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【令和7年度】景観ウォッチング~佐賀のよかとこバスツアー~を開催しました!

更新:2025年11月10日

R7景観ウォッチング_バナー画像(アップロード用)

市内の景観スポットを巡るバスツアーを開催

景観啓発事業の一環として、佐賀市内の景観スポットをバスに乗って巡り、建築士の解説を聞きながら見学するイベント「景観ウォッチング~佐賀のよかとこバスツアー~」を開催しました。本記事では、当日の様子や、見学したスポットに関する情報をご紹介します。

 

日時

2025年9月28日(日)13時00分~17時00分

 

参加費

無料

 

参加人数

36名

 

講師

(一社)佐賀県建築士会 理事 川﨑 康広 氏

 

見学コース

佐賀市役所を出発地点とし、以下の景観スポットを巡りました。

1 戸上電機製作所本館 大財北町
2 サガ電子工業株式会社 久保泉町
3 與止日女神社 大和町
4 大串集落・西の谷の棚田 富士町
5 川上川第二発電所 富士町
6 石井樋 大和町

 

当日の様子・見学スポットの情報

当日は雨が懸念されましたが、無事開催する運びとなりました。
大人から子どもまで、幅広い年齢層の参加者36人が市役所に集合し、大型バスで目的地に出発しました。

R7景観ウォッチング_バス
(大型バスに乗って、目的地へいざ出発!)

 

戸上電機製作所本館

株式会社戸上電機製作所の本社敷地内のこの建物は、建築当時(大正)の面影を留めながら、今も社屋として大切に使用されています。内観外観のみならず、用途も変わらず守られている点で、大変貴重です。

R7景観ウォッチング_戸上電機製作所本館(1)

まるでレンガ造りのように見えるレトロな外観ですが、実は木造で、外壁はタイル張りです。適切かつ丁寧に維持管理されています。また、特に玄関の上に伸びる4本の柱が大変印象的です。この4本の柱は、構造上必須のものではなく、装飾として付けられたものです。建築当時、まだ高い建物のなかった佐賀平野の中で、この姿は市民の目を惹き、企業の、そして佐賀市のランドマークとしての役割を担っていたのではないでしょうか。
上の外観写真をよく見ると、複数の窓の向こうに、黄色の格子が見られます。これはなんと、耐震のために設置された補強用の格子。中から見た様子が、下の写真です。

R7景観ウォッチング_戸上電機製作所本館(2)

趣のある本館の雰囲気を守るために、工夫されたデザインかつ必要最小限の数の設置となっています。また、鉄製ではなく周囲に馴染む木製で、頻発する大規模災害への対策と、内観・外観の保持が両立されています。

 

サガ電子工業株式会社

サガ電子工業株式会社は、通信機の無線アンテナを生産している会社であり、2013年に佐賀市開成から現在の久保泉町に工場・社屋を移転されました。
現在使われている社屋は、築100年を超える武雄市の酒蔵と、築80年近い有田町の米蔵を移築されたものです。地元の大工さんを中心に、子どもたちの土壁づくり体験等を交えて、化学物質を使わず移築されました。久保泉工業団地に入ってすぐ出迎えてくれる、白と黒の落ち着いた社屋と外構の緑のコントラストが美しい外観は、見る者にやすらぎを感じさせてくれます。

R7景観ウォッチング_サガ電子工業(2) R7景観ウォッチング_サガ電子工業(1)
(左:外観写真。右:説明に耳を傾ける参加者の様子。サガ電子工業株式会社の小柳社長から、社屋についてお話いただきました。)

蔵の持つ蓄熱・調湿機能や、井戸水を用いたクーラー等を生かして稼働されており、省エネ等の先駆的なエコ活動を実施されていることが伺えます。見学当日の屋外は湿度が高く蒸し暑かったですが、社屋の中はとても涼しく、みるみるうちに汗が引いていきました。建築物の仕様・構造と自然の力で、夏の暑さにも負けない冷却力を実現していることに、大変驚きました。

 

與止日女神社

與止日女神社は川上峡の流れが急流から緩流に移ろう地点に鎮座し、古くから海の神・川の神・水の神として信仰されてきました。

R7景観ウォッチング_與止日女神社(2) R7景観ウォッチング_與止日女神社(3)

鳥居は、佐賀藩初代藩主・鍋島勝茂が1608年に寄進したもので、笠木と島木(鳥居の一番上の石)が一体となって流動的に曲線を帯びた、佐賀周辺でよく見られる肥前鳥居の様式を取っています。実は、古い神社の鳥居の柱は固定されておらず、土台の石(沓石)に嵌め込まれただけの状態なのですが、この鳥居もそのひとつです(右上の写真を参照)。地震の際は、この構造により力を逃し、鳥居本体に伝わる揺れを軽減して、倒壊を防ぎます。

R7景観ウォッチング_與止日女神社(1)

