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デマに惑わされないように(2020年3月2日)

更新:2020年03月 2日

デマ拡散  分かっているけど  トイレ紙品切れ続発

これは2月29日の西日本新聞27面に掲載された大きな見出しである。

記事には、新型コロナウイルスに関するデマの影響で、感染者が確認された熊本、福岡両県などでトイレットペーパーの売り切れが続発し、おむつや生理用品のまとめ買いも起きていることが報じられていた。

記事の終わりの部分には、この噂は「全くのデマ」であること、「在庫はふんだんにあり、デマにより一時的に需要が急増し、配送が追いつかなくなり棚から商品が消えた」とのメーカー側の談話も載せてあった。

佐賀でも混乱があったようだが、全く人騒がせなデマであった。

 

新型コロナウイルスに関しては、その前にも別のデマが流れた。

それは、温かいお湯を飲むと新型肺炎の予防効果が増すというものである。これはSNSを通してかなり広がったようである。私の妻も、親しくする友人からこの話を聞いたと言い、聞いたその日の夕食時、友人の話を信じ切った様子で私にいつもより多めのお茶を勧めた。

私も「まさか」という疑問は持ちながらも、妻の友人である「あの人の言うことならば」と、半信半疑でこの話に付き合った。ところが数日後、お湯による効果は全く根拠のない「単なるうわさ話」であることが分かった。

妻の言葉を信じて、私がまた別の人に勧めていたならと思うとデマの怖さにぞっとした。

 

そこで、デマという言葉の意味を調べてみた。

国語大辞典には「デマゴギーの略。政治的目的で大衆を惑わすため、また、大衆を相手の不利になるような方向にかりたてるためにする虚偽の宣伝」「でたらめなうわさ話」「流言飛語」「中傷」など記されていた。

このように、デマとは根拠のない、いいかげんなうわさ話のことであるが、逆に、根拠があって、事実であればデマとして取り扱われないかというと、そうでもないようだ。

日頃、言論の自由が十分に保障されていない国にあっては、確固たる根拠があっても「時の支配者」にとって都合の悪いことであれば、流言飛語、デマとして扱われることがあるのだ。

いま世界を震撼させている新型コロナウイルス騒動の始まりの時期にそれがあった。

昨年暮れ、中国武漢市の武漢市中心院の李文亮医師ら8人の仲間が「海鮮市場の7人が重症急性呼吸器症候群(SARS)と確認された」などとSNSで警戒を呼び掛けたそうだが、武漢市ではなぜかこの警告が生かされず、逆に情報発信した李医師は警察から呼び出され、「社会秩序を乱す発言をした」として訓戒処分を受けた。

李氏本人はその後、自らもその肺炎に冒され、命を落としてしまった。「原因不明の肺炎」の情報を得て、患者の存在を確認しながらも、初動対応に生かせなかった武漢市当局の姿勢が悔やまれてならない。

後で英雄扱いにし、李文亮医師の名誉は回復させたようだが、「時すでに、遅し」であった。

「情報隠蔽」とも受け取れる武漢市の体質を私たちは「よそ事」として捉えるのではなく、反面教師として捉えなければならない。

もしも、あの時点で、李氏らの警告がきちんと受け止められていたならば、その後の展開は大きく変わっていたかもしれない。

 

感染者数と致死者数が日ごとに増え、緊急事態宣言を発する自治体まで出現した日本では、これからしばらく、不安感が漂い、デマも多くなるだろう。

そんな時だからこそ、私たち国民に求められることはデマに惑わされない冷静な判断力である。併せて、国や自治体に求められることは、正確な情報をいち早く発信することである。

もちろん、「情報隠し」など、「もってのほか」である。

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