふ。
新しい日本国憲法の公布にあたっての天皇陛下のお言葉である。
これから議論が深まるであろう日本国憲法について、「改正の必要性があるのかどうか」を含めて十分な議論をすべきだと改めて思った。
その際、保障されなければならないものは、国民の知る権利と自由に発言できる権利である。
最近の各種選挙における投票率の低下が心配される。政治に無関心が一番怖い。
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