現在の社殿は1816年に再建されたもので、今日まで補修を重ねつつ大切に守られてきました。鳥居をくぐって境内を見渡すと、大楠をはじめとした周辺を取り囲む木々や、歴史ある社殿が調和し、非常に美しい景観をつくり出しています。この光景を川上峡の対岸から眺めると、静かな水面に、社殿の大きな屋根と生い茂る木々が映り込み圧巻です。季節の移ろいとともに木々の葉の色が変化し、四季折々で異なる魅力を見せてくれます。

 

大串集落 西の谷の棚田

西の谷の棚田は、亀岳(標高740m)の麓にあり、富士町大串集落の中の一部に位置しています。佐賀らしい緩やかな斜面に形成されており、下から間近で見ても圧迫感が少なく、開放的に感じられる点が特徴です。

R7景観ウォッチング_西の谷の棚田(1)

春にはレンゲ草、夏にはひまわり、秋にはコスモスや彼岸花等、季節の花々が周辺を彩り、冬には雪化粧を見せてくれます。これらの自然の美しさは、人々に安らぎを与えてくれます。見学時は彼岸花が見頃を迎えており、緑の景色の中に赤い色が映えて、美しいコントラストを創出していました。

R7景観ウォッチング_西の谷の棚田(2)

棚田は、山間部における食糧生産地としての役割だけではなく、大雨が降った際には貯水地としての役割を持ちます。山間部の棚田で貯水することで、川へ流れ込む水の量が減るため、平野部での洪水を防止することができるのです。また同時に、山の地下水を育み下流域の産業を支える役割も担っています。

景観とは、人々の生活によって形作られる光景そのものを指します。佐賀市内の山間部には、西の谷の棚田を始めとして沢山の棚田が存在しますが、これらは山間部の人々だけでなく、平野部の人々の生活とも密接に関連する、景観形成の縁の下の力持ちのような存在なのです。

 

川上川第二発電所

川上川第二発電所は、九州電力株式会社の有する水力発電所で、大正時代に稼働を開始してから現在まで現役で発電を行っています。嘉瀬川ダムの下流から取水し裏手の崖から落とし、その際発生する力を利用して発電する仕組みとなっています。

R7景観ウォッチング_川上第二発電所(1)

この発電所は、レンガ造の配電盤室・直流電源室、木造で白を基調とした発電機室の2棟の建物からなります。詳しく見てみると、配電盤室上部の花崗岩を使用したセグメンタルアーチ(浅い半円状)のデザインや、上下左右にキーストーン(楔石)を用いた円形のフィックス窓(はめ殺しの窓)等、上品な工夫が散りばめられています。特に、キーストーンは教会建築等でよく見られるもので、西洋の建築物をよく意識して設計されたことが伺えます。また、ガラスを丸く切る技術は現在では珍しくありませんが、建築当時はとても難しい技術でした。

R7景観ウォッチング_川上第二発電所(2)
(キーストーンを用いたフィックス窓)

設計者のこだわりと、職人の技術の光る、西洋風の建物2棟は、緑あふれる山間部の中にある心地よいアクセントとして、地域のみなさんに親しまれています。

 

石井樋

石井樋は、嘉瀬川から多布施川へ水を分ける取水施設で、治水の神様と謳われる鍋島家家臣・成富兵庫茂安によって、1615年~1624年の間に造成されました。ここで取り入れられた水は、佐賀城下の生活用水や農業用水として使用されていました。

R7景観ウォッチング_石井樋公園(1) R7景観ウォッチング_石井樋公園(2)
(左:石井樋を見学する様子。右:石井樋。ここで多布施川へ取水する。)

佐賀市は平野の広さに対して山々がなだらかで小さく、山の恵みである水を平野全体に行き届かせることが難しいため、度々干ばつに襲われてきました。また反対に、大雨が降ると、高低差の少ない地形であるため排水が困難となり、浸水害が頻発しました。その状況を打破するために生まれたのが、嘉瀬川から取水し多布施川に流入させることで平野部での干ばつを防ぎ、大雨の際には取水する量を少なくして洪水を防ぐ、石井樋でした。佐賀市の景観の特色である、広大な平野一面に広がる田畑の光景は、石井樋の働きがあってこそだと言えるのでないでしょうか。
石井樋は、今日まで残る昔ながらの佐賀市の景観を支えてきた、大切な要素のひとつなのです。

 

参考

当日配布資料「旅のしおり」

令和7年度景観ウォッチング_旅のしおり【 PDFファイル:1.6 メガバイト 】

 

景観ウォッチング バックナンバー

令和4年度

景観ウォッチング~城内まち歩き~

令和5年度

景観ウォッチング~城内まち歩き~
景観ウォッチング~長崎街道・柳町周辺まち歩き~

令和6年度

景観ウォッチング~中央大通りまち歩き~

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都市戦略部 建築指導課 景観係
〒840-8501 佐賀市栄町1番1号 本庁6階
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