令和元年度
人権ポスターコンクール優秀作品
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「あいまいな喪失~さよならのない別れとは~」
人は大切な人を失うと深い喪失感を感じますが、時間の経過とともに少しずつ回復していくといわれます。
しかし、震災や豪雨災害などで大切な人が行方不明になり、亡くなったことは認めがたいけれど現実的にはその人がいない「さよならのない別れ」を余儀なくされている人たちがいます。
このように別れそのものが不確かで、矛盾を抱え、はっきりさせられない気持ちをアメリカのポーリン・ボス博士は「あいまいな喪失」と名づけ、その考え方を提唱しました。
ボス博士は「あいまいな喪失」を抱えた人は解決することも決着を見ることもできず、長い間、罪悪感や、心の葛藤を感じながら生活しているといいます。しかし、当事者自身がそのことを理解し、心のケアに関わる専門家につながることで、罪悪感を少しずつ軽減し、心の整理をすることにつながるとも伝えています。
当事者を支えたいと思う周囲の人は、無理に決着をつけたり過去のことにせず、つながりを持ち続けて、必要な場合には時間をかけて話を聴く。そして役に立ちたいと思っている気持ちを伝えることで、当事者たちは「あいまいさ」を抱えながらも自分の力で人生を歩むことに折り合いをつけていくのだそうです。
「あいまいな喪失」を今もずっと持ち続けている人たちがいることを心にとめておきたいものです。もしかしたら身近な人が当事者かもしれません。
(社会同和教育指導員)
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