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信なくば立たず(2018年4月2日)

更新:2019年12月 9日

 真偽のほどは、まだ解明できていないが「いい土地ですから、前に進めてください」「何かできることはありますか」という当時の名誉校長の言葉から始まっているように思えてならないのが、森友学園への国有地払い下げ問題である。

 1年以上にわたって真相究明が続いているが、まだ国民の疑問に十分答えるところまで達していない。  国会で「廃棄した」と答弁した文書が見つかり、おまけに、改ざんまでされていた。

 上司の指示を受け、改ざんに関与したと思われる職員の一人が自ら命を絶たれた。悲惨な結果となってしまった。

 一方、先月27日にあった国会での証人喚問では、改ざん当時の事務部門の最高責任者と思われる証人は、「刑事訴追の恐れ」を理由に証言を拒否される部分が目立った。

 問題になっている「忖度」という言葉は、昨年度の流行語大賞に選ばれたが、この忖度という言葉は今年に入って「改ざん」という言葉につながり、行政への信頼を失わせる事態にまで発展した。

 行政にかかわる者の一人として残念でならない。

 行政が住民の「相談ごと」に対応する場合、基本的には法令等の規定に従って対応する。しかし住民の相談内容は単純なものばかりでなく、複雑な要素を含んでいるケースも多い。

 相談者の窮状を考え、時によっては、「何とか出来ないか」と「できる理由」を探すことも行政マンの務めだと私は考える。単に法令等の規定に従うだけでなく、当該法令の意図する理念に背かない範囲で、適用対象を広げる努力をするところに「血の通った行政」、「痒い所に手が届く行政」といわれる所以があるのではないだろうか。

 私はこのようなケースを一般的に「市民への配慮」とか「市民への寄り添い」という言葉で、職員に再検討を求めることがある。

 勿論、この「配慮」や「寄り添い」が権力者におもねたり、公平・公正さを著しく欠くような場合は論外であり、絶対に許されない。

 今回の忖度問題を地方自治体の一首長として改めて教訓にしたい。

 単に「忖度を依頼したことはない」では済まされない。

 まさに「李下に冠を正さず」である。

 

 国民の間では今回の忖度問題の徹底した原因究明と再発防止策を求める声が大きいが、当然のことである。

 郷土の大先輩である、元内閣官房副長官の古川貞二郎氏の言葉が新聞で紹介されていた。

 古川氏は、省庁幹部人事を首相官邸が握る「内閣人事局」の弊害を挙げ、「官邸の意向を忖度する傾向が特に強くでてきたのではないか」と警鐘を鳴らされていたが、説得力があった。

 今回の改ざん事件で私はもう一つ心配する。

 それは官僚の過度な萎縮である。

 萎縮により、公文書として残されるべき記録が恣意的に操作・割愛され、時の行政にとって都合の悪い記録は残されないことにつながらないかという不安である。

 このような事態になれば本末転倒であり、許されないことである。

 民主社会にあって、有権者が正しい判断をするためには正しい情報が提供されなければならない。

 「都合の良い情報だけ」や「改ざんされた情報」であってはならない。

 電子決裁の文書であれば改ざんの防止に役立つという記事を読んだが本当だろうか・・・。

 今まさに「信無くば立たず」である。

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