世の中を震撼させるような事件が続く。
5月末には川崎市で20人殺傷事件があり、7月は京都のアニメーションスタジオで放火事件があった。
この放火事件では35名の方が亡くなられ、30名を超す方々が大やけどされた。
一瞬の出来事で逃げようとしても逃げることができない程の短時間での出来事であった。
これらの事件で犠牲になられた方々、朝、自宅を出るときは、普段となんら変わらぬ姿で出られたであろうに・・・。 命を奪われた皆様には哀悼の誠を捧げるとともに、やけど等大けがをされた皆様には一日でも早い回復を祈った。
いずれの事件もまだその真相は解明されていないが、報道によるところでは容疑者は社会的に孤立していたようである。
孤立の要因は何か?
孤立が進めばひきこもりにつながる。
一般的によく言われることだが、学校時代のいじめが引き金になる場合もあるし、職場でのパワハラやいじめが引き金になり、失業につながり、相談する相手もないことなどがひきこもりの原因に挙げられる。
今回はそのひきこもりに焦点を当て考えてみた。
内閣府の推計によると今年の3月公表されたものでは、中高年(40~64歳)のひきこもり状態の人が全国で61.3万人。
この内閣府調査では次の様な生活状況を問いかけ、⑤から⑧を選んだ人で、その状態が半年以上続いている人を「ひきこもり」として定義づけられていた。
①仕事や学校で平日は毎日外出する
②仕事や学校で週に3~4日外出する
③遊び等で頻繁に外出する
④人づきあいのためにときどき外出する
⑤ふだんは家にいるが、自分の趣味に関する用事のときだけ外出する
⑥ふだんは家にいるが、近所のコンビニなどには出かける
⑦自室からは出るが、家からは出ない
⑧自室からほとんど出ない
*この調査資料には、身体的な病気や、家で仕事をしている人は除くが専業主婦(夫)家事手伝い、介護や看護などをしている人で、最近半年間に家族以外の人との会話がほとんどなかった人は含まれている旨の添え書きあり。
こうしたひきこもり現象、年々増加しているといわれている。
ひきこもりになった本人にはもちろんつらいことだが、家族も悩みも大変なものである。
前出の川崎事件後、東京では息子のひきこもりに悩む父親が息子の将来を案じ、息子に手をかけ命を奪うという痛ましい事件まで発生した。
ひきこもりは子供や若い世代にもたくさん見られるが、ひきこもり者が中高年者の場合、その親が70~80歳代になっていて一段と深刻さは増す。
ひきこもりはだれでも陥る可能性がある。一度ひきこもると、なかなか抜け出せない。
今、佐賀市では『福祉まるごと相談窓口』や『子ども・若者支援室』、『生活自立支援センター』で対応しているが、総体的に相談できる場も少なく、指導していただく先生も限られている状態だ。
受け入れ態勢としては、決して十分とは言えないかもしれないが、悩みのある方は家庭内で悩むのではなく相談窓口を利用してほしい。
これに加えてもう一つ、私たちは、新たなひきこもり者を出さない努力もしなければならない。
みんなに我がこととして考えてもらい、ひきこもりの原因にもなりうる、パワハラやいじめをなくすことも大事である。
社会から孤立する人が出ないよう、思いやりの心を大事に育てていきましょう。
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