テーマ:狐の嫁入り
これから梅雨に入り、雨の日が多くなってくるでしょう。雨の降り方はいろいろありますが、空は晴れているのに雨が降っている、「天気雨」と呼ばれる気象現象があります。日本人ならご存じのとおり、日本語にはこの現象をもう1つのフレーズで「狐の嫁入り」と呼ばれます。
私は初めてこの表現を聞いたとき、天気雨と動物の結婚を結びつける言葉が日本語にもあるなんて信じられませんでした。「日本語にも」というのは、私の言語にも、不思議なほど似た言葉があるからです。
晴れて雨が降り、日本でキツネが結婚すると言われるとき、南アフリカで結婚するのは違う動物です。南アフリカにはさまざまな言語があり、それらの言語から生まれた2つの異なる、しかし似たようなフレーズがあります。その1つの言語「アフリカーンス語」では、天気雨のことを「jakkalstrou」(ジャッカルの結婚式)と呼びます。ちなみに、ジャッカルは小さなオオカミのような動物です。もう1つの言語「ズールー語」では、「umshado wezinkawu」(サルの結婚式)と呼びます。英語が母国語の私は、この2つのフレーズの英語訳「jackal s wedding 」と「monkey s wedding 」を幼い頃からずっと使ってきました。
大人になった今では、懐かしい言葉です。これらのフレーズを子どもの頃初めて耳にしたとき、周りのみんながこのような天気の日にジャッカルやサルが結婚式を挙げると言うなら、きっとそうなのだろうと思い、晴れた日に雨が降り出したときは、心がどきどきしました。日本に住んでいる今、違う言語でありながら、日本語の「狐の嫁入り」という言葉を聞くと、子どもの頃を思い出して、同じような懐かしさを感じます。
何千キロも離れた人々が、あれほど似た奇妙な言葉を口にするのは、なんと不思議なことでしょう!
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