分離所得の税額の計算
分離譲渡所得
土地、建物等の資産を売ったときの譲渡所得に対する税金は、他の所得と分離して税額の計算を行います。
(1)長期譲渡所得と短期譲渡所得
土地、建物等の資産を売った年の1月1日における所有期間により長期譲渡所得と短期譲渡所得に区分されます。
譲渡所得の区分
譲渡所得の区分 | 所有期間 |
短期譲渡所得 | 5年以下(平成31年1月1日以降に取得) |
長期譲渡所得 | 5年を超える(平成30年12月31日以前に取得) |
※()は令和6年中に譲渡があった場合の区分
(2)譲渡所得に係る税額の計算
課税譲渡所得 = 譲渡の収入金額-(取得費+譲渡費用)-特別控除額
- 譲渡所得…分離課税にかかる長・短期譲渡所得については、特別控除前の金額が譲渡所得になります。
- 取得費…売った土地や建物を買入れたときの購入代金(建物は減価償却費相当額控除後の金額)や購入手数料などです。実際の取得費が分からないときや実際の取得費よりも譲渡収入の5%の方が多いときは、譲渡収入金額の5%とします。
- 譲渡費用…土地や建物を売るためにかかった仲介手数料や測量費、立退料、取壊し費用などです。
- 特別控除額…政策的に税額を軽減するために設けられた控除です。主なものは次のとおりです。
譲渡所得の内容 | 控除額 |
収用などによる資産の譲渡 | 5,000万円 |
自己の居住用財産の譲渡 | 3,000万円 |
被相続人の居住用財産(空き家)の譲渡 | 3,000万円 |
特定土地区画整理事業等での譲渡 | 2,000万円 |
特定住宅地造成事業等での譲渡 | 1,500万円 |
農地保有合理化等のための農地等の譲渡 | 800万円 |
特定の土地等の長期譲渡 | 1,000万円 |
低未利用土地等の長期譲渡 | 100万円 |
※ケースによって控除額がかわることがあります。
長期譲渡所得の税額計算
税額=課税譲渡所得金額×税率
<注意>
居住用財産等の譲渡の場合や、国または地方公共団体に対する譲渡(収用等)の場合など、一定の要件に該当するときは、税率が異なります。
短期譲渡所得の税額計算
税額=課税譲渡所得金額×税率
<注意>
税率については、関連図表を参照してください。
(平成16年度、平成17・18年度、平成19年度以降分についてそれぞれ税率の変更がありますので、一覧を掲載しています。)
申告分離課税の上場株式等の配当所得等
上場株式等の配当所得等について、申告により分離課税を選択すると、配当控除は適用されませんが、上場株式等の譲渡損失との間で損益通算および損失の繰越控除を行うことができます。
分離課税を選択した場合の上場株式等の配当所得の所得割額は、他の所得と分離して税額の計算を行います。
平成28年1月1日以降に支払いを受ける特定公社債等に関する利子所得は申告分離課税の対象となります。(一般公社債の利子所得については源泉分離課税の対象のため原則として申告不要です。)
税額=上場株式等の配当所得×税率(市民税3%・県民税2%)
株式等の譲渡所得
株式等の譲渡に対する所得割額は、他の所得と分離して税額の計算を行います。
1 上場株式等を譲渡した場合※
税額=株式等に係る課税譲渡所得等の金額×税率(市民税3%・県民税2%)
2 非公開株式を譲渡した場合
税額=株式等に係る課税譲渡所得等の金額×税率(市民税3%・県民税2%)
※注意
特定口座に保管されている上場株式の場合で源泉徴収ありを選択した場合は、確定申告をしなくてもよいことになっています。この場合の徴収は譲渡の対価等の支払いをする方が行います。申告をした場合は、所得割額から株式等譲渡所得割が控除されます。また、所得割額において控除できなかった分については均等割額に充当されます。
上場株式等に係る配当所得等についての課税方式の一致
特定配当等および特定株式等譲渡所得金額に係る所得については、令和5年度(令和4年分)までは、納税通知書送達前に確定申告と異なる課税方式を選択した市・県民税申告書を提出した場合には、確定申告と異なる課税方式を選択できましたが、令和6年度(令和5年分)以降は、所得税と市・県民税の課税方式を一致させることとなりました。
そのため、特定配当等および特定株式等譲渡所得金額に係る所得を含めて確定申告をすると、これらの所得は市・県民税でも所得に算入されます。
その結果、扶養控除や配偶者控除の適用、非課税判定、国民健康保険税や後期高齢者医療保険料、介護保険料などの算定や、各種行政サービスの利用に影響が出る場合がありますので、課税方式の選択は、慎重にご判断ください。
先物取引に係る雑所得
商品先物取引による所得で、一定のものについては他の所得と分離して税額の計算を行います。
税額=先物取引に係る雑所得等の金額×税率(市民税3%・県民税2%)
退職所得
退職所得については、支払者が退職者に退職手当などを支払う際に、他の所得と分離して退職所得に対する税額を計算し、支払額からその税額を差し引きして、市に納入することになっています。
退職所得の金額=(退職金等の額-退職所得控除額)×1/2 ※1※3
税額=退職所得の金額×税率(市民税6%・県民税4%)※2
※1 勤続年数5年以内の法人役員等の退職所得金額の2分の1控除が、平成25年1月1日以後に支払われる退職所得に係る分から廃止されました。
※2 退職所得に係る個人市県民税の10%税額控除が、平成25年1月1日以後に支払われる退職所得に係る分から廃止されました。
※3 法人役員等以外の人で、勤続年数5年以内の人は、退職手当等の金額から退職所得控除額を控除した後の金額の2分の1の額を課税の対象としていましたが、令和4年1月1日以降に支払を受ける退職手当等は、退職所得控除額を控除した後の金額のうち300万円を超える部分について、2分の1の額ではなく全額を課税の対象とすることとされます。
退職所得控除額は、退職した人の勤続年数により求めます。
退職所得控除額の計算式
勤続年数 | 退職所得控除額 |
20年以下 | 40万円×勤続年数 |
20年超 | 800万円+70万円×(勤続年数-20年) |
※勤続年数1年未満の端数は切上げます。
※退職所得控除額が80万円に満たない場合は、80万円とします。
※障害者になったことにより退職する人は、表の控除額に100万円が加算されます。
<注意>
退職所得に対する税額は、退職手当等の支払を受けるべき日の属する年の1月1日現在に居住する市町村に納めていただきます。
山林所得
山林を伐採し(または立木のまま)譲渡したことによる所得は、他の所得と分離して税額の計算をします。
山林所得の金額=総収入金額-必要経費-山林所得の特別控除額
税額=山林所得の金額×税率(市民税6%・県民税4%)
関連図表
クリックして拡大します
このページに関するお問い合わせ
市民生活部 市民税課 個人市民税一係〒840-8501 佐賀市栄町1番1号 本庁3階
電話:0952-40-7062 ファックス:0952-25-5408